■■■「ブレイン・ゲーム」■■■
(60点/オカルトサスペンス)
FBIのベテラン捜査官のジョーと若き相棒捜査官のキャサリンは、手がかりの全く得られないとある連続殺人事件の捜査協力として、かつてのジョーの同僚で医師のジョン・クランシー博士に捜査協力を依頼する事となる。
彼は、とある理由から現役を引退し隠遁生活を送っていたものの、その優れた捜査能力と超常的な透視能力によって、警察に協力し様々な事件を解決してきたという、特殊能力の持ち主だった。
博士は、最初は事件の捜査依頼を断るものの、その事件に特別ななにかを感じた事から事件の捜査に協力する事となるが、捜査を進めて行くうちにこの事件の犯人が自分以上に強力な透視能力を持った超能力者である事に気づき…
FBIの捜査官と超能力を持った医師が協力して超能力を使って完全犯罪を犯す殺人鬼と対峙するという、サイキックホラー風味のサスペンススリラー映画。
タイトルや設定だけ聞くとイロモノっぽい印象を受けますが、アンソニー・ホプキンスとコリン・ファレルが主役クラスで共演していたりする、割とシッカリと作られたサイコサスペンス映画です。
タイトルだけ聞くと、なんとなく物凄い頭脳戦を繰り広げる知的なミステリーっぽいですが、実際の中身の方は『透視・予知の能力を持った主人公と同じような能力を持った殺人鬼が対決する』みたいな展開で、どちらかというと『地味な超能力バトルもの』みたいなお話。
ただ、そこまで超能力がメインテーマとして描かれている訳ではなく、メインのお話は人間ドラマを主軸としたサスペンスみたいな感じの展開なので、そこまでオカルトっぽさや中二病っぽさはありません。
主人公たちが謎を追っていく傍ら(かたわら)で、殺人鬼と医師がお互いの未来を予知しあう事で戦いを繰り広げていくという展開はなかなか面白いですし、サスペンスとしても思った以上にシッカリと作られている印象。
超能力の存在がそこまで万能でもなく、それでいてぞんざいになりすぎずない程度に良い塩梅でお話に組み込まれているのはなかなか上手いです。
中盤以降もちょっと予想外な展開があったりと、サスペンスとしても工夫はされているのですが、真犯人の登場や謎解きがやや唐突だし『超能力で犯人を捜す』という設定がチートっぽいので、ミステリーとしてはちょっと物足りない印象。
ただ、対決する二人の能力者である医師と殺人鬼のキャラが共に非常に良い味を出しており、好感が持てるキャラに仕上がっているのは良い感じですね。
他に気になった部分としては、医師が超能力を使う際に『未来や過去の映像がフラッシュバックのように再生される』みたいなシーンがあるのですが、このフラッシュバック映像が矢鱈と多用されすぎでちょっとウザさを感じるレベルな事。
終盤は『そのシーンはもういいよ』みたいな気分になってしまったので、もうちょっと控えめでも良かった気がします。
ラストの殺人鬼との対決も妙にアッサリしすぎで、ちょっと物足りなさを感じたので、その辺はもうちょっと派手な演出があっても良かったかも?
オチの落としどころとかは割と良かったと思うので、人気が出て続編とかが作られたら、また観てみたいと思う程度の作品ではありました。
総評としましては、『まあまあ良く出来たサイキックものサスペンススリラー映画』って感じの作品ですね。
本格ミステリーみたいなのを期待してると肩透かしを食らわされるかもしれませんが、総じて面白く楽しめる程度の内容ではあったので、気になるのであればチェックしておいても損はないでしょう。
アンソニー・ホプキンスやコリン・ファレルといった名優目当てで見てもそれなりに楽しめる作品だと思いますので、『超能力犯罪捜査』とかそういうジャンルが好きならば割とオススメできる一本ではないかと…