NIGHT_SHIFT (B級映画&ゲーム雑感 上井某BLOG)

上井某(家主)が観た「B級映画」(主にホラーとサスペンス)の感想と、たまにゲームとかアニメとかについてつらつらと語るブログです。

映画感想:「カッターヘッド 真夜中の切断魔」(45点/サスペンス)

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■■■「カッターヘッド 真夜中の切断魔」■■■
(45点/サスペンス)

 湖畔の別荘へと旅行に出かける事となった、夫のショーンと妻のローラ、幼い2人の娘たちからなる4人の家族。
 ショーンが仕事で出発が遅れこととなった事から、妻のローラは娘たちマディとケイラと共に、先に別荘に向かう事となる。

 別荘に到着した彼女は、付近の住人でこの辺りの警備をしているというオーウェンという若者から、かつてこの屋敷に住んでいた知能に障害を持ったジョンという青年が行方不明になったという事件があったという話を気かされる。

 不気味なものを感じつつも夫の到着を待って準備を始める彼女たちだったが、夜に末娘のマディが腹痛を訴え嘔吐するが、その吐しゃ物の中から「ハロー」と書かれた布辺を発見。

 マディが森の中で『何者かが準備していたお茶会のお菓子を食べた』という事を知られらたローラは、自分たちを狙う何者かの存在に気づき娘らとともに別荘から脱出しようとするが…



 森の奥の別荘に訪れた3人の母娘が正体不明の殺人鬼によって命を狙われるという、サスペンススリラー映画。

 『真夜中の切断魔』なんていかにも怖そうなサブタイトルが付いているのでなんとなくスラッシャーホラー的な印象を受けますが、実際の中身の方は『母と幼い娘の二人が森の中の別荘で正体不明の殺人鬼に命を狙われる』という、どちらかというと閉鎖環境を舞台としたスリラー色の強い作品ですね。

 メインのタイトルにしても「カッターヘッド」なんてタイトルの割には、頭を斬られて死ぬのは本編中で一人きりですし別に頭に刃を付けてるような奇抜なデザインの殺人鬼が出てくる訳でもないですし、メインタイトルとサブタイトルを含めてなんか拍子抜けのタイトルという印象です。

 タイトルの話はさておき、お話としては『主人公たち母娘が闇に包まれた森の奥の別荘で、正体不明の殺人鬼からさまざまな脅迫(というか嫌がらせ)や襲撃を受け、絶望と恐怖のどん底に叩き落されていく…』というようなストーリー。

 殺人鬼の『嫌がらせ』というか『怖がらせ方』がツボを押さえた作りになっており、恐怖演出としてはなかなか良く出来ているのは良いですね。

 主人公たちが徐々に救いのない絶望に落ちていく様子も、丁寧に描かれていてそこそこ緊張感があります。

 また、レザーっぽいマスクを被った殺人鬼のビジュアルがなかなか不気味で、意外と良い味を出しているのも良い感じ。

 ただ演出や雰囲気は良いのですが、ホラー映画として面白いかと言われると正直言って微妙なところなのが困りもの。

 ホラーを良く見る人なら、『メインの登場人物が母と幼い娘2人の3人』という辺りから『なかなか犠牲者が出ないでダラダラと引っ張る展開が続くんだろうな』と想像がついてしまうと思うのですが…
 大方の予想通りに『ビビらせて引っ張るだけ』のシーンが長くて、全体的にダラダラとしてメリハリに欠ける感じになってしまっているのは観ていて辛いところ。

 犠牲者の数が少ないので見せ場も少ないですし、閉鎖環境が舞台のためお話の広がりも薄いですし、お話として全体的に小ぢんまりとしすぎな印象です。

 殺人鬼のキャラクターもあまり魅力が感じられず、何度も引用される『絵本』のネタもそこまで面白味が無く印象に残らないですし、狙っている方向性や描きたい方向や分かるのですが、どうにもパンチの弱さが目に付く作品でしたよ。


 総評としましては、ツマんなくはないんだけど『いま一つ見せ場に欠けて物足りない感じのサスペンススリラー映画』という感じですかね。

 殺人鬼が主人公たちを『怖がらせる』ための演出やら、お話のオチとかの落としどころ等…といった悪くない部分もあるのですが、それを差し引いても物足りなさの目に付いてしまう感じの作品でした。

 でもまあ推すほどの内容ではないですが、それなりに観るべき要素もあって暇つぶし程度に観るのであれば悪くない出来の作品ではあると思うので、気になっているのであればチェックしてみても良いかもしれませんよ。