NIGHT_SHIFT (B級映画&ゲーム雑感 上井某BLOG)

上井某(家主)が観た「B級映画」(主にホラーとサスペンス)の感想と、たまにゲームとかアニメとかについてつらつらと語るブログです。

映画感想:「ドント・ヘルプ」(65点/オカルト:結構オススメ)

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■■■「ドント・ヘルプ」■■■
(65点/オカルト:結構オススメ)

 マリア、カミラ、アニータの三姉妹は、ある日、とある上院議員の家へと忍び込み、彼が汚職で手に入れた金を盗み出そうと画策する。

 屋敷に侵入した彼らは上院議員とその妻を拘束した彼女たちは、彼から金の在りかを聞き出し首尾よく強奪する事に成功するが、そんな矢先に地下から奇妙な物音を耳にする。

 「地下には誰も居ない」と言い張る議員の態度に不審なものを感じた彼女たちは地下室に侵入したところ、議員の娘を思われる少女が拘束され監禁されているのを発見。

 自分たちも虐待の過去を持っていた彼女たちは、拘束された少女を解放しようとするが、その少女には恐るべき秘密が隠されていたのだった…



 強盗姉妹がとある議員宅の地下室に監禁されていた少女を助けたところ、その少女は恐るべき悪魔憑きの少女だった…という、オカルトサスペンス映画。

 いわゆる悪魔憑きを題材としたオカルトホラー映画なのですが、意外とありがちそうな設定でありながら『ありそうで無かったタイプの悪魔憑き映画』って感じの作品です。

 なんでも、イーライ・ロス監督の「グリーンインフェルノ」の脚本を書いた方が監督されているらしいのですが、悪趣味なテイストやらエグい設定やら、どことなくイーライ・ロス監督の作品を想起させられるような部分があり、影響を受けているのが感じ取れる印象。

 お話としては、『とある強盗姉妹が議員宅に侵入したところ、地下に監禁されている少女を発見して解放するんだけど、この少女が実はとてつもない力を持った悪魔に取り憑かれており…』みたいな感じの展開。

 とまあ、このプロットだけを聞くと割とありがちな感じなのですが、単なるオカルトホラーかと思いきや一筋縄ではいかない感じの内容で、強盗の三姉妹が過去に虐待に関するトラウマを抱えていて、その部分を悪魔に付け込まれたり、議員夫妻も実は秘密を抱えていて思いがけないサスペンス展開に突入したりと、なかなか予想のつかない展開の連続で楽しませてくれます。

 特に本作で面白いと感じたのは、悪魔が非常に『悪魔らしい攻撃』を仕掛けてくるというところ。

 この手の映画でありがちな物理攻撃に頼らずに、主人公たちのトラウマや心の隙に付け込んで、幻覚を見せたり甘言を巡らせたりして、仲間割れとか自滅を誘ってくるのは、いかにも悪魔らしい嫌らしさが出ていてなかなか良い感じです。

 またサスペンスとしても一筋縄でいかない感じの構成になっており、中盤~終盤にかけてお話が思いがけない方向に二転三転していく流れは、先の展開が読めなくて面白いです。

 ただ中盤以降はテンポが良くて面白いのですが、序盤のお話の展開が少しダラダラしている感じでお話が動き出すまでの部分がちょっとダルい印象があるんですよね…

 また、主人公3姉妹のトラウマとか議員夫妻の秘密とか、色々と詰め込みすぎなせいで、ちょっとお話に煩雑な部分があり全体的にとっ散らかった感じになってしまっているのも残念なところ。

 でも、オチとかにこの手の映画にありがちな蛇足感が少なく、なかなか上手くまとめた感じだったのは良かったかな?


 総評としましては、プロットから凡百な感じの作品かと思いきや『意外と良くできた悪魔憑きものオカルトホラー映画』って感じでした。

 ありがちな設定で意外と上手く個性を出した作品という感じで、なかなか面白い切り口のオカルト映画でしたよ。

 やや悪趣味な要素が強いので、ちょっと評価が割れる部分もあるかもしれませんが、気になっているのであれば普通にチェックしておいて損はない一本だと思いますよ。