NIGHT_SHIFT (B級映画&ゲーム雑感 上井某BLOG)

上井某(家主)が観た「B級映画」(主にホラーとサスペンス)の感想と、たまにゲームとかアニメとかについてつらつらと語るブログです。

映画感想:「サラリーマン・バトル・ロワイアル」(60点/サスペンス)

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■■■「サラリーマン・バトル・ロワイアル」■■■
(60点/サスペンス)

 コロンビアのボコタにある、政府の非営利企業であるベルコ・インダストリーズに勤める80人の外部社員たちは、ある日、いつものように出社したとこと唐突に奇妙な社内放送を聞かされる。

 それは、『8時間後に80人のほぼ全員が死ぬ事になるが、いまから30分以内に2人の人間を殺せば生き残る確率が上がる』という奇妙なものだった。

 放送のあまりに異様な内容に混乱しつつも会社から避難しようとする彼らだったが、放送の直後に扉や窓が頑丈なシャッターのようなもので閉鎖され、ビルのなかに閉じ込められてしまった事に気づく。

 そんな最中、なんとかして現在の状況を把握しようと試みる彼らだったが、果たして30分後に『保守』のために取り付けられたインプラントが爆発し、謎の声の予告通りに社員が次々と爆殺されていき…



 とある政府企業に勤める80人の外部派遣の社員たちが、謎の声のメッセージに従って殺し合いをさせられる事となるという、サバイバルアクションもののサスペンススリラー映画。

 「サラリーマン・バトル・ロワイアルとはこれまた直球ストレートな感じのタイトルですが…

 実際のストーリーの方も『とある政府企業に勤める外部社員たちが、ビルに閉じ込められて唐突な社内へのアナウンスによって殺し合いを指示されるんだけど、声に従わなければ爆殺されて指示に従って他者を殺害すれば爆殺を免れる事ができるので、いやおうなしに殺し合いを余儀なくされていく』という感じで、まさに『サラリーマンがバトルロワイアルする話』としか言いようが無いようなお話ですね。

 いわゆる閉鎖環境型のシチュエーションスリラーなのですが、ビルが結構デカい事や登場人物が80人というかなりの大人数な事もあって、あんまりシチュエーションスリラーにお馴染みの閉塞感のようなものはありません。

 お話の流れ的には、何者かのアナウンスによる『殺し合い』の指示という謎の提示から始まって、殺し合いを余儀なくされた状態で『声に従って殺し合いをするべきだ』という派閥と『なんらかの対応手段を考えるべきだ』という派閥に分かれて争いが発展していくという感じ…

 『武闘派でタカ派の管理職』と『穏健派の主人公』の対立という設定は、お約束ながらもキャラ立てやストーリーの組み立てとしてまあまあ説得力があって、なかなか良く出来ている印象ですね。

 また、バトルロワイアル的に突入してからの流れも、なかなかスピーディで見せ場もそれなりにあるので退屈せずに見れるのは良い感じです。

 ただ、バトルロワイアルに突入するまでの流れがちょっと冗長な感じなのは残念なところ。

 特に序盤は80人も社員が居る割には、主人公たちがちょっと没個性的であまりキャラが立っていないせいで、どうにもキャラクターがとして印象に残らないんですよね。

 というか登場人物の殆どが、男も女も『白いシャツとスラックス』というお決まりの服装なので割とガチで見分けがつかないような状況が多く、序盤は本気で主人公とヒロインがどの人なのかが良く分かりませんでしたよ…

 ただ、オチもお約束の投げっぱなし系のオチながらも、ラストがなかなかカタルシスのある構成になっているのは良い感じでした。


 総評としましては、まあまあ『手堅くまとまったバトルロワイアル系サバイバルものサスペンススリラー映画』って感じの一本ですね。

 全体的に良く出来てて悪くない作品ではあるのですが、ちょっとありがちなシチュエーションや展開が多くて、本作ならではという個性に乏しい感じなのが惜しい作品でしたよ。

 敢えてプッシュするほどかと言われると悩ましいところですが、過剰な期待をしなければそれなりに楽しめる内容ではあると思いますので、こういうジャンルが好きであればチェックしてみても良いかもしれません。