■■■「エルフ 悪魔の人形」■■■
(25点/オカルト)
幼い頃にとある事件が原因でトラウマを抱えたニックは、婚約者のヴィクトリアとの結婚を3カ月後に控えながら、いまだに結婚を決断しきれずにいた。
そんなある日、玩具職人だった祖父の残したアンティークドールショップを売却する事になった彼は、店の整理を行っていたところ、倉庫の奥でナイフを持ったアンティークドールと謎の名前が書かれたリストを発見。
彼は人形の持つ雰囲気に異様なものを感じるものの、彼の目の前で人形は忽然と姿を消してしまうが、その直後に彼の家に最初からそこにあったかのように人形が出現。
彼は人形に不気味なものを感じ、その人形を処分してしまおうとするが…
祖父から受け継がれた悪魔の魂を宿した呪いの人形が、つぎつぎと周りの人間を殺害していく…という、モンスターホラー風味のオカルトホラー映画。
いわゆる『呪いの人形』を題材としたオカルトホラー映画ですが、なんというか典型的な低予算タイプのオカルトホラーって感じの作品ですね。
お話としては、『玩具職人の祖父から店を引き継ぐ事になった若者が、祖父が手にしていた「呪いの人形」の呪いまでも引き継ぐ事となってしまい…』といった感じのお話。
割とありがちな設定っぽいお話の割には、呪いの人形や主人公の設定がやや凝っており『主人公が過去に負ったトラウマとは何か?』というお話やら『呪いの人形の正体は?』といった謎解きが、モンスターもののオカルト映画的な物語の展開と同時進行で進んでいくという構成は面白いですね。
謎解きの部分がなかなか興味を惹く感じで作られており、観ていて先の展開が気になるような作りになっているのは良い感じです。
『呪いの人形』も安っぽいCGとマペットで作られているのですが、この人形の『安っぽい動き』が逆に『いかにも人形臭い不自然なモーション』になっており、不気味さを感じさせる雰囲気をかもし出しているのは、狙ったのかどうかは不明ながらも意外と良く出来ています。
ただ、それ以外の部分に関しては恐ろしくお粗末な内容なんですよね…
何がお粗末って、とにかく人形の襲撃シーンに全く迫力が無いのは困りもの。
カメラのアングルやら映像がゴチャゴチャしすぎてて何が起こってるのか良く分からない襲撃シーンが多すぎ(まあ、残虐シーンを写さないようにして予算を節約するためなんでしょうけど…)ですし、襲撃方法に関してもそこまで面白味がなくてイマイチ盛り上がりません。
またストーリーが凝った設定なのは良いのですが、全体的に説明不足でグテグテな部分が多すぎですし、ラストのどんでん返しも矢鱈と唐突すぎて『なんのこっちゃ』としか言いようが無いような印象。
せめて脚本なりビジュアルなりのどちらかでも観れる内容になってれば、そこそこ楽しめる作品になったんじゃないかと思うのですが、どちら方向にも中途半端でどうにも残念な感じの内容でしたよ…
総評としましては、悪い意味で『低予算らしいグテグテな内容のオカルトホラー映画』という感じの作品ですね。
部分的には悪く無さげな要素もあるのですが、総合的にダメダメな要素が多すぎるので観ていて色々と辛い感じの映画でした。
あまりにもグテグテすぎる事から、『ツッコミネタ用の映画』としてはそこそこ楽しめる内容かもしれませんので、そういう映画を求めているのであれば需要を満たせるような一本かもしれませんよ…