■■■「最強特殊部隊 VS 巨大タランチュラ」■■■
(40点/モンスター)
近未来、とある巨大麻薬組織が遺伝子操作によりコカインの育成を急激に促進させる設備の開発に成功。
各地に麻薬の栽培工場を建設し、全世界の麻薬組織を牛耳るほどの存在へと急成長を遂げる。
事態を重く見た軍は、彼らの秘密工場を破壊するために各国から招集されたメンバーによって編成された特殊部隊である『L9コマンドー』を編成し、彼らの工場の破壊と殲滅を計画する。
アルバニアに彼らの新たな秘密工場が建設されたとの情報を入手した軍は、『L9コマンドー』をその工場へと派遣するが、麻薬組織は彼らの活動を既に察知しており、そこで待ち受けていたものは成長促進装置の効果を活用して作り出された、人間ほどのサイズのある巨大なクモの大群だった…
植物の成長促進装置を開発した事によって麻薬を大量生産し世界を牛耳ろうとする麻薬組織の工場を破壊するために派遣された特殊部隊の面々が、麻薬組織によって作り出された巨大グモの群れと戦うという、アクション映画風味のモンスターホラー映画。
「最強特殊部隊 VS 巨大タランチュラ」とかっていう、なんとも直球ストレートでエッジの効いた感じのタイトルが付いている本作ですが、実際の映画の中身の方も『タイトルどおりの内容』としか言いようがないような作品です。
お話としては『軍の特殊部隊が麻薬組織の工場に襲撃に向かったら、巨大グモの大群がいて逆に襲撃されました』というただそれだけのビックリするほど中身の無い内容で、ノリとしてもB級アクションホラー…と言うか『D級ぐらいの低予算のグテグテアクションホラー』という塩梅。
モンスターはCGで作成されているものの、これがかなり安っぽくて作り物感が全開な感じではあるのですが、こいつらが百匹ぐらいのオーダーで大量に出現してまさに『数の暴力』って感じでガンガン襲い掛かってくるので、ショボいけどなんとなく勢いに押されて『なんか凄いかも』と思わされるような感じの作りになっているのは良い感じです。
見せ方も、シルエットを多用してCGを簡略化したり、銃のフラッシュライトで部分的にしか見えないように処理されていたり、色々と工夫して低予算でも迫力を出そうと考えているっぽいのは良いところ。
また、ストーリーは無いも同然の物凄くしょうもない内容なのですが、内容が無さ過ぎるせいで、ある意味で期待値を下回る部分も全く無いため、特にストレスを感じずに観れるのは良い感じですね。
ただ、いかんせん低予算映画なので微妙な部分もかなり多く、特に『たいしたストーリーも無いくせにモンスターが登場するまでが無駄に長い』のはダレるところ。
また、モンスターは超大量に出てくるのですが、攻撃が単調なうえに単体ではたいして強くもなくて鴨撃ちのようにジャンジャン撃ち落されていくので、なんかホラー映画を観ているというよりは次々と撃墜されていくシューテングゲームの雑魚キャラを観ているような気分になってしまうのは困りもの。
登場人物のキャラにも個性や魅力が薄くて全体的にどうにも盛り上がりに欠けますし、山場となるような部分も少な目な印象。
特に、終盤にお約束のように登場する『家のようなサイズの超巨大グモ』に全く見せ場がないのはいただけません。
あと、ネタバレになるので詳細は伏せますが、ラストのモンスターの撃退方法がモンスター映画史上でもトップレベルに君臨するぐらいの『えっ、そんなアッサリした倒され方でいいの?』というぐらいにアッサリしてるのはいかがなものかと…
また余談ですが、タイトルで『巨大タランチュラ』と付いていますが作中では『ジョウゴグモ』と説明されていたので、『タランチュラじゃないやん!』とツッコミを入れたくなりましたが、他の部分のツッコミどろこの方が多すぎるので割とどうでもいい情報という感じでした。
総評としましては、ビックリするほど中身のない『D級ぐらいの超低予算モンスター映画』って感じですね。
内容が無さ過ぎるので、脳の機能の10%ぐらいの稼働率で気楽に見れるのはメリットですが、敢えて本作を観ないとならない理由もあまり思いつかないレベルなので、特にオススメもしないかなぁ…
なんとなく、そのうちNetflix辺りに入ってきそうなタイトルの気がするので、そういうサービスで配信された際にでも気楽に観ればよいのではないないかと思いますよ。