NIGHT_SHIFT (B級映画&ゲーム雑感 上井某BLOG)

上井某(家主)が観た「B級映画」(主にホラーとサスペンス)の感想と、たまにゲームとかアニメとかについてつらつらと語るブログです。

映画感想:「ブロークン・ダークネス」(35点/サスペンス)

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■■■「ブロークン・ダークネス」■■■
(35点/サスペンス)

 近未来、地球は彗星の接近によってもたらされた流星雨によって文明が壊滅。
 それから8年後、災害を逃れた人々は地下での生活を余儀なくされていた。

 8年前に息子を亡くし生きる希望を失ったエンジニアのサムは、友人のトロイや新人の少女ローズと共に、地下施設のメンテナンスをしつつ日々を過ごしていた。

 そんなある日、彼らは電気施設の故障で数日前から音信不通になっている隣町の地下鉄の駅へと応援に向かう事となるが、電力プラントを復旧させた彼らの目の前に、唐突に謎のミュータントの群れが出現。

 怪物たちによって町が既に壊滅させられている事を知った彼らは、怪物から逃れるために地上へと出る事を余儀なくさせられるが、そこは彗星のもたらしたウィルスによってミュータントと化した人々や武装した略奪者の集団が跋扈する、恐るべき場所と化していたのだった…



 彗星のもたらした流星雨によって人類が壊滅し、無法地帯と化した近未来の地球で、男たちが生き伸びるために命がけの旅をするという、ロードムービー風サバイバルアクション映画。

 『文明が崩壊した世界で主人公たちが生き延びるために戦いながら旅をする』という割とありがちな感じの設定のポストアポカリプスもののSFサスペンス映画ですね。

 世界観とか雰囲気とか、なんとなく人気RPGである「Fallout」を意識しているような部分が多く感じられる内容で、文明が崩壊した荒野に点在する建物とか、地下施設で生き延びている人々とか、それっぽさを感じさせる要素が多いです。

 登場する怪物(ミュータント)も、そのまんまグールみたいな外見ですし、無法者たちもまんまレイダーみたいな感じだったりと、なんとなく実写版「Fallout」みたいなのを作りたかったのは分かる(ぶっちゃけ、監督も絶対に意識してると思う)のですが…
 

 確かに『それっぽい雰囲気』は出てるものの『雰囲気』以外の部分に関してはかなりお粗末な感じで、肝心の中身の方はなんというか『恐ろしく退屈な映画』というのが正直な感想です。

 なにが退屈って、とにかく『テンポが物凄く悪い』んですよ。

 お話が動き始めて、主人公たちが地上に出るまでが1時間近くあって、それまではオッサンどもが薄暗い地下でダベってるのを延々と見せられてるだけという感じ…

 地上に出てからはロードムービー的なノリの展開になるのですが、ロードムービーの割には主人公たちのキャラの掘り下げが殆ど無くて人間ドラマとしてもツマんないですし、かといって盛り上がるようなアクションシーンなんかも殆ど無くて、恐ろしいほどスローテンポで観ていてダレまくりです。

 ぶっちゃけ40分ぐらいのドラマを無理矢理に薄めて2時間に引き延ばしまくったような感じで、恐ろしく間延びした印象しか受けない映画でしたよ…

 映画の冒頭で『死んだ主人公の息子』の話が、後半で主人公が自分を取り戻すためのドラマの伏線になるのかと思いきや特にそういう訳でも無く若いヒロインの成長ドラマとして描かれてるのかと思いきやそういう訳でも無く…

 ラストのオチも投げっぱなしで恐ろしく中途半端ですし、割と本気で何が描きたいのか良く分からない映画でしたよ。


 総評としましては、『恐ろしく退屈で間延びした映画』という以外の感想が全く思いつかないような作品です。

 割と本気で内容に関しては印象に残るものが何も無い映画なので、半年ぐらい経ったら映画を観た事すら忘れてそうな予感…

 唯一、ポストアポカリプスの「Fallout」っぽい雰囲気を楽しむためのだけなら、それなりに観れる内容ではあると思うので、そういう部分を楽しみたいのであればチェックしてみても良いかもしれませんよ…