NIGHT_SHIFT (B級映画&ゲーム雑感 上井某BLOG)

上井某(家主)が観た「B級映画」(主にホラーとサスペンス)の感想と、たまにゲームとかアニメとかについてつらつらと語るブログです。

映画感想:「ヴィクター・クロウリー/史上最凶の怪人」(40点/スラッシャー)

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■■■「ヴィクター・クロウリー/史上最凶の怪人」■■■
(40点/スラッシャー)

 ルイジアナ州 ハニー・アイランド沼。
 この場所には、かつて醜い奇形である事が原因でいじめられて殺された『ヴィクター・クロウリー』が、ブードゥーの呪いによって不死身の怪物として甦って人々を殺害し続けている…というウワサがあり、実際に謎の連続殺人によって、40人以上もの犠牲者を出す事件の起こった場所であった。

 10年前の事件の唯一の生き残りであるアンドリューは、その時の体験談を元に本を執筆して話題となっていたが、そんな彼の元にドキュメンタリー番組への出演として再びハニー・アイランド沼へと訪れて欲しいという依頼がやってくる。

 同じころ、アンドリューのファンで映画監督の卵であるクロエは、この事件を元に映画を撮影するために湿地帯へと訪れるが、彼らの訪問が思いがけない事態を引き起こす原因となってしまい…



 ルイジアナ州の湿地に出没する不死身の殺人鬼『ヴィクター・クロウリー』の恐怖を描いた、ゴアムービー系のスラッシャーホラー映画。

 ホラーファンの間では、13日の金曜日」のジェイソンの中の人として有名なケイン・ホッダーが殺人鬼を演じた「ハチェット」シリーズの4作目に当たる最新作ですね。

 「ハチェット」が既に3作目まで続いてて、スラッシャーホラーものとしては割と軌道に乗っていた印象があったのですが、敢えてタイトルを変えて新作を作る辺りからして、シリーズの転換点とかリブートを狙ったという感じなのかしらん?
 (まあ「ハチェット」というシリーズのタイトルは、ちょっと印象に残り難かったきらいはありますけど…)

 ただ、タイトルを変えた割には以前の作品のキャラが登場してたり、お話に繋がっている部分があったりするので、いま一つ狙ってる方向性が良く分かりません。

 シリーズ4作目に当たる本作ですが、やってる事は「ハチェット」シリーズと同様に、13日の金曜日」をリスペクトした『残虐要素テンコ盛りのスラッシャーホラー映画』という感じで、まるっきり沼地版「13日の金曜日みたいな内容ですね。

 特に解説するほどのストーリー的なものも無くて、『物見遊山的に殺人鬼の出現する沼に訪れた若者たちが次々と殺人鬼に血祭りにあげられていく』という感じの展開なのですが、相変わらず派手な残虐描写には無駄に気合が入っていて、やりすぎ系のゴア映画として笑わせてくれます。

 ただ、前作が『殺人鬼がSWATの隊員と戦ったりする』というインフレ気味のド派手な内容だったのに対して、新作では数名の集団を追いかけまわして殺すってだけの展開で、全体的に随分と地味になってしまった印象を受けたのは残念なところ。

 殺し方のバリエーションや見せ方にもあまり面白味の無いものが多くて、全体的にちょっと盛り上がりに欠けます。

 メインのストーリーに関しても、『ヴィクター・クロウリー』の設定や過去が描かれた今までのシリーズに対して、本作はホントに『ただただ殺人鬼が暴れてるだけ』でストーリー的な要素が極めて薄く、お話としての面白味が無いのも残念なところですねぇ。
 (というかこんなに殺人鬼の説明がアッサリしてて、シリーズのリブート版として大丈夫なのか?)

 また、コメディ色を強めにして、ところどころで笑わせに来ることで退屈させないような作りにしたのは、方向性として悪くないとは思うのですが、ギャグのネタとはいえ登場人物のほぼ全員がクズ野郎と変人ばかりなのは、観ていてちょっとイラっとさせられましたよ…

 ラストの殺人鬼の退治の方法もちょっとアッサリしすぎだったので、主人公たちと殺人鬼との対決はもうちょっと見せ場があっても良かったかも?


 総評としましては、良い意味でも悪い意味でも『中身の無いゴア要素だけが売りのスラッシャーホラー映画』って感じの作品ですね。

 いわゆる、派手で馬鹿馬鹿しい残虐描写を楽しむための『やり過ぎ系ゴア映画』ですので、スプラッタブームの全盛期の頃の13日の金曜日」とかそういう系列の映画が好きであれば、まあまあ普通に楽しめる一本だと言えるでしょう。

 個人的には「ハチェット」の2~3作目が割と好きだったのですが、2~3作目に比べると内容も殺人鬼のパワフルさも弱くなってしまった印象で、全体的にちょっと物足りなさを感じてしまったのが残念でしたよ…