(60点/オカルト)
タイのバンコクに旅行で訪れたジムとジュリーのカップルは、同じホテルに滞在していたロバートとビリーらと意気投合が、ジュリーが、タイ人が霊を祀る祠(ほこら)である『ゴーストハウス』に興味を持っていた事から、田舎の森の中にある珍しい『ゴーストハウス』を見学に行く事になる。
不気味な森の中にある祠に到着した彼らだったが、ジュリーが引き寄せられるように祠に祀られていた像を手にした瞬間に、彼女の前に不気味な老婆の幻が姿を現して彼女は意識を失ってしまい、それを待ち構えていたようにロバートたちは彼らを森に置き去りにして逃走してしまう。
地元ガイドのゴゴの助けで森から逃げ出した彼らだったが、ゴゴの住む村の住人から彼女が近づいたのは『ワタベ』と呼ばれる非業の死を遂げた日本人女性が祀られた祠で、そこに近づく若い女性はワタベによって呪われてしまうという驚くべき話を聞かされるが…
タイに旅行に訪れたカップルが、呪われた霊が祀られた『ゴーストハウス』に近づいてしまったせいで謎の老婆の霊に襲われるという、タイ製のオカルトホラー映画。
なんでも「イット・フォローズ」のプロデューサーが制作に関わった作品らしく、そのせいで類似作品っぽいタイトル(とかロゴ文字)が付いていますが、内容的には特に似ているような部分もなくて、むしろ『「リング」とか「呪怨」的なJホラーっぽいテイストを持ったアジア系ホラー映画』って感じの作品ですね。
(ちなみに原題は「GHORST HOUSE」で、そっちの方が作品の内容を良く表してる感じ…)
ただタイトルへのツッコミどころはありますが、「フォロイング」というタイトルよりもキャッチコピーに書かれている『ババアが、憑いて来る。』のインパクトに全部持って行かれてしまった感じの作品です。(笑)
お話としては『タイを訪れたカップルが、ホテルで知り合った客たちに誘われて田舎にある霊が祀られた祠である『ゴーストハウス』を見学に行くんだけど、そこに行って以来、奇妙な老婆の霊に呪われて命を狙われる事になってしまい…』みたいな感じのお話。
なんというか、割とジメジメとした雰囲気で地味な内容ながらも、意外と良く出来たオカルト映画という印象の作品ですね。
お話の構成や演出を含めて全体的にJホラーを意識したような作りで、呪いに登場する老婆が『タイに嫁いだ日本人女性』という設定なのも、なんとなくJホラーへのリスペクトが感じられます。
ノリとしては雰囲気を重視したオカルトホラー作品という感じなのですが、特に『タイの田舎の村』を舞台とした不気味な雰囲気とか、『ゴーストハウス』(霊を祀る祠)等といった独自の文化を題材とした独特のテイストが非常に良い味を出していますね。
いままでアジア系のオカルト映画で、こういう地元の文化とか雰囲気をシッカリと描いた作品ってあまり観た事がなかったので、題材としては非常に新鮮で良かったです。
またストーリーのプロットもなかなか良く出来ており、『なぜヒロインが老婆の霊に呪われる事になったのか』の謎解きやら、『悪霊に対抗するための手段探し』といった展開やらがお話に上手く組み込まれているおかげで、お話の密度が濃くテンポが良くて退屈せずに観れる辺りもなかなか良く出来ています。
ラストの霊との対決とかもなかなか熱くて良い感じに盛り上がりますし、全体的にソツなく作られたオカルト作品という印象です。
ただ不満点を挙げるとしたら、霊の映像表現とかにも割と気合が入ってて頑張ってるのは認めるのですが、その割にはどうにも怖さがいま一つでやや迫力不足を感じてしまったのは残念なところ。
CGとかもシッカリと作られてるので、恐らく『演出』やら『見せ方』の問題なのでしょうが、霊が出てくるシーンが全体的にアッサリとした印象を受けてしまったのが惜しかったですね。
(むしろ怖がらせるシーンよりも、普通の田舎の村の雰囲気のある映像やら、事故のシーンの淡々とした映像の方が怖かった…)
それこそ、もっとJホラーのように『怖い見せ方』を追及してくれれば、非常に怖い映画になったんじゃないかと思うので、その部分だけはちょっと勿体なさを感じてしまいましたよ。
総評としましては、割と普通に良く出来た『安心して楽しめる内容のオカルトホラー映画』って感じの作品です。
強く推すほどの要素もそこまで無いのですが、お話の面白さとか映像の完成度もそれなりに高いレベルでまとまっていますし、タイの田舎の村とかの独特の雰囲気なんかも観てて面白かったです。
「イット・フォローズ」の類似作品と勘違いしそうなパッケージはアレですがその部分はさておくとして、気になるなら普通にチェックしてみても損は無い一本だと思いますよ。