NIGHT_SHIFT (B級映画&ゲーム雑感 上井某BLOG)

上井某(家主)が観た「B級映画」(主にホラーとサスペンス)の感想と、たまにゲームとかアニメとかについてつらつらと語るブログです。

映画感想:「ハロウィン・レポート」(55点/サスペンス)

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■■■「ハロウィン・レポート」■■■
(55点/サスペンス)

 アメリカではハロウィンの時期になると全国に2500ものオバケ屋敷が出現し、地元民や観光客によってにぎわうのが通例となっていたが、オバケ屋敷の演者の過剰な演出が問題でトラブルが発生したり、本物の殺人鬼や犯罪者が潜伏していて事件が発生するという事態も起こっていた。

 『究極のオバケ屋敷』を求めるザックやブランディらの5人の男女は、全国各地で話題になっている過激なオバケ屋敷を取材して、その映像を記録して回っていたが、そんな最中に『青い骸骨(ブルー・スケルトン)』という究極のオバケ屋敷が存在するという都市伝説を聞きつける。

 聞き込みや情報収集の結果、今年の『青い骸骨』が出現すると思われる場所を遂に突き止めた彼らだったが…



 『究極のオバケ屋敷』を求めて取材を続ける5人の男女が、都市伝説となっている『青い骸骨(ブルー・スケルトン)』という移動式のオバケ屋敷を遂に発見するが…という感じの、POV形式のモキュメンタリーホラー映画。

 パラノーマル・アクティビティ」シリーズのプロデューサーが製作した新作という話ですが、POVという意外には特にそれらしい特徴がある訳でも無くて、それを目当てに観るにはあまりピンと来ない印象ですね。

 お話としては、『究極のオバケ屋敷』を求めて、各地で話題のオバケ屋敷を取材しながら旅する男女の一団が、都市伝説となっている『青い骸骨(ブルー・スケルトン)』というオバケ屋敷の謎に迫るうちに、徐々にヤバい事件に巻き込まれていく…みたいな感じの展開。

 作品としては記録映画的なモキュメンタリーの方式を取っているのですが、『心霊スポットを撮影する』というネタの作品はたくさんありますし、『オバケ屋敷が実は殺人鬼の巣窟でした』みたいな設定の作品も多くあるものの、『オバケ屋敷の舞台裏を取材してまわる』というプロットの作品は他にはあまりお目にかかった事が無いので、ネタとしてはなかなか斬新で面白い切り口だと思います。

 ぶっちゃけ、メインである『都市伝説の謎のオバケ屋敷を追う』プロセスよりも、各地の過激なオバケ屋敷を取材して回る部分の方がモキュメンタリーながらも妙にリアリティがある感じで面白くて、実際に『過激すぎるオバケ屋敷』の問題とかは発生していたりするんだろうなとか、色々と考えさせられます。

 また『趣向を凝らしたオバケ屋敷』の紹介としても面白くて、『こんな凝った演出をやってるオバケ屋敷とか実際にあるんだ』と普通に感心させられましたよ。

 ただ、オバケ屋敷のドキュメンタリーとしては非常に面白いのですが、肝心な都市伝説の『青い骸骨』に絡んだ部分があまり面白く無いのが困りもの。

 お話が真相に近づいてからの流れが、妙にテンポが悪くていま一つ盛り上がらない感じですし、お話の展開も何だか安っぽくてどうにも面白味に欠けます。

 終盤も無理矢理POV形式にしているせいで、カットが矢鱈とブツ切りで何が起こっているのか分かり辛いせいで怖さが半減してる感じなんですよね。
 特に終盤の展開は、誰か一人の目線に固定してお話を進めた方が良かったんじゃないかなぁ?
 ラストも唐突すぎてアッサリしすぎな印象ですし…

 序盤~中盤の期待値と、後半のエピソードの物足りなさのバランスが最大の不満の要因な気がするので、メインの『青い骸骨』絡みのエピソードがもうちょっと丁寧に描かれてれば、もっと面白くなったと思うんですけどねぇ。


 総評としましては、そこそこ良く出来てはいるんだけど『どうにも物足りなさの残るモキュメンタリーホラー映画』って感じの作品ですね。

 中盤辺りまでは凄く面白いのに肝心の山場となる部分がイマイチで、なんだか尻すぼみになってしまった映画という感じ…

 イデアとかテーマとか面白い部分は沢山ありますし、観るべき要素もそこそこあるとは思うので、気になっているようであればチェックしておいて損は無い一本だとは思いますよ。