NIGHT_SHIFT (B級映画&ゲーム雑感 上井某BLOG)

上井某(家主)が観た「B級映画」(主にホラーとサスペンス)の感想と、たまにゲームとかアニメとかについてつらつらと語るブログです。

映画感想:「デーモン・インサイド」(55点/サスペンス)

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■■■「デーモン・インサイド」■■■
(55点/サスペンス)

 レズビアンの同性夫婦であるジャッキーとジュールズは、結婚1周年の記念にジャッキーが幼いころに暮らしていたという森の中の湖畔の家にバカンスに訪れる。

 その日の夜にジャッキーの幼馴染であるサラが彼女たちの家を訪ねて来るが、それ以来、ジャッキーの態度に不自然なものを感じ取ったジュールズは、密かにサラの家に訪れて昔の話を聞いたところ、過去に彼女たちがこの湖での水難事故で友人を失っている事を知る。

 ジュールズは、なぜ彼女が事故の事を秘密にしていたのかとジャッキーに問い詰めるが、その直後にジャッキーがジュールズを崖から突き落として殺害しようとするという事件が発生。

 崖から転落して重傷を負いつつも何とか一命を取り留めた彼女は、ジャッキーの恐るべき本性に気づき、彼女の元から逃げようとするが…



 とあるレズビアン夫婦が幼いころ過ごしたキャビンにバカンスに来るんだけど、実は連れ合いがサイコパスの殺人鬼だった事が判明して命を狙われる…という、サイコサスペンスものスリラー映画。

 いわゆる雰囲気映画テイストの強めのサイコスリラーなので、てっきり欧州系の作品かと思いつつ観ていたのですが、どうやらカナダ製の作品のようですね。
 そんな欧州っぽい印象を抱いてしまうような、なんとなくジトっとした雰囲気のあるサイコサスペンス作品です。

 お話としては『とあるレズビアンの夫婦がバカンスで連れ合いの幼いころに過ごしたキャビンに訪れるんだけど、実はその連れ合いが恐るべきサイコパスの殺人鬼で殺されかけた上に、執拗に追跡されて命を狙われる事となってしまい…』といったようなストーリー。

 基本的にとある同性夫婦の2人の、サスペンス的な追跡劇やら心理的なやり取りやらが中心『心理劇をメインに添えたサイコスリラー映画』という感じの内容なのですが、それに加えてちょっと『百合作品』的な要素もある印象ですね。

 サスペンス的な要素としては、理不尽な暴力に曝される恐怖とか、執拗に命を狙われる緊張感とかがメインとして描かれているのですが、殺人鬼の徹底したドライな雰囲気が良い味を出しておりなかなか怖いです。

 また、その殺人鬼の連れ合いを好きになってしまった主人公の、心理的な葛藤やら動揺なんかも非常に丁寧に描かれており、歪んた恋愛観を描いた百合作品としてもそこそこ楽しめるのは良い感じ。

 ただ、基本的に心理劇がお話の中心となっているうえに登場人物も非常に少ないため、全体的にお話に見せ場が少なく変化や起伏に乏しいのは残念なところ。
 特に中盤ぐらいまではダラダラとしたシーンが長く続くため、観ていてちょっとダレてしまいました。

 あと、ややネタバレになってしまいますが、終盤の『愛するが故に自らの手で決着をつける』みたいな『愛憎劇』的な展開なかなか捻りが効いていて、先の展開も読めなくて面白かったのは良かったです。


 総評としましては、やや退屈な部分もあるものの『面白い切り口のサイコサスペンス映画』という感じの作品ですね。

 佳作とまでは行かないもののそこそこ見るべき要素もありますし、ジトっとした感じの雰囲気映画的なスリラーが好きな人や、百合っぽい愛憎劇的なサスペンスが気になる人であれば、チェックしてみても良いんじゃないかと思います。

 個人的には普通にそこそこ楽しめた作品でしたので、予告とか設定を観て気になるのであれば観ておいても損はない一本だと思いますよ。