■■■「ギャロウズ・ヒル」■■■
(60点/オカルト)
コロンビア州ボゴタ市を旅行中の大学生のジルは、再婚を控えた父のデイヴィッド、叔母のシーナらと共に帰途に付くために人里離れた山道を車で急いでいた。
しかし、おりからの大雨で鉄砲水が発生し、濁流にのみ込まれた彼らの車は事故を起こして山道で立ち往生する事になってしまう。
近くの山中に古びた廃ホテルを発見した彼らは、その場所に避難し、そこに住んでいたフェリペと名乗る老人に助けられるが、そのホテルを散策中に地下室に閉じ込められた一人の幼い少女を発見。
彼らは老人が異常者であると考えて少女を地下室から救出するが、その少女は実は『見た目どおりの存在』では無く…
とある親子が山中の廃ホテルの地下室で『監禁されていた少女』を助けたところ、実はその『少女』は見た目どおりの存在では無かった…という設定のオカルトホラー映画。
以前に「ヘルレイザー」シリーズの新作である「ヘルレイザー:レベレーション」を撮った監督の作品という事なのですが…
そっちの「ヘルレイザー」の新作の方がイマイチだったため、正直あまり期待していなかったのですが、コレが意外と良く出来たオカルト作品でしたよ。
お話としては、『とある親子とその友人たちが山道で事故にあって廃ホテルに避難する事になるんだけど、そのホテルには不気味な老人が独りで暮らしており、更に地下室には幼い少女が監禁されていたが、実はこの少女の正体が…』みたいな感じのストーリー。
序盤から主人公たちの車が鉄砲水にあって遭難したり、不気味な廃ホテルに避難する事になったり…といった具合に、お話の本筋に関わる部分に突入する前からそこそこの見せ場を準備して視聴者が退屈しないようにとなかなか良く考えてられています。
また、序盤でシッカリと主要登場人物のキャラの掘り下げなんかもやっており、全体的な構成にソツの無さが感じられるのは良いですね。
お話のメインである『謎の少女』の正体に関しては割とスグに予想が付くのでそこまで意外性も無いのですが、その『主人公たちへの攻撃の方法』がなかなか捻りが効いていて、登場人物たちの『ひと癖ある感じのキャラクター』と上手く噛み合ってるのも面白いです。
またネタバレになるのであまり深くツッコミませんが、少女の正体が判明してからの展開が非常にスピーディに二転三転としていく感じで、なかなかテンポ良く先の読めない構成になっているのも、なかなか良く出来ている印象。
ただソツの無い作りではあるのですが、全体的にちょっと見せ場に乏しくいま一つ盛り上がりに欠けるのは残念なところですね。
小さな見せ場はたくさんあるのですが、コレといった迫力のある山場となるようなシーンが無くて、どうにも小粒な印象を受けてしまいます。
また『少女』の正体に関しても、バックボーンとかにもうひと捻り何かあれば面白かったかなぁ…と思う部分もあるので、そういう部分で若干物足りなさの残る内容でしたよ…
総評としましては、非常にソツのない作りで『小粒ながらも意外と良く出来たオカルトホラー映画』って感じの作品ですね。
強く推すほどではないですが、過剰な期待をしなければ思ったよりも楽しめるというタイプの作品だとは思います。
まあ、スグにチェックする必要があるかと言われると微妙なところですが、オカルト系の作品が好きで気になっているのであれば普通に観ておいて損は無い一本だと思いますよ。