NIGHT_SHIFT (B級映画&ゲーム雑感 上井某BLOG)

上井某(家主)が観た「B級映画」(主にホラーとサスペンス)の感想と、たまにゲームとかアニメとかについてつらつらと語るブログです。

映画感想:「ディープ・ブルー2」(50点/生物パニック)

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■■■「ディープ・ブルー2」■■■
(50点/生物パニック)

 19年前にアルツハイマー病の治療薬を開発する目的で知能を高めたサメを用いた実験が行われるが、完成間近のところで凶暴化したサメによる反撃を受けて実験は失敗に終わる。

 しかし失われた筈の実験結果を受け継いだ大富豪のカール・デュラントは、海洋施設のアケイロスで人間の知能を飛躍的に高める新薬の開発に秘密裏に取り組んでいた。

 サメの保護活動に取り組む海洋生物学者のミスティは、サメの専門家としてデュラント製薬に招待されるが、知能を向上させる実験に用いられていたサメが極めて獰猛で危険なオオメジロザメであった事から、実験の危険性をデュラントに警告するが…



 新薬開発のために凶暴なサメの知能を高める実験を行ったところ、思いがけずにサメの反撃を受けてピンチに陥ってしまうという、海洋パニックホラーシリーズの第2弾。

 タイトルどおりに「ディープブルー」の正式な続編に当たる作品ですが、設定的には『前作の実験を受け継いでいる』っぽい事が少し語られる程度で、あまりストーリー的には繋がりとかは無い内容です。
 特に前作のキャラとか施設とかも登場しませんし、ラッパーのLL・クール・Jも残念ながら出て来ません。(笑)

 前作はややショッカー映画に寄り過ぎていた印象はあるものの、まあまあ良く出来た佳作のサメ映画って感じの内容でしたが、新作はなんというか物凄く安っぽい作品になった印象。

 まあ安っぽいといっても、有名作品の続編だけあってそれなりにシッカリと作られてはいるのですが、実際に前作に比べるとかなり低予算で作られているっぽい雰囲気で、B級というよりC級ぐらいのテイストが漂う内容ですね。

 ただ映像や特撮の安っぽさよりも、それ以上にストーリーが物凄く安っぽくて全体的にグテグテ気味なのは困りもの。

 前作は一応アルツハイマーの治療薬の研究』という現実の先端医療を題材としつつ、その副作用でサメの知能が強化されたという設定でそこそこリアリティがあったのですが、本作では頭のおかしいワンマン社長が『将来的に起こるAIの反乱に対抗するために人間の知性を高める』みたいな目的で薬を開発しており、設定からしてツッコミどころが満載です。

 海洋施設も前作のような高級感の漂う先端設備じゃなくて、物凄くチャチで安普請みたいな海中基地『そりゃ本気になったサメにブッ壊されるわ』という印象。

 ストーリーや特撮や美術も含めて、全体的にとにかく安っぽさが目につきます。

 サメの襲撃シーンに関しては、一部で前作のオマージュっぽいネタがあったりと、見どころとなる部分も無くはないものの、メインとなって人間を襲うのは『誕生したばかりの赤ちゃんザメの群れ』という設定のため、いま一つ迫力の無いシーンが多いのは困りもの。
 前作とは違った個性を出したかったのかもしれませんが、『小さい肉食魚の群れを描くならピラニアでいいやん』という気がします…

 お話のテンポは悪くないのですが、この『襲撃シーンの迫力の無さ』のせいで、どうにもメリハリが無くてダラダラとした印象を受けてしまうんですよね。

 『知能が高まったサメ』やら『試薬で知能を高めた社長』の設定も上手く活かせておらず、お話の流れ的に知能が高まって無くてもあまり問題が無いようなノリになってしまっているのも残念なところですよ。(社長の強化された知能は単に『脱出経路を思い出す』ぐらいにしか役に立ってないし…)

 ラストも『知能を高めたサメが5匹いる』って設定を無視して、主人公が1匹のサメを倒しただけで『やり切った』みたいな顔をして終わっちゃって『なんじゃソレ?』みたいな感じですし、色々とツッコミどころばかりが目に付く映画という感じでしたよ…
 (一応、エンディングでネタは回収はされますけど…)


 総評としましては、及第点レベルではあるものの『いま一つ面白みに欠けるサメものパニックホラー映画』って感じの作品です。

 佳作だった前作と同じようなレベルを期待していると肩透かしを食らわされる内容だと思うので、もう前作の事は忘れてオリジナルの新作を見る程度のつもりで観た方が良いでしょう。

 あまり推すべき要素も無いですが、まあサメもののパニック映画としてはそこそこ観れるレベルの完成度ではあるので、気になるならばチェックしてみても良いかもしれませんよ…