■■■「スレンダーマン 奴を見たら、終わり」■■■
(45点/モンスター)
アメリカ、マサチューセッツ郊外の小さな町の高校に通うハリー、レン、クロエ、ケイティの4人の女子高生は、ある日、好奇心から都市伝説の子供や若者をさらう怪人である「スレンダーマン」を呼び出すという動画を観てしまう。
不気味な動画に不安になりつつも半信半疑の4人だったが、それから一週間後、動画を観たメンバーの一人であるケイティが課外授業の最中に忽然と姿を消して行方不明になるという事件が発生し…
アメリカの都市伝説である「スレンダーマン」を呼び出すという動画をみた女子高生の4人がさらされる恐るべき恐怖を描いた、モンスターもののオカルトサスペンス映画。
「スレンダーマン」というと、もともとはネットミームから誕生した割と有名な都市伝説で、『子供や若者をさらっていく痩せたのっぺらぼうのような姿をした謎の怪人』ですが、日本ではあまり有名じゃないと思われたのか「イット」のパクリみたいな邦題がつけれられしまっているようです。
なんか凄く安っぽく感じるので、そこは原題どおり普通に「スレンダーマン」のみで良かったんじゃないですかね?
お話としては、『とある郊外の小さな町に暮らす4人の女子高生が、好奇心から「スレンダーマン」を呼び出すという不気味な動画を観たところ、恐るべき恐怖にさらされる』みたいなストーリーで、割とオーソドックスな感じのプロットの作品ですね。
この「スレンダーマン」を呼び出す動画も、「リング」の呪いのビデオっぽい不気味でサブリミナルっぽい内容で、最近ではオーソドックスな表現ながらもなかなか良い雰囲気を出しています。
(実際に「リング」を結構意識していそうな印象。)
その他の部分も、閑静な郊外の町や森にただよう異様な空気感とかが良く出ており、静かで不気味な薄気味の悪さを感じさせる雰囲気映画としては、なかなか良く出来ている印象。
ただ雰囲気以外の部分に関しては、正直言って微妙な部分が多いんです。
何が微妙って、とにかくお話の進行が遅くて冗長でどうにも観ていてダルくなってしまうところ。
更に暗いシーンが多いうえに全体的に静かなイメージがある作品なので、途中で物凄く眠くなってしまいました。(というか、ぶっちゃけ2回ぐらい寝てしまった。)
肝心のスレンダーマンの出番もあんまり無いですし、山場となるシーンも少な目で全体的に盛り上がりに欠けるのは辛いところで、『スレンダーマンに誘拐される』というシチュエーションは良いのですが、『誘拐されたらどうなるのか』が良く分からないので、いま一つ危機感が感じられないのも残念なところ。
演出や映像表現としてはそれなりに観るべき要素もありますし、終盤でちょっとしたどんでん返し的なネタがあったりと、悪くない部分もあるんですけどねぇ…
総評としましては、正直なところ『いま一つ盛り上がりに欠ける都市伝説もののB級サスペンスホラー映画』って感じの作品ですね。
悪くない部分もあるのですが、それを差し引いてもダルい部分が多くてちょっと物足りない映画という印象。
まあ物足りないというだけで、それほど駄作というレベルでもないので、「スレンダーマン」というネタに興味があって気になっているのであれば、チェックしてみても良い感じの一本かもしれませんよ。