NIGHT_SHIFT (B級映画&ゲーム雑感 上井某BLOG)

上井某(家主)が観た「B級映画」(主にホラーとサスペンス)の感想と、たまにゲームとかアニメとかについてつらつらと語るブログです。

映画感想:「シックスヘッド・ジョーズ」(55点/モンスター)

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■■■「シックスヘッド・ジョーズ」■■■
(55点/モンスター)

 メキシコのバハ半島の沖にある無人島のコラゾン島で、仲の冷めたカップルの関係を修復するためのキャンプセラピーが開催される事となる。

 しかしその場所は、かつて冷戦時代に政府による生物兵器の実験が行われていたという、奇妙な噂のあるいわく付きの場所だった。

 キャンプの主催者であるウィルは4組のカップルを相手にセラピーを実施するが、そんな最中にイベントのスタッフのブラッドとレベッカらと連絡がつかなくなった事から探していたところ、ブラッドがサメに襲われたと思しきバラバラの死体となって発見される。

 事態に衝撃を受けた彼らは、ブラッドの相方のレベッカを見つけてから島から脱出しようと捜索を開始するが、そんな彼らの前に立ちふさがるように『6つの頭を持った巨大なサメ』が出現し…



 無人島にキャンプセラピーに訪れた4組のカップルとその主催者が6つの頭を持った巨大なサメに襲われるという、モンスターホラー映画。

 ASYLUMの『〇〇ヘッドジョーズ』シリーズの最新作に当たる作品で、シリーズを追って増え続けた頭の数も遂に6個目です。(笑)

 ぶっちゃけ『トリプルヘッド』の辺りから、『サメの頭の数が増えたからといってたいして違いが無いだろ』って感じのノリの本シリーズでしたが…

 なんといっても今回の最大の見どころは、サメの頭が6個になって色々と劇的な進化を遂げた辺り。

 今回は『冷戦時代に作られた生物兵器』という設定から、以前からあった再生能力に加えて、なんと4つの頭を足のように使って『トコトコと地面の上を走ってくる』という新たな技を習得。

 もうこれで、『〇〇ヘッドジョーズは海に入らなければ安全』という今までの定石はくつがえされてしまいました!!
 (まあ地中に潜る「サンドシャーク」とか、空を飛んでくる「シャークネード」とかあるので、今更ではありますけど…)

 お話の途中で『島に暴風雨が来て洪水になるからその前に脱出しよう』みたいな事が語られるシーンがあるのですが、『いやいや、洪水とか全く関係ないやん!!』という感じで、ちょっと笑ってしまいましたよ。

 ちなみに、この4つの頭を使って地面をトコトコと歩く姿は、怖いというよりもなんか物凄く可愛いので、できればゼンマイ式でトコトコ歩くオモチャとかを出して欲しいレベル。
 というかマジに販売されたら買います。(笑)

 他にも、自分の頭を食いちぎって投げつけて飛び道具として利用したり、船の周りをグルグル回って渦を起こして船を沈めたり…といった具合に、今回の多頭サメさんは矢鱈と芸達者に様々な攻撃をしつつ大暴れをして楽しませてくれます。

 『〇〇ヘッドジョーズ』シリーズをバカ映画として期待しているのであれば、まさに正統進化といった感じのパワーアップっぷりといった印象です。

 ただ、多頭サメのバカっぷりは良い感じなのですが、モンスター映画として面白いかと言われるとやや微妙な部分も多いんですよね。

 メインのストーリーとしてカップルどうしの関係復旧のセラピー』という要素があるせいもあってか、微妙に恋愛関係のエピソードや登場人物のキャラの掘り下げの人間ドラマ要素が濃いめの印象。

 キャラの掘り下げもある程度はあった方が良いのですが、もちろん本編のストーリー(サメ)とは関係ない部分ですので、そっち方面のシーンが全体的に退屈でちょっとテンポの悪さを感じてしまうのは困りものです。

 まあ、カップルたちが関係復旧した次の瞬間に食われて死ぬ』というお約束は、ちょっと笑える部分ではありましたけど…

 サメも芸達者な割には襲撃シーンがちょっと迫力不足で、特にシーンによってサメのサイズがまちまちで、場面によってはやたらとサメが小さくてショボくなってしまうのはなんか気になってしまいました。(すごい弱そうに見えるし、小さいときは実際に弱い…)

 あと、サメとの対決方法やラストの撃退方法も、もう一捻りぐらいあっても良かったかなぁ?


 総評としましては、ちょっと物足りない部分はあるものの『いろいろと楽しいツッコミどころが満載のお馬鹿系モンスター映画』って感じの作品ですね。

 『〇〇ヘッドジョーズ』シリーズに、そういうお馬鹿系のノリを期待しているのであれば間違いなく楽しめる最新作だと思いますので、ネタ映画を求めているのであればチェックしておいても損はない一本でしょう。

 ちなみに『〇〇ヘッドジョーズ』シリーズは、ほかのASYLUMのシリーズと異なって全くお話が繋がっていないため、気になるのでしたら本作のみをチェックしても問題ありませんので、そういう意味ではオススメしやすい最新作かもしれません。