■■■「ジュラシック・クロコダイル 怒りのデス・アイランド」■■■
(40点/生物パニック)
過激な活動で企業の悪事を暴露する環境活動家のグループのリーダーであるサムは、ある日、元相棒であるデインから挑戦として送られてきた、10万ドルの賞金のかかった調査を受ける事となる。
それは、25年前に有害物質による汚染によって閉鎖されたというウワサのある、とある山奥にある地図にも載っていない湖の無人島を調査し、その謎を解き明かすというものだった。
大金目当てに元相棒からの挑戦を受ける事となったサムたちは、湖畔にたどり着いて周辺の調査を開始するが、先に到着していたと思われるデインとその仲間のキャンプが何ものかに襲われて荒らされたかのような現場と、引き裂かれたかのような彼らの死体を発見し…
とある山奥の閉鎖された湖を調査に向かった環境団体の若者たちが、信じられないようなサイズの巨大なワニに襲われるという、生物パニックホラー映画。
湖畔に登場する巨大ワニでお馴染みの「U.M.A. レイクプラシッド」シリーズの6作目に当たる作品で、原題はそのまんま「LAKE PLACID: LEGACY」というタイトルです。
「レイクプラシッド」というとホラーファンの間ではそこそこ知られたシリーズだと思うのですが、なんで敢えてそのタイトルを使わずにこんな訳の分からないZ級映画のようなうさん臭い邦題を付けてしまったのか、ちょっと謎な感じですよ。
(もしかして「レイクプラシッド」ってタイトルの権利を別メーカーが持ってて、自由に使えないとかなのかしらん?)
まあそれはさておき、本作ではいつものシリーズの舞台である『メイン州の湖』は離れて、別の場所が舞台になっていますが、ストーリー的にはキチンとシリーズとの繋がりのある内容になっており、むしろ『なぜメイン州の湖に巨大ワニが出現したか』の謎解きに当たるような感じの内容ですね。(といっても、別に過去エピソードとかって訳でもありませんが…)
作品を重ねるごとに、ちょっと軽めのノリが中心になっていた本シリーズですが、本作はちょっとシリアス寄りで重めのお話になっている印象。
序盤からシリアスなドラマが中心の緊張感のある展開で、お話をうまく引っ張ってくれます。
ただ、『緊張感のある展開でお話を引っ張る』という方向性は悪くなかったと思うのですが、とにかく怪物が出てこなさすぎなのは困りもの。
終盤辺りまでは、襲撃シーンですら『チラッ』という感じで姿を見せる程度で、画面に全くワニが登場してくれないので観ていて物凄くモヤモヤしてしまいます。
編集からしてTV映画っぽい感じなので、ワニのCGを作る予算の都合とかがあったのが見て取れる感じではあるのですが、それなら部分的な模型とかパペットを使う等のもうちょっと上手い方法が無かったものかと…
また、『ワニ以外の要素』の人間ドラマとか仲間どうしの対立やらで間を持たせようと努力はしているのですが、これまた登場人物のキャラクターにいま一つ魅力が無いため、ドラマ部分があまり面白く無くて正直に言ってちょっと退屈。
シリーズの謎解きとなる『大企業の陰謀』みたいな話も月並みですし、ヒロイン姉妹のトラウマの話も掘り下げが浅すぎてシリアスなドラマとしてはどうにも中途半端な印象です。
シリーズの仕切り直し的な事がやりたかったのかもしれませんが、これだったら素直に前作までのような『ちょっと軽めのノリ』を引き継いだ方が面白かったんじゃないかなぁ…
ラストの『ヒロインの巨大ワニとのバトル』のシーンだけは割と迫力もあって盛り上がる感じで良かったのですが、いかんせんそれ以外に見せ場が少なすぎるので、『せめてもうちょっと予算があればなぁ…』という、如実に大人の事情を痛感させらせる世知辛い気分にさせられるような映画でしたよ…
総評としましては、どうにも『退屈で物足りなさばかりが目に付くB級生物パニック映画』って感じの作品でした。
壊滅的にツマんない訳では無いですが、シリーズのファンが敢えて本作を観る価値があるかと言われると、正直に言って微妙なところかなぁ?
TVとかネット配信とかで無料で観れるのであれば、まあ観てみてもそこまで後悔はしないレベルだと思うので、特に急がないのであればそういうメディアで観れるのを待ってみても良い程度の一本かもしれませんよ…