NIGHT_SHIFT (B級映画&ゲーム雑感 上井某BLOG)

上井某(家主)が観た「B級映画」(主にホラーとサスペンス)の感想と、たまにゲームとかアニメとかについてつらつらと語るブログです。

映画感想:「トラジディ・ガールズ」(60点/サスペンス)

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■■■「トラジディ・ガールズ」■■■
(60点/サスペンス)

 ネットセレブに憧れるマッケイラとサディの2人の女子高生は、自分たちの町で起こった猟奇連続殺人の調査を開始し、その記事を『トラジディ・ガールズ(惨劇少女)』という名前でSNSに投稿して有名になろうと画策する。

 しかし思惑どおりにフォロワーが増えないことから、自らがオトリとなってその殺人鬼を捕まえて監禁し、その殺人鬼になり替わって連続殺人を敢行。
 事件の中心人物として自作自演で特ダネをアップして、瞬く間にネットの世界で人気者になっていく。

 やがて自分たちの行動に邪魔な人間を葬り話題性を維持するために、彼女たちの行動はどんどん過激化していき…



 2人のSNS中毒のサイコな女子高生がネットで有名になるために自作自演で連続殺人を繰り返していくという、サスペンススリラー映画。

 このところSNSを題材としたサスペンスやホラーも増えてきた事もあって、SNS中毒の主人公が殺人を繰り返すサスペンス映画』というとややありがちな印象もありますが、本作は『連続殺人鬼になり替わって殺人を繰り返す』という設定やら、女同士の友情が題材として描かれているストーリーやら、なかなか凝った設定の個性的な作品となっているのが特徴の作品という感じですね。

 お話としてはSNSで目立ちたいサイコパスな女子高生たちが、連続殺人鬼を監禁して自分たちが連続殺人鬼になり替わり邪魔ものたちを殺害して成り上がっていく…』みたいな感じの展開。

 サイコな女子高生たちが『SNS映え』するために、邪魔な生徒や大人たちを次々と血祭りにあげていくというブラックなストーリー展開はなかなかに痛快。

 お話のテンポも非常に良くて、主人公たちの行動に全く『罪の意識』が感じられずに終始明るいノリで過激な犯行を繰り返していくという独特のテイストなのも、気軽に観れて良い感じです。

 殺害シーンの描写もけっこうグロかったりするのですが、ポップな感じの演出とノリのお陰で、そこまで気持ち悪さを感じさせない作りなのも、作品としての個性が良く出ていて面白いですね。

 ただこのヒロインの二人が、いかにもイマドキのネット中毒の『ノリの軽い女子高生』って感じで観ていて結構イラつくキャラをしているので、人によっては拒絶反応が出る場合もあるかも?

 また『捕らえられた連続殺人鬼』が作品のアクセントとして良い味を出しているのですが、せっかくの良いキャラの割にあまり出番や活躍の場が無かったのは残念だったので、連続殺人鬼のキャラはもうちょっと見せ場を増やして欲しかったかなぁ…

 あと、途中までは非常にテンポが良くて面白いのですが、終盤の展開がちょっと間延びした感じでラストがダラダラした印象になってしまっていたのは残念なところでしたよ。

 ストーリー的にも『連続殺人がそんなにバレずに都合よく成功するか?』って部分でちょっとご都合主義的な違和感があったので、その辺りはもうちょっと上手く処理して欲しかった気はしますよ。(主人公たちの計画をもうちょっと綿密な感じで描くとか…)


 総評としましては、ポップでキュートで過激な印象の『個性的なサイコキラーものサスペンススリラー映画』という感じの作品ですね。

 とりあえず『キュートでサイコパスな女子高生2人の殺人鬼の活躍』という独特の設定に興味があれば、チェックしてみても損は無い一本だと思います。

 『殺人鬼』が主人公ですし、キャラや作風の個性が強すぎて『やや人を選ぶ内容』ではあると思いますので、その辺は『お好みで…』といった感じでしょう。