NIGHT_SHIFT (B級映画&ゲーム雑感 上井某BLOG)

上井某(家主)が観た「B級映画」(主にホラーとサスペンス)の感想と、たまにゲームとかアニメとかについてつらつらと語るブログです。

映画感想:「ファイナル・デッドゲーム 降霊鬼」(45点/スラッシャー)

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■■■「ファイナル・デッドゲーム 降霊鬼」■■■
(45点/スラッシャー)

 テキサスに住む少女・ニーサは、恋人のライアンに振られてしまった事が原因で自殺を図るが、危ういところで一命をとりとめる。

 彼女の事を心配した友人のサムは廃工場でのパーティに彼女を誘うが、その場所は70年代に謎の大量虐殺事件があり閉鎖されて以来『幽霊が出る』という噂のあるいわく付きの場所だった。

 気晴らしのためにパーティに参加したニーサは、どこからともなく聞こえる謎の声に導かれて、壁の中に埋め込まれて隠されていた奇妙なトランクを発見。

 トランクの中からナチスの秘密文書らしきものと『悪魔を呼びだすための道具』と思しきものを見つけた彼らは、ふざけて悪魔召喚の儀式である『ナックルボーン』というゲームをやってみる事となるが…



 若者たちがかつて虐殺事件のあった廃工場で悪魔召喚のためのゲームをやってみたところ、本当に悪魔が出現して虐殺を開始する…というスラッシャーホラー映画。

 地雷請負メーカーである「アサルトワン」による新作ですが、このメーカーのは冗談抜きで『ヤバい作品』(ダメ映画という意味で)が多いので注意して避けていたのですが、久々に引き当ててしまいましたよ…

 ただ、タイトルロゴが表示された瞬間に覚悟完了して観たのですが、本作は『アサルトワンにしては意外と観れる映画』というのが正直なところです。

 お話としては『かつて惨殺事件のあった廃工場に侵入してパーティをやっていた若者たちが、偶然にもナチスの隠した『悪魔召喚のげーむ』を発見し、召喚の儀式をやってみたところ本当に悪魔が出現してしまう…』みたいな感じのストーリー。

 本当にお話の内容も『悪魔が出現して大暴れする』という以上でも以下でも無くて、ストーリーは殆ど無いも同然。
 呼び出された悪魔と若者たちが廃工場でひたすら追いかけっこをするだけみたいなお話です。

 悪魔が出てくるまではちょっとタルいですが、逆に悪魔が登場してからはひたすら暴れまわってくれるのでテンポがよくて、割と序盤からスグに悪魔が登場するの事もあって無駄にイキオイだけはある作品という印象。

 この悪魔がなかなかに『良い性格』のキャラクターをしており、妙に饒舌でフレディ(エルム街の悪夢)みたいに『やたらと軽口を叩きながら襲い掛かってくる』のも良い味を出していますし、人間を襲う時にいちいちマチェットだったりチェーソーだったり斧だったりと獲物を持ち替えてバリエーションを持たせて襲ってくれるのも笑わせてくれます。
 (というか廃工場は『衣類工場』という設定なのに、チェーンソーとかマチェットとかどこにあったんだよ。(笑))

 悪魔が出現してからは、ほぼ襲撃シーンの連続みたいな感じで退屈しないのも良いですし、ちょっと無理がある設定ながらも怪物の出自やバックボーンがキチンと語られるので、あんまりグテグテが感ないのも悪くない印象。

 …と、これだけ書くと『割と良い感じの映画なんじゃないか?』と思われそうなのですが、マイナス要素としてとにかく『映像がショボい』のは困りもの。

 80年台の『スプラッタ映画が乱発された時代』の低予算映画のような特撮とゴア表現で、流石にいまどきこのレベルではちょっと辛い感じで映像にいま一つ迫力が感じられません。

 悪魔も単に『ボロ着れをまとったゾンビ』みたいなデザインでビジュアル的に全く面白味が無いのも残念なところ。

 残虐シーンも、バリエーションが豊富な割には全体的にアッサリしすぎで物足りないですし、この辺のビジュアル的な部分にもうちょっと気合が入ってればなぁ…と思うところしきりですよ。

 終盤の展開とかはちょっと意外性があって面白いですし、もうちょっと予算をかけて作られていれば、もっと化けたかもしれないので残念なところではありますよ。

 あと余談ですが、確か今から6~7年前にも本作と同じような「ファイナル・デッドゲーム」ってタイトルの映画があったと記憶しているのですが、その映画とは特に関係も関連性もないようなので、何で今更になってそんな昔のマイナーな映画の続編っぽいタイトルを引っ張り出してきたのか、ちょっと謎なところですよ…


 総評としましては、『無駄にイキオイだけはある低予算ゴア系ホラー映画』という感じの作品です。

 やりたい事は分かるんだけど内容的に色々と追いついてないという感じの、ちょっと残念さが漂う作品ですが、D級ぐらいの超低予算映画の割には意外と楽しめる内容ではあるかなぁ?

 普通に評価するなら『微妙な出来』としか言いようが無いような映画なのですが、そういう『低予算だけど無駄にイキオイだけはある』ようなインディ系作品が好きな人ならば、試しにチェックしてみても良いかもしれませんよ。