■■■「エクスタシー・オブ・ザ・デッド」■■■
(55点/モンスター)
ゾンビによるパンデミックが起こりつつあり、空港では警察が警戒態勢を敷き、政府によって感染対策マニュアルが配布されているイギリス。
そんななか、学生のアレックスは友人のアズ、ジムらと共に、ゾンビの居ないというリゾート地のイビサ島へバカンスに訪れる事となる。
リゾート地で女の子をナンパして童貞を卒業する予定の彼らだったが、アレックスの元カノのエリーも旅行に同行する事になったせいで、なんだか微妙な空気に…
ともあれバーに飲みに繰り出した彼らは、客引きの女性に誘われてとあるクラブへと行く事になるが、その場所では島に居ない筈のゾンビがドラッグによって無力化された状態で見世物として展示されており…
リゾート地に訪れた童貞男の3人組が島全体を巻き込んだゾンビパンデミックに遭遇するという、モンスターホラー映画。
タイトルからしてエログロ系のゾンビ映画っぽい雰囲気ですが、中身の方は『ちょっとだけお色気要素のあるゾンビ映画』って感じの作品ですね。
童貞少年たちが主人公のお色気青春コメディ(「グローイングアップ」とかみたいの)に、ゾンビ要素を追加したようなお話だと考えておけば間違いないかも?
お色気コメディがベースだけあって全体的にコメディ要素が強めですが、かといってそこまでネタに走ってるような内容ではなくて、そこそこキチンとゾンビ映画した内容という感じ。
ゾンビの特殊メイクなんかもシッカリしており、そこまで酷い低予算を感じさせるような作りでもないですし、多くはないものの残虐シーンや見せ場となるようなシーンもあるので、普通にゾンビ映画として楽しめる感じになっているのは良いですね。
ただ、本編の売りの要素であるはずの『青春コメディ』系の部分がイマイチで、どうにも鼻につく感じなのは困りもの。
主人公たちの3人は、この手の作品にありがちな『知識ばかり先行してるエロ童貞少年』たちなのですが、正直に言ってこの3人のキャラクターがウザいばかりでいま一つ魅力が感じられない。
3人とも勘違いでトンチンカンな行動を取るキャラって設定なんでしょうけど、そこまで笑えるほどお馬鹿ネタが面白くもないですし、特に主人公の親友のデブはホントにウザい性格で、個人的に観ていてかなりイラっとさせられてちょっと苦痛のレベルでしたよ。
(割と途中から『早く死なないかな?』と思いながら観てました。)
ただ、肝心のコメディ部分は残念だけど『ちょっとイイ話風にしようとしてる部分』とかは割と良い感じだったので、むしろ作品の方向性を間違ってしまったんじゃないかという気も…
あと、全体的にゾンビと人間との絡みのシーンが少な目で、ダラダラした感じのシーンが多め(というか面白くも無いコメディシーンが長め)なのも残念なところかなぁ?
映画としての質はそこまで悪くないので、もうちょっと見せ場があってテンポが良ければ割と面白い作品になったんじゃないかと思うので、その辺は勿体ない感じでしたよ。
総評としましては、『観れなくは無いけど色々と残念な部分も多いコメディ系ゾンビ映画』って感じの作品ですね。
お色気系青春コメディとかのノリが好きでソンビ映画も好きであれば、そういう要素のハイブリッド作品なので、まあまあ楽しめるんじゃないかと思います。
個人的には、どうにも主人公周辺のキャラクターが受け入れられなくて、イラっとしていま一つ楽しめなかった作品でしたよ…