NIGHT_SHIFT (B級映画&ゲーム雑感 上井某BLOG)

上井某(家主)が観た「B級映画」(主にホラーとサスペンス)の感想と、たまにゲームとかアニメとかについてつらつらと語るブログです。

映画感想:「ザ・リング リバース」(55点/オカルト)

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■■■「ザ・リング リバース」■■■
(55点/オカルト)

 大学生のジュリアは、ある日、TV電話で通話した際に遠隔地の大学に通う恋人のホルトの様子が明らかにおかしい事に気づいた事から、彼の寮を訪れる事となる。

 そこでホルトが、大学教授のガブリエルの元で誰か他人にコピーして見せなければ『観た人間が7日後に死ぬ』という都市伝説の「呪いのビデオ」の研究を行っており、実験のために彼自身も7日前にビデオを観た事を知る。

 ジュリアは彼にかかった呪いを解いて救うために、彼の観た映像データをコピーして自らも「呪いのビデオ」を観る事となるが、彼女の観た映像データは何故かコピーできない状態になっている事が判明。

 ビデオを確認したところ、今まではビデオに写っていなかった筈の奇妙なデータが発見された事から、新たな映像の謎を解くために彼らはビデオの呪いの元凶であるサマラの故郷へと向かう事となるが…



 恋人を救うために「呪いのビデオ」を観た少女が、呪いの力によって思いがけない事件に巻き込まれていく…というオカルトサスペンス映画。

 貞子ではなく『サマラ』によって作られた『呪いのビデオ』を題材とした、北米版「リング」シリーズの2作目に当たる作品ですね。

 前作は、キャラや世界観をアメリカ風に置き換えた「リング」の焼き直し作品という感じの内容でしたが、2作目にあたる本作では「呪いのビデオ」を研究している大学教授が出てきたりと割とオリジナル路線に舵を切っている印象。

 ただオリジナル路線とはいえ、キチンと「リング」シリーズっぽさを踏襲したストーリーやら世界観になっているのは、なかなか良く出来ています。

 お話としては、『恋人を救うために呪いのビデオを見た少女が、自分の観た映像ファイルに『今までに無かった映像』が追加されている事を知り、その原因を突き止めるためにサマラの故郷へと向かう事となるが…』といった感じですが…

 この手のオカルト作品の続編ではありがちなの、『サマラ出生の秘密』みたいのが語られると言った展開ですね。

 前作から引き続いて映像や雰囲気づくりはなかなか良く出来ており、最新要素やアメリカ映画らしい要素を盛り込みつつも、オリジナルの「リング」の解釈やテイストを崩さない程度の良い塩梅でアレンジしているのは上手いです。

 追加された『映像』からサマラの過去を紐解いていくという部分の謎解きの流れはなかなか面白く、徐々に時代を遡って真相に近づいていくといういかにもオカルトサスペンス的な展開で楽しませてくれます。

 オカルト描写にしても、アメリカ版の『サマラ』は日本の貞子とは違って色々とイキオイがある感じ(というか能力がフィジカル方面に振られている感じ)で、その辺もいかにもハリウッド的で観ていて楽しいのは良い感じですね。

 ただ、お話の流れがあまりにも謎解きメインに寄り過ぎており、オカルト要素がちょっと薄めなのは残念なところ。

 サマラの見せ場が序盤とラストぐらいにしか無くて、ちょっと物足りない印象を受けたので、個人的にはもうちょっと出番が欲しかった印象です。

 ストーリーそのものは悪くないのですが、全体的にもうちょっとオカルトらしい『怖さ』があっても良かった気がするので、その辺は残念なところでしたよ。

 でも、オチの落としどころのいかにも「リング」って感じな展開は、なかなか良かったです。


 総評としましては、『なかなか良く出来たハリウッドらしい「リング」のアレンジ作品』といった感じの一本ですね。

 ただ良く出来ているのですが、前作と同様にやや物足りなさを感じるような部分もあり、強く推す程かと言われると微妙なところ。

 オリジナルシリーズを好きならば、『まだ真面目にオカルトをやってた頃の「リング」のノリが楽しめる内容』ではありますので、そういう作品を求めているのであればチェックしておいても損は無い作品だと思いますよ。