■■■「NO EXIT/ノー・イグジット」■■■
(50点/サスペンス)
ブレアは恋人のオリーと組んで2人で空き巣家業を続けていたが、ある日、思わぬトラブルからオリーが警察に逮捕されてしまい、大量の保釈金が必要になった事から、彼らはマフィアに借金をする事になってしまう。
そんな彼らにブレアの兄のコナーが、とある豪邸に忍び込むという大きなヤマを持ってきた事から、借金の返済のために4人で侵入する事となる。
しかし、彼らが屋敷に侵入したと同時にすべての扉と窓が外からロックされ、屋敷の中に閉じ込められてしまうという異常な事態が発生。
突然の状況に混乱する彼らだったが、隠された地下室で『この建物で何人もの人間が殺害されている場面』を録画したと思われるスナッフビデオを発見した事から、この場所が殺人鬼の隠れ家だという事に気づき、殺人鬼が帰宅する前になんとかして屋敷から脱出しようとするが…
空き巣狙いの窃盗団がとある豪邸に侵入したところ、実はその家は連続殺人鬼の隠れ家だった…というサスペンススリラー映画。
『空き巣が侵入した家が殺人鬼の棲む家だった』という、なんとなく「ドント・ブリーズ」を彷彿とさせる設定のサスペンス映画ですが、公開年を見てみるとこちらの方が古い作品のようなので、特に便乗作品という訳でも無いようですね。
偶然だとしたら、日本での発売が遅れたのはなんとも不運な作品と言えるかも…
お話としては、『気づかずに連続殺人鬼の屋敷に閉じ込められた窃盗団が、なんとかして屋敷から脱出しようとする』という、まあそれだけのプロットのストーリー。
建物が殺人鬼の住居でドアがロックして閉じ込められたり、地下室で『監禁されている女性』と遭遇したりと、設定やらプロット的に「ドント・ブリーズ」と似通っている部分が多いためどうしても比べてしまいますが、サスペンスの割には緊張感の薄さが目につく作品です。
何で緊張感が薄いって、登場する窃盗団の面々が主人公以外は基本的にアホで、会話も妙に軽口が多いうえに殺人鬼の家に侵入してる割には矢鱈と軽率な行動が多くて、どうにも観ていてイライラするんですよね。
キャラを立てたいのだろうとは思うのですが、あまりにも緊張感の無い不用心な行動が多すぎて、何度も同じような殺人鬼の罠にはまってに簡単に孤立させられたりという展開が多く『お前らサスペンス向きのキャラクターじゃないよ!』とナチュラルにツッコミを入れたくなりました。
まあ登場人物がちょっとアレなだけなら良い(犠牲者キャラなんてアホでも問題ないですし)のですが、それ以外にも全体的にイマイチ作品のテンポが良くないのは困ったところ。
殺人鬼が登場するまでの展開が無駄に長くて、特に主人公たちが屋敷に侵入してからのダラダラしたシーンが冗長すぎです。
更にようやく殺人鬼が登場して活動を開始したと思ったら、襲撃シーンが『主人公たちの隣の部屋で犠牲者の悲鳴だけが聞こえる』というなんとも盛り上がらないシーンの連続で、サスペンスなのに緊張感よりもモヤモヤのせいでストレスが溜まってしまいましたよ。
終盤の主人公たちが殺人鬼と対決する展開になってからの流れはそこそこ面白いのですが、いかんせんそこまでの展開が長すぎ&ダルすぎなのは困りもの。
全体的に山場や見せ場にも乏しく、どうにも緊張感に欠けて冗長さがばかりが目につくんですよね…
作品の設定やプロット自体は悪くない感じでしたしラストのオチとかもなかなか良かったので、どうにも勿体ない感じの作品でしたよ。
総評としましては、『いま一つテンポが悪くて盛り上がりに欠けるサスペンススリラー映画』って感じの作品です。
「ドント・ブリーズ」っぽい設定は悪くないのですが、それなら普通に「ドント・ブリーズ」を観た方が面白いし、「ドント・ブリーズ」を先に観ていた場合は似通った部分が多くてついつい比較してしまうので、色々と不遇な作品という印象。
まあ、テンポが悪いながらもそこそこ観れる部分もある映画ではあるので、予告とかを見て気になっているのであればチェックしてみても良いかもしれません。