■■■「MEGALODON ザ・メガロドン」■■■
(40点/モンスター)
ハワイ沖を哨戒中のアメリカ海軍の駆逐艦ショーは、沈没したと思われるロシア軍の潜水艦を発見。
潜水艦に生存者が残っているらしい事を確認した彼らは、リンチ中佐の率いる潜水艇で救助へと向かう。
潜水艦で3名のロシア兵を救助した彼らだったが、海中で潜水艦を襲撃したと思しき太古の巨大ザメ『メガロドン』に遭遇。
潜水艇ごとサメに飲み込まれてしまう。
このままではメガロドンがハワイに到達して甚大な被害が出てしまうと知った駆逐艦の乗組員たちは、なんとかして潜水艇の仲間を救出してメガロドンを撃退しようと試みるが…
アメリカ海軍の駆逐艦がハワイ沖で200万年前に絶滅した巨大な古代ザメのメガロドンと遭遇し死闘を繰り広げる…というモンスターパニック映画。
ASYLUMではお馴染みの有名作品の便乗ものの企画で、発売時期やらパッケージのデザインからして「MEG・ザ・モンスター」に便乗しようという気がまんまんの作品ですね。
(…っていうか、今回のはガチで勘違いして借りちゃう人がそこそこ居そうなレベルなので要注意。)
まあ毎度ながらの露骨な便乗っぷりはさておいて、単純にモンスター映画として観るならば微妙でパッとしない印象の作品って感じでしたよ。
お話としては『沈没したロシアの潜水艦をアメリカ軍が救助に向かったところ、海底の奥深くから目を覚ましたメガロドンの襲撃を受け戦うこととなる』みたいな感じのお話。
お話の冒頭でメガロドンに撃沈されるロシアの潜水艦が登場したり、駆逐艦がメガロドンと戦ったりするあたり、元ネタである「MEG」を意識している感じではありますが、特にそれ以外の部分ではオマージュと呼べるような要素もなくて、ちょっと中途半端な印象。
メインのストーリー的にも、殆ど最初から最後まで『駆逐艦とメガロドンが戦う』ってだけのお話です。
ただ、メガロドンと駆逐艦の戦いを描いただけの作品の割には、どうにも『メガロドンの活躍するシーンが少ない』というのはいただけないところですね。
メガロドンの相手をするのが最初から強力な軍隊の武装艦なので、メガロドンがそのパワーを発揮するシーンが殆どなくて、かつマトモなパニックシーンも無いため、どうにも見せ場に乏しくていま一つ盛り上がりません。
メガロドンの攻撃も単調な体当たりばっかりで面白味に欠けますし、モンスターに魅力が全く感じられないのは残念なところ。
また救出したロシア軍の兵士の反乱とか、メガロドンとあまり関係のない部分にもかなり尺が取られているせいで、とにかくメガロドンの影が薄いんですよね。
逆にサメの見せ場は少ないものの、主人公の軍人たちの姿は矢鱈とカッコ良くヒロイックに描かれてて、サメと戦うシーンが無駄に盛り上がる展開なのはなかなか良い感じ。
『サメをケーブルで釣り上げる作戦』のシーンとか、ラストの最終決戦へ向けての艦長の演説とか、無意味なまでに熱いシーンが多いです。
ただ、どちらもカッコ良い前振りの割に、相変わらず肝心のバトルのシーンが地味で盛り上がりに欠けるのは難点ではあるかなぁ…
全体的にもうちょっとメガロドンを描くのに注力して、モンスターを魅力的に描いて欲しいなぁ…と感じた映画でしたよ。
総評としましては、いま一つ盛り上がりに欠ける『パッとしない感じのモンスターパニック映画』という感じの作品ですね。
「MEG」と間違えて借りてしまった場合はご愁傷様としか言いようが無いですが、ネタ映画として観るにしても便乗ネタとしてもいま一つ面白味に欠けてオススメするには弱い感じかなぁ?
というか、そもそもASYLUMにはメガロドンといえば「メガ・シャーク」という花形モンスターが居るのに、敢えてパッとしない別のメガロドンを登場させてきたのも意味不明ですよ…
便乗映画を出すにしても、普通にメガ・シャークの続編じゃダメだったのかしらん?