NIGHT_SHIFT (B級映画&ゲーム雑感 上井某BLOG)

上井某(家主)が観た「B級映画」(主にホラーとサスペンス)の感想と、たまにゲームとかアニメとかについてつらつらと語るブログです。

映画感想:「死霊のシスター」(50点/オカルト)

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■■■「死霊のシスター」■■■
(50点/オカルト)

 薬物中毒の夫と別れ医師であるマイケルと再婚したアナは、娘のクレアと共に仮住まいであるマイケルの叔母の家からの引っ越し準備をしていた。

 しかし彼女が引っ越しの準備をはじめてから、奇妙なポルターガイストのような現象が頻発。
 更には、床や壁に「STAY(行くな)」という文字が浮かび上がり、彼女の前にシスターの姿をした亡霊が出現し家の中へと閉じ込められてしまう。

 恐怖にパニックに陥る彼女の前に、KKと名乗る地元のオカルトマニアの青年が訪れ、シスターの霊は100年前にこの場所にあった修道院に務めていたシスター・キャサリンのもので、罪を償うためにこの場所にとどまり続けて『自分の身代わりとなってこの場所を守る人物』が現れるのを待ち続けているという驚くべき事実を知らされるが…



 いわく付きの土地に住む事となった女性が『呪われたシスターの霊』によって屋敷に閉じ込められるという、オカルトホラー映画。

 パッケージデザイン的にもタイトル的にも、いかにも死霊館のシスター」の便乗…というか間違えて借りるのを狙った感じの作品ですが、邦題で『なんちゃって類似作品』的なタイトルを付けてるだけかと思いきや、原題からして「CURSE OF THE NUN」というタイトルが付いており、元々からして『便乗する気まんまん』のヤバい作品のようです。(笑)
 (ちなみに「死霊館のシスター」の原題は「THE NUN」。)

 そんな感じで、作品のコンセプトからして酷い感じの作品ではありますが、期待(?)に反しない感じで実際の中身の方も色々と酷い出来の作品です。

 何が酷いって、全体的に演出がとにかくチャチでオカルト映画なのに全く怖くないということ。
 80年代ぐらいのオカルトドラマかと思うレベルの安っぽさで、シスターの亡霊も単に『顔を黒く塗ったオバサン』という感じの生々しさだし、特殊効果もCGなんて一切使わないという潔さ(いさぎよさ)(宙に浮いてるシーンとか、多分ホントに吊るしてるだけ)で、今どきの映画とは思えないレベル。

 ストーリーも『どこまでが現実で幻想か分からないサイコスリラー的なノリ』を狙ったっぽいのですが、展開がグテグテすぎて『本気で何が何やら分からなくなるレベル』というお粗末っぷりです。

 ただ、だからといって本作が箸にも棒にも掛からないようなツマらない作品かというとそうでもなくて、ぶっちゃけて言うと『個人的には結構好きなノリの作品』なんですよね。

 なんというか、それこそ80年代に良く作られてたB級ホラーのようなノリで、とにかく『ダメダメな内容なんだけどやる気だけは感じられる作品』といった印象。

 シスターは死霊のクセに攻撃が矢鱈と物理攻撃や物理効果に偏重していて、得意技は『首絞め』で、透明の壁(単なるアクリル板)やら、空間を歪める(どこでもドア)なんかも使って攻撃してくるのですが、この演出がいちいちバカバカしくて登場する度に笑わせてくれます。

 中盤以降の超展開っぷりもなかなか強烈で、色んな意味で予想外すぎる展開の連発のせいでツッコミが追いつかないレベル。

 オチとかも『そんなんでいいのか?』と言いたくなるような唐突なオチですし、色々と香ばしくて酷い内容なのですが、いわゆる『愛すべきクソ映画』という感じのノリの映画でしたよ。


 総評としましては、物凄く安っぽい内容の『B級どころかD級ぐらいのレベルのオカルトホラー映画』って感じの作品ですね。

 ただ、『ツッコミどころ』や『笑いどころ』の満載っぷりは凄まじいレベルなので、ツッコミ目的のバカ映画を探しているのであれば、かなりオススメ出来る作品といった感じ。

 マトモなオカルトを求めている人には辛い作品だと思いますし、死霊館のシスター」と間違えて借りた方はご愁傷様としか言いようが無いですが、個人的にはオカルトとは別のベクトルで予想以上に楽しめた作品でしたよ。