NIGHT_SHIFT (B級映画&ゲーム雑感 上井某BLOG)

上井某(家主)が観た「B級映画」(主にホラーとサスペンス)の感想と、たまにゲームとかアニメとかについてつらつらと語るブログです。

映画感想:「死霊院 世界で最も呪われた事件」(60点/オカルト)

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■■■「死霊院 世界で最も呪われた事件」■■■
(60点/オカルト)

 2004年のルーマニアで、アデリーナという23歳の修道女が、悪魔祓いという名目で3日間も水も食料も与えられないまま拘束されたうえで、死亡するという事件が発生。
 彼女に悪魔祓いを行ったディミトリ神父が逮捕される。

 事件に興味を持ち記事を書くと事なった記者のニコールは、ディミトリ神父は修道女に悪魔が取り憑いていたと信じており、また彼女が死亡したのは悪魔祓いの儀式を途中で中断されたせいで、悪魔はまだこの世から消え去っていないと証言。

 事件の詳細を調べるためにアデリーナの故郷へと向かったニコールは、そこで事件に関わった周辺の人物に話を聞くが、実際に修道女に悪魔が取り憑いていたとしか思えないような事件が発生していた事が判明していき、更には事件を追う彼女自身の周りにも、次々と異常な現象が起こり始め…



 修道女が監禁されて死亡する事となった悪魔祓いの事件を調査する事となった女性記者が、事件を追ううちに自分自身も恐るべき事態に巻き込まれていく…というサスペンス風オカルトホラー映画。

 いわゆる実話をベースとした『悪魔祓い』を題材としたオカルト作品で、いかにも「死霊館」のパクリっぽいタイトルが付いていますが、内容的に関連性も無ければそこまで似ている部分も無いような作品です。(敢えて言うなら『シスターが悪魔に取り憑かれる』って部分が共通点?)

 というか割とガチにシッカリと作られたオカルト映画なので、こんな『バッタものみたいな邦題』を付けない方が良かったんじゃないかという気が…

 お話としては、『死亡事故を起こしたエセ宗教家を糾弾するつもりで悪魔祓い殺人事件を調査しはじめた記者が、事件を追ううちに彼女自信も本物の悪魔の存在によって恐怖にさらされていく…』みたいな感じの展開。

 プロット自体は割とありがちな内容ではありますが、『宗教』や『信仰』を題材とした切り口がなかなか面白く、人間の『心の弱さ』に付け込む悪魔という存在の怖さが良く表現されているのが良い感じです。

 主人公の過去をお話に絡めることで、事件の犠牲者やら主人公やらのキャラの掘り下げを良い感じにやっており、主人公が事件に巻き込まれていく理由付けや過程なんかがシッカリと描かれているのは、構成の上手さを感じさせられましたよ。

 ただ構成は良く出来ているのですが、映画としては全体的に地味で見せ場が少ない感じがあるのは残念なところ。

 お話に山場となる部分があまりなくて緩急が乏しいせいで、全体的にちょっとテンポの悪さを感じてしまいましたよ。
 特にラストが唐突に盛り上がった割には、オチが妙にアッサリしすぎなのは不完全燃焼な印象。

 雰囲気やらプロットやら良く出来ている部分も多いので、その辺は少し物足りなさを感じてしまいました。


 総評としましては、こんなタイトルの割には『なかなか良く出来た悪魔祓いものオカルトサスペンス映画』って感じの作品です。

 観るべき要素もそこそこありますし、低予算故にやや物足りない感じの部分はあるものの、総じて悪くない一本ではあると思います。

 このところ悪魔祓いものは本作も含めて良作が続いている感じなので、そういうジャンルが好きであれば本作も一緒にチェックしておいても良いんじゃないでしょうか?