NIGHT_SHIFT (B級映画&ゲーム雑感 上井某BLOG)

上井某(家主)が観た「B級映画」(主にホラーとサスペンス)の感想と、たまにゲームとかアニメとかについてつらつらと語るブログです。

映画感想:「シスター」(35点/オカルト)

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■■■「シスター」■■■
(35点/オカルト)

 アナとエミリーの2人の姉妹を養子に迎えたメレディスは、3人で楽しい時を過ごすが、彼女たちが来てから数日後に奇妙な現象が起こるようになりはじめる。

 自分の家で自分たち以外の『何者か』の存在を感じたメレディスは、養子を迎えた一家でのトラブルを扱う番組に連絡し、リポーターのクロエが取材のためにうちに訪れる事になる。

 TVの取材スタッフたちは、さっそくアナとエミリーに取材を開始したところ、彼女たちが『彼』と呼ぶ何者かがこの家に存在する事を知るが…



 姉妹を養子として引き取ったとある家庭に、家族以外の招かれざる『何者か』が訪れるというオカルトホラー映画。

 なんでも『14歳の少年』が監督したという事で話題となった作品だそうですが、ホントに14歳の少年が撮ったのだとしたら粗削りな部分は多いながらもたいしたものだと思えるレベルの作品です。

 ただ『たいしたもんだ』とは思いますが、本作がホラー映画として面白いかどうかは別問題で、純粋にオカルトホラーとして観ると『ちょっと微妙な作品かなぁ…』という印象。

 なんというか全体的に『妙に説明的なシーン』や『無駄に直接的な描写のシーン』が多くて、どうにもオカルトの神秘的な雰囲気が上手く活かされていない感じ…
 やはり若いだけあってか、演出の稚拙な部分がどうしても目に付いてしまうんですよね。

 お話の緩急のバランスもあまり良くなくて、前半は詰め込み過ぎってぐらいのイキオイでお話が進む割に、謎解きが進んだ後の後半では逆にテンポが悪くなって冗長な感じになってしまったり…
 また、どうでも良いシーンとかに無駄に尺を割いてるところもあったりして、その辺はいかにも『学生の自主製作映画的なノリ』で粗削りさを感じさせられるところです。

 ただ稚拙な部分も多いながらも、お話の骨子は全体としてシッカリとまとまっていますし、終盤でちょっとしたどんでん返しを入れてみたりとかして、お話を面白くしようとする努力が見られるのも良い感じ。

 また、色んなオカルト映画のオマージュ的なものを入れようとしつつも、元ネタが分かり辛くてなんだか良く分からない事になってしまっているような印象が見られたり、フッテージ系の作品にしたかったのか普通のオカルトサスペンスにしたかったのか中途半端になってしまっている部分もあったりするので、その辺はもうちょっと慣れが必要な部分かも?

 とはいえ、ぶっちゃけTV映画とかだと商業レベルでもこれ以下の作品はいっぱいありますし、14歳でここまでのものが作れるのなら十分だと思いますので、今後の成長に期待していきたいところですよ。


 総評としましては、いまひとつ『まとまりの無い感じで粗削りなオカルトサスペンス映画』というのが正直な感想ですね。

 壊滅的に酷い出来では無いのですが、普通にオカルト作品として楽しみたいのであれば、ちょっとグテグテ気味でパンチが弱い内容なので、あまりオススメは出来ないかなぁ?

 14歳の新人監督への先物買いや先行投資的な意味であれば特に止める理由も無いので、そういう方向で気になるのであればチェックしてみても良いんじゃないでしょうか?