■■■「シャークネード ラスト・チェーンソー」■■■
(55点/パニック)
幾度ものシャークネードの襲来によって、人類が滅亡し全てを失った事に絶望するフィンだったが、彼の前に未来からタイムトラベルで現れた息子のギルが出現。
彼は歴史を書き換えて平和を取り戻すため、ギルの手配によってタイムトラベルへと出発する事となる。
原始時代にたどり着いたフィンは、そこで彼と同じくギルによって救われた仲間たちと共に『シャークネード第1号』と対峙する事となるが…
『サメ竜巻』という未曽有の大災害を描いた「シャークネード」シリーズの最新作であり、最終作に当たるパニックホラー映画。
前作のラストは、『繰り返される「シャークネード」の襲来によって仲間を全て失い人類も滅亡して絶望するフィンが、未来からタイムマシンでやって来た息子のギルの力によってタイムトラベルに出発する』という展開でしたが、本作は内容的にまるっきりその続きのお話になります。
そんな訳で本作は、『息子のギルによってタイムトラベルをする力を手に入れた主人公が、歴史をやり直すために過去にさかのぼって世界の歴史上の節目に登場するシャークネードと対峙する』みたいな感じの展開ですね。
前作で次々と命を落とした仲間たちも、実はギルによって救われていたといった具合で、なんだかんだで『いつもの面々がいつものように世界の歴史を旅しながらシャークネードと転戦していく』といういつもながらの展開です。
世界を股に掛けて行われていたシャークネードとの戦いが、遂に歴史を股にかけての戦いに拡大された感じで、原始時代から中世のファンタジー世界、南北戦争時代に西部開拓時代といった具合に時間を旅していくという破天荒なノリで、バカ度で言えば今まで以上になっている印象。
ただ設定の無茶苦茶さ加減では歴代のシリーズ随一と言っても良い感じではあるのですが、正直な感想を言うと内容的には前作よりもパワーダウンしてしまった感じなんですよね。
色んな時代を転戦しつつシャークネードと戦っていくという流れのため、確かにシチュエーションが豊富なのは面白いのですが、ひとつひとつのパニックシーンのスケールが小さくて個々の盛り上がりがイマイチなんですよ。
一つ一つのシャークネードも矢鱈とアッサリと破壊されてしまうので、なんか雑魚敵との連戦を見せられているような感じですし、そもそもシャークネードなのに『サメ』の存在感が殆ど感じられないのが辛いところ。(まあ、その傾向は前作あたりからありましたが…)
主人公一味の超人レベルのパワフルっぷりもそこまで発揮されておらず、全体的にどうにも見せ場が物足りない印象です。
ただ破天荒すぎて笑える要素なんかもそこそこあって、西部開拓時代のネタとかは割と面白かったですし、特に『未来世界』のネタに関してはあまりにも予想外の展開に思わず爆笑してしまいましたよ。
終盤で『1作目の世界』へ飛ぶという展開もいかにも『今までの集大成』という感じで、なかなか熱くて良い感じでした。
あと、前作辺りから続けて『風呂敷を広げ過ぎた展開』をラストでどうまとめるのかと期待していたのですが、実際のところ『風呂敷を畳みきれなかった』みたいな終わり方で、ちょっと物足りない感じだったのは残念なところかなぁ?
(あのラストって大団円っぽい終わり方ですけど、実際には「シャークネード」という災害自体の問題は特に解決してない気がするのは自分だけ?)
総評としましては、色々と物足りない部分はあったものの『いつものバカバカしいノリでそれなりに楽しめるB級アクション系パニック映画』って感じの作品ですね。
6作まで続いた「シャークネード」シリーズの完結編としては、ちょっと物足りなさはあるものの、流石にシリーズが続きすぎてグテグテになってきてる印象ではあったので、そこそこキレイにまとまった感じで完結させたのは良かったと思います。
1~5作目まで観てきた人なら、ラストの完結編を敢えて観ない理由もないと思いますので、普通にチェックしておいて損は無いでしょう。
ちなみにシリーズのとしては4作目辺りからの連作になっており、特に最新作は5作目を観てないと意味が分からない部分が多いと思いますので、シリーズを追っかけてない人は、前のシリーズから順番にチェックするよう要注意ですよ。