NIGHT_SHIFT (B級映画&ゲーム雑感 上井某BLOG)

上井某(家主)が観た「B級映画」(主にホラーとサスペンス)の感想と、たまにゲームとかアニメとかについてつらつらと語るブログです。

映画感想:「ヘレディタリー 継承」(70点/オカルト:結構オススメ)

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■■■「ヘレディタリー 継承」■■■
(70点/オカルト:結構オススメ)

 グラハム家の祖母であるエレンが他界。

 母との関係があまり良くなかった娘のアニーは複雑なものを感じつつも、夫のスティーブン、高校生の息子のピーター、幼い娘のチャーリーと共に哀しみを受け入れて新たな生活を始めようとする。

 しかしそれ以降、祖母と仲の良かったチャーリーは奇妙な行動が目立つようになっていくが、そんなある日、家族の元に恐ろしい『事故』が発生し、それを契機として家族の関係は修復不可能なレベルに崩壊していく。

 更には、亡くなった祖母の残した恐るべき『秘密』が明らかになっていき…



 亡くなった祖母から家族に継承された恐るべき『何か』によって一家が想像を絶する恐怖にさらされるという、オカルトホラー映画。

 昨年劇場で公開されて、ホラーファンの間では『メチャクチャ怖い』という事で話題になってた作品だったのですが、『全くレンタルに来ないな…』と不思議に思っていたら、実はTSUTAYAのレンタルとネット配信のみ先行で販売開始されていました。
 そんな訳で、遅ればせながら鑑賞。

 なんというか、確かにコレは評判通りに『怖い!!』というか、それ以上に『辛い!!』、そして『長い!!』というのが正直な感想の作品ですね。

 とにかく、演出もストーリーも含めてひたすら重苦しい内容で、観ていてのストレスがハンパありません。

 最初から最後までのほとんど全てのシーンが、長まわしのカットを使った不安をあおるような重苦しい演出なのに加えて、ストーリーの方も明らかに救いが無さそうな家族崩壊ドラマを主軸としたヘビーな展開のため、中盤あたりから見続けるのが本気で辛くなってしまいましたよ…

 おまけに、そんな重苦しいホラー映画のくせに尺が2時間強もあるので、とにかく観ていて物凄く疲れます。

 またオカルト要素よりも(特に序盤は)サイコホラー的な要素が強めで、かなり精神的にダメージが来るような部分が多いため、若い人とかが見たらトラウマになること必至なんじゃないかと…

 割とガチで、情緒不安定な状態の人だと途中で気分が悪くなる恐れがあるので、観るならば精神に余裕があるときに観る事をオススメします。(自分は本気で途中で再生を一時中断したくなりました…)

 ただ、観てて『辛い』映画ではあるのですが、ホラー好きであるならば非常に見どころやら観るべき要素の多い作品なのも事実。

 重苦しく不気味な演出も非常に良く出来ていますし、主人公の作るドールハウス』を意識した箱庭的な描写なんかも、なんとなく何ものかから支配されているような雰囲気とかを感じさせられて面白いです。

 序盤~中盤のサイコスリラー的な重苦しい展開の絶望感も凄まじいですし、それに対して終盤のお話が動き始めてからの展開は非常にテンポが良くて、なかなかに爽快感があるのも好感触。
 加えてラストの『ヤケクソ気味の怒涛の展開』も、色んな意味でインパクトがあって良い感じです。

 ただ、前述のとおり全体的にとにかく尺が長めで、特に序盤~中盤にかけてが長まわしの演出が矢鱈と多くて、当社比で視聴時間が体感1.5倍ぐらいに感じられるレベルのため、観ていてちょっとダレ気味になるのが辛いところ。

 あと、オカルト要素がお話に絡んでくるのが割とお話の後半で、特に核心である『継承』の部分にたどり着くまでが非常に長いため、オカルトの部分に期待しているとちょっと『思ってたのと違う』という感じになってしまうかも?

 またややネタバレになってしまいますが、ラストの『どう考えてもバッドエンドなんだけど妙に爽快感のあるオチ』はなかなか良かったと思うのですが、矢鱈と説明的なセリフのせいで妙に安っぽくなった印象もあったので、最後の説明は無理に無くても良かったんじゃないかなぁ…


 総評としましては、前評判どおりに『とにかくヘビーで恐ろしい内容のオカルトホラー映画』という感じの作品ですね。

 重くて辛すぎる内容のため万人にはオススメしかねますが、ホラー好きならば色々な意味で『間違いなく観ておく価値のある一本』だと思います。

 ただ精神的に疲れている人やら、トラウマをエグられるような作品が苦手な人にはあまりオススメしませんので、観る場合は心に余裕がある時に観ることをオススメしますよ…
 (自分は『この作品は逃げ場のある自宅で観て良かった』と感じたような映画でしたよ…)