NIGHT_SHIFT (B級映画&ゲーム雑感 上井某BLOG)

上井某(家主)が観た「B級映画」(主にホラーとサスペンス)の感想と、たまにゲームとかアニメとかについてつらつらと語るブログです。

映画感想:「ドクター・エクソシスト」(55点/オカルト)

イメージ 1

■■■「ドクター・エクソシスト」■■■
(55点/オカルト)

 精神科医のセス・エンバーは、ある日、悪霊に取り憑かれた人間の精神の中にダイブして悪霊を退治するという方法を発見し、強力なエクソシストとなる。

 しかし最強の悪霊である『マギー』によって妻と息子を殺されたうえに、自らも車椅子での生活を余儀なくさせられてからは、酒に溺れ命を削りながら復讐のために悪霊を追い続けるという、復讐のためにだけに生きるような生活を続けていた。

 そんなある日、ヴァチカンから自分たちの手におえない悪魔祓いを引き受けて欲しいという使者の依頼を受ける。
 最初は依頼を断ろうとしたものの、その悪霊こそが彼の追い求める『マギー』だと知った事から、復讐のためにヴァチカンに協力する事となるが…



 被験者の精神にダイブして悪霊と戦うという『悪魔祓いの能力を持った精神科医』の戦いを描いた、アクション風味のオカルトホラー映画。

 ジェイソン・ブラム率いる『ブラムハウス』による新作ですが、相変わらずここのスタジオは良い感じのオリジナルの新作を作って来ますね。

 何が良いって、『復讐のためだけに悪霊と戦い続ける男』という主人公のキャラクターが非常に良く立っており、マインドダイブする事で悪霊と戦うという設定やら、現実世界では体がボロボロだけど精神世界では屈強な肉体を持っているという設定はなかなか面白いです。

 また、エクソシストとして『ヴァチカンの手におえない悪魔祓いの案件を引き受ける』という展開も、いかにもアメコミとか中二病作品っぽくて良い感じですね。

 悪霊との闘い方も、幸せな夢の中にいる犠牲者に『それが悪霊によって見せられている夢だと気付かせる』という除霊の方法なのも、なかなか良く個性が出ています。

 『パンクっぽい助手』とか『マジメ人間っぽいヴァチカンの使者』や『悪魔祓いの師匠』等の主人公の周辺のキャラも良く立っており、なんとなく海外のTV映画のシリーズの第1話的なノリで、グイグイとお話に引き込まれる魅力があります。

 ただ設定や世界観は非常に秀逸なのですが、それに対して肝心の本作のストーリーに関しては、いま一つ面白みに欠けるのがちょっと残念なところ。

 全体的にアクション方向にお話が振られている割には、悪霊との闘いやらのアクションシーンが地味で、どうにも盛り上がりに欠けます。

 せっかく『夢の中では屈強な肉体を持つ』という設定があるんだから、もっと派手なアクションシーンとかがあっても良かったんじゃ無いかなぁ…

 また、主人公側が魅力的な割には悪霊側の設定が意外と適当な感じで、いまひとつどんな悪事を働きたいのかが良く分からないですし、ライバルである最強の悪霊の『マギー』に関しても何が最強でどんな風にヤバい相手なのかがイマイチ感じられません。

 もうちょっとアクション映画っぽく、派手で分かりやすい展開だったら面白かったと思うのに、どうにもパワー不足で物足りない印象が残るのが残念なところ。

 あと、ラストの展開も何がどうなったのか釈然としないうえに、こんな中二病っぽい設定のくせに、何であんな投げっぱなしでカタルシスの無いオチにしてしまったのかも謎な感じですよ…


 総評としましては、設定や世界観は面白いものの『ちょっと地味で盛り上がりに欠けるアクションホラー映画』という感じですね。

 むしろTV映画か何かのシリーズにして、シリーズものとして主人公たちの活躍を描いて欲しかったタイプの内容なので、いっそTV映画化とかしてくれないかしらん?

 まあ『アメコミとか中二病的なノリのアクションホラー映画』が好きな人であればそれなりに楽しめる映画ではあるとおもいますので、そういった作品が好きであればチェックしてみても良い感じの一本かもしれませんよ。