NIGHT_SHIFT (B級映画&ゲーム雑感 上井某BLOG)

上井某(家主)が観た「B級映画」(主にホラーとサスペンス)の感想と、たまにゲームとかアニメとかについてつらつらと語るブログです。

映画感想:「キュート・リトル・バニーズ」(50点/コメディ)

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■■■「キュート・リトル・バニーズ」■■■
(50点/コメディ)

 夏祭りを控えて盛り上がるイギリスの片田舎のデディントン村。
 遠い宇宙から訪れた女性の減少から人口減に悩む宇宙人たちは、地球の女性を誘拐するために『種付け部隊』として自動機械をデディントン村へと派遣し、現地の生物である『ウサギ』を改造して侵略部隊を編成しようとしていた。

 その頃、母が亡くなったために数年ぶりに実家に訪れたメルは、かつての恋人のローズと再開するが、村で相次いで起こる人間の仕業とは思えない奇妙な殺人事件に巻き込まれてしまったうえに、ローズが何者かによって誘拐されてしまい…



 イギリスの片田舎の村に宇宙人の作りだした『殺人ウサギ』の群れが出没して人々を恐怖に陥れるという、コメディホラー映画。

 『可愛いウサギが実は凶暴な生物でした』という設定を聞くと、なんとなく「モンティパイソン」の殺人ウサギのネタを思い出しますが、本作も同様にイギリス製のコメディ映画ですね。
 もしかしてイギリス人は『殺人ウサギ』ってネタが好きなのでしょうか、もしくはモンティパイソンにインスパイアされて作られたネタ映画なのでしょうか…

 まあネタの出自はさておき、お話としては『イギリスの片田舎に女性を誘拐して人口を増やすために宇宙人が侵略に訪れるんだけど、その尖兵としてウサギを改造して殺人ウサギに仕立て上げて人類を攻撃する』みたいな感じのお話です。

 お話の流れとしては、『祭りの準備で盛り上がるイギリスの片田舎で謎の殺人事件が連続して発生し、やがてその原因が殺人ウサギだと判明する』というテンプレート的なノリの展開で、まあまあ悪くは無い印象。

 ちょっとホラーにしてもコメディにしてもコテコテすぎるきらいはありますが、序盤から出し惜しみせずに殺人ウサギがバンバン登場してお話を盛り上げてくれるので、途中で退屈しないのは良い感じです。

 殺人ウサギは『遊星からの物体X』の『物体Xに乗っ取られた犬』みたいな感じで頭が4方向にパカっと割れてそこから触手が飛びだすというデザインのもの。

 モンスターはそこそこリアルなCGで作られており可愛さと凶悪さのギャップが面白いのですが、モンスターの襲撃方法が『触手を伸ばしてくる』という同じ動きのワンパターンで、ちょっと盛り上がりに欠けるのは難点かなぁ?

 CGを作る予算の都合で仕方ない部分なのかもしれませんが、どうせ低予算コメディなら『ウサギのヌイグルミを手で持って演技する』ぐらいのナンセンスなノリがあっても良かったかも?

 お話の展開もややオーソドックスすぎるきらいはありますが、終盤からの村人たちが決起してモンスターに戦いを挑むという展開は、コテコテながらも盛り上がる感じで良かったです。

 ただモンスター映画としては及第点な感じではあるのですが、コメディとして観るといま一つ面白く無いのは困りもの。

 ギャグのネタも全体的にちょっと滑りぎみですし、やたらと頻繁(ひんぱん)に登場して設定やら状況を解説する三門芝居をやる『宇宙人の司令官たち』も、最初は面白いんだけど出番が多すぎて途中から鬱陶しくなってきます。

 またコメディ色が強すぎるせいで、ホラーとしてもコメディとしてもどっち付かずになってしまっている印象があるので、ギャグはもうちょっと控えめにしてホラーとしてはオーソドックスな作りにした方が良かったかも?

 あと、殺人ウサギに関しては『オシッコが弱点』(オシッコをかけられると爆散する)という設定があるのですが、殺人ウサギはそもそも攻撃力は高くても防御力は普通のウサギ程度しかなくて、オシッコとか使わなくても普通にバットで殴る程度でも倒せてしまうので、正直この設定はあんまり必要なかった気がしますよ…(ギャグとしても滑りがちでしたし…)

 キャラクターに関しても、濃いキャラが多い割には主人公とその父親以外はあんまりキャラが立ってなかったのは残念なところかなぁ?
 女性巡査とか良いキャラをしてたので、もうちょっと登場人物の人数を絞って主人公たちのキャラをもっと立てていった方が良かったかも…


 総評としましては、悪くは無い出来の『まあまあ観れるレベルのコメディホラー映画』って感じの作品ですね。

 そこまで低予算でも無くて割とシッカリと作られてますし狙ってる方向は分かるのですが、コメディとしては全体的にネタがちょっと滑りがちな感じだったのが残念なところでした。

 まあややパンチは弱いものの、ネタ映画として観るならそこそこ楽しめる映画だと思いますので、気になっているのであればチェックしてみても良い一本ではないでしょうか?