NIGHT_SHIFT (B級映画&ゲーム雑感 上井某BLOG)

上井某(家主)が観た「B級映画」(主にホラーとサスペンス)の感想と、たまにゲームとかアニメとかについてつらつらと語るブログです。

映画感想:「インフェクテッドZ」(45点/モンスター)

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■■■「インフェクテッドZ」■■■
(45点/モンスター)

 近未来、人間を狂暴化させて捕食者へと変異させる新型狂犬病の発生と大流行によって、世界は崩壊。

 生き残った人類は、感染者(インフェクテッド)の襲撃を逃れるために、軍隊によって守られた地下の核シェルターに隠れて生活を続けていた。

 狂犬病に噛まれたものの発症しなかった事により、感染者と会話するという能力を身に着けたモーガンは、科学者のローズと共にこの感染症を調査し、ウィルスのワクチンを開発するためにその第一号患者を探すという作業を続けていた。

 しかし、調査を続けていくうちに感染者たちの行動が徐々に高度になっており、彼らの隠れ住んだシェルターを探すために複雑な作戦を展開するようになっていることが判明し…



 人間を極度に狂暴化させるウィルスによって文明が崩壊した世界で、科学者と感染者と会話できる能力を持った一人の男がウィルスの治療法を求めて研究を続けるという、ゾンビ系のモンスターホラー映画。

 いわゆるゾンビ映画系のお話なのですが、感染者を狂暴化させ身体能力を向上させるという、いわゆる28日後....」タイプの『活きのよいゾンビ』が登場する作品ですね。

 お話としては、『狂暴化ウィルスに感染したものの発症を免れた一人の男が「感染者と会話する」という能力を獲得した事によって、科学者と協力して感染症の治療法の研究を行う…』みたいな感じのストーリー。

 そもそも『感染者(ゾンビ)と会話できる能力』って何やねんって感じですけど、本作のゾンビは異常に狂暴なだけで不通に会話できる程度の知性を持っているので、主人公が捕まえてきたゾンビと会話して情報を引き出すみたいな感じの設定です。

 ただ『相手が知性を持っているなら普通に誰でも会話できるんじゃ?』って気もするのですが、主人公のみが会話できるという辺りからして、ゾンビが特殊な言語を持っていてそれが理解できるのか、もしくは特殊な周波数で会話しててそれが聞こえるみたいな設定なのか、その辺りの細かいことは不明。
 (『あー』とか『うー』とか言ってるだけに見えて、実は高度な情報のやり取りをしているのかも?)

 ちなみに主人公が『感染したけど発症しなかった』のであれば、その血液から抗体を作れるのでは…という気がするのですが、一応、『その研究も進められているものの、あまり良い効果が出ていない』という感じで、一応はその辺りもフォローされた設定になっています。

 そんな感じで『ゾンビと会話できる』というのが主人公の特徴のため、お話の中心は地下施設にゾンビを拘束して主人公が尋問を続けていくというミステリーっぽい展開がお話の中心といった感じ。

 ただ設定としては面白いと思うのですが、終盤までの殆どのシーンの尺が地下施設でゾンビを尋問するという会話劇に割かれているため、なんとも地味で盛り上がりに欠けます。

 映画そのものにはそこそこお金がかかっている感じで、特撮や映像のレベルなんは低くないので、なんでこんなに地味な映画にしてしまったのか微妙な印象。

 終盤にはそれなりのゾンビの襲撃シーンやパニックシーンが描かれて盛り上がるのですが、やはり終盤までの展開がダルいんですよね…

 でも、単なる『第1号患者』を探すというミステリー的なノリかと思いきや、主人公と科学者が恋仲で更に主人公にはゾンビになった恋人が居たりといった感じで、人間ドラマ的な要素もあったりするのですが、この辺の設定がそこまで蛇足にならない感じにお話に組み込まれているのは良いところかも?

 ただ、終盤から『人類の進化』とか良く分からない方向にお話が進んでいって、最後もなんだかスッキリしない投げっぱなしオチになってしまっているので、この辺はもうちょっとどうにかして欲しかった感じですよ。


 総評としましては、良くも悪くも『ちょっと変わった設定のだけど普通程度の出来栄えのゾンビ映画って感じの作品です。

 『ゾンビと会話できる』という独特の世界観や設定ではあるのですが、それが面白さに繋がっている訳でもなく、かといって邪魔な要素にもなっていないので、なんとなく可も不可もないようなゾンビ映画に落ち着いてしまっている印象。

 あまりオススメする要素も無いですが観るのを止めるような出来の作品でもないので、ゾンビ好きで気になっているのであれば『こういう作品もありかな』という程度にチェックしてみても良いかもしれませんよ。