NIGHT_SHIFT (B級映画&ゲーム雑感 上井某BLOG)

上井某(家主)が観た「B級映画」(主にホラーとサスペンス)の感想と、たまにゲームとかアニメとかについてつらつらと語るブログです。

映画感想:「ブラック・ウィッチ」(50点/オカルト)

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■■■「ブラック・ウィッチ」■■■
(50点/オカルト)

 母親と2人で暮らす女子高生のリアは、父が亡くなってから情緒不安定になり、自分の事を異常に束縛するようになった母親の態度に不満を抱くようになる。

 あまりの過剰な干渉に耐えかねた彼女は、趣味のオカルトの知識を元に『パイワケット』という魔女を召喚する儀式を実行。

 母親への反抗心から興味本位で行った儀式だったが、その日から彼女の周りでは不気味な現象が相次いで起こるようになっていき、更には母親が別人としか思えないような奇妙な行動を取るのを目撃するが…



 母親に反抗心を抱く女子高生が魔女の召喚の儀式を行ったところ、母親の姿をした『何者か』が現れて恐ろしい現象を引き起こすという、オカルトホラー映画。

 最初に、本作の原題にもなっている魔女の『パイワケット(PYEWACKET)』という名前は聞いた事が無かったので、何なんだろうと思って調べてみたのですが、検索しても『ネコの名前』とか『どこかのバンドの名前』程度しかヒットしなくて、結局謎のままでしたよ。
 魔女自体が本作での創作なのかしらん?

 まあそれはさておき、お話としては『母親が夫を失ってから情緒不安定で身勝手に娘を束縛するようになり、それに反抗するオカルト趣味の娘は母親に反抗するために”思春期特有のアレ”な出来心で魔女の召喚儀式を行ってしまうが…』みたいな感じの展開。

 オカルト要素よりも、母親が『死んだ夫を思い出すから』という理由で娘に辛く当たっているような部分があったりといった具合に、微妙に理不尽な家庭環境が描かれていたりする辺りからして、メインとしてはどちらかというと『母親と娘との親子関係のもつれ』が中心に描かれた人間ドラマという感じですね。

 人間ドラマとして観るならば、主人公と母親の関係やらのキャラクターがしっかりと描かれているのに加えて、主人公の周辺の友人たちなんかの脇役まで掘り下げて描かれてて主人公の人間関係が補強されている辺り、ドラマとして割とキチンと作られている印象なのは好感触。

 ただドラマとしてはシッカリしてるんですけど、オカルトとしては物足りない部分が多いのは困りものなんですよね…

 郊外の森の中にある一軒家の雰囲気とか世界観とかは悪くないのですが、魔女の召喚の儀式を行ってから起こる『怪奇現象』がいま一つパッとしない内容で、観ていてどうにも盛り上がりません。

 また前述のとおりドラマそのものはシッカリと作られているので退屈はしないものの、お話の展開が遅めでストーリーがなかなか核心に近づかないため、観ていてちょっとイライラしてきます。

 終盤のお話が動き出してからは、先の展開が予想できなくてなかなか面白いのですが、流石にそこまでのダルい部分がちょっと長すぎ…

 ラストも矢鱈と唐突でアッサリしすぎですし、もうちょっとオカルト要素が強い内容でも良かったんじゃないかなぁ?

 世界観やら雰囲気やら悪くない部分もあるだけに、ちょっと勿体ない印象を受けた作品でしたよ…


 総評としましては、悪くは無いんだけど『どうにも物足りなさの残るオカルトホラー映画』というのが正直なところですね。

 オカルト要素をメインと考えなければそこそこ良い感じなのかもしれませんが、予告とかを観てオカルト要素に期待して観ると扱いが薄くてちょっと肩透かしを食らうかも?

 そこそこ観れる内容ではあるので、気になっているのであれば観るのを止める事は無いですが、『積極的にオススメするにはちょっと弱い一本かな?』って感じの作品でしたよ。