■■■「スネーク・アウタ・コンプトン」■■■
(50点/モンスター)
アメリカのスラム街であるコンプトンで暮らすラッパーのキャムとその仲間たちは、ラップバンドとして大手レコード会社のスカウトの目に止まり、そのオーディションを受ける事となる。
しかしオーディションを控えた前日に、誤解から悪徳刑事によってキャムが逮捕されてしまうという事件が発生し、仲間たちは彼を釈放する保釈金を手に入れるために強盗を計画。
そんな矢先に、科学オタクである彼ら友人のバーケルが、偶然拾った大蛇の子供に成長促進ビームを浴びせてしまったことから、彼らの目の前に超巨大化した大蛇までが出現し、街はやがて大混乱へと陥っていくのだった…
スラム街で暮らすメジャーデビューを目指すラッパーとその仲間たちが、ひょんなことから超巨大化した大蛇と戦うこととなるという、コメディタッチのモンスターパニック映画。
冒頭で、いきなり「スネーク・フライト」のラストシーンのパロディ的なシーンとかがあったりしますが、当然ながら特に「スネーク・フライト」とは関係のないお話です。
まあ、冒頭がいきなり他の映画のパロディシーンから始まる辺りからも分かるように、ギャグとかコメディ風味が強めのモンスターパニック映画という感じの作品ですね。
お話としては、『とあるラップチームの面々がメジャーデビューを夢見てオーディションを受ける事になるんだけど、借金取りや悪徳刑事といった予想外のトラブルによって彼らの計画は難航、更には科学オタクの友人が作りだした超巨大化した大蛇までが出現してしまい…』といった感じのストーリー。
基本的にドタバタ系のコメディという感じの内容で、いちいち要所要所でしょうもないギャグとか、何かにつけてラップ対決のシーンとかが挿入されるという、なんとも馬鹿馬鹿しいノリの作品です。
コメディ要素が強めの内容…というか、大蛇こそ登場するもののホラー要素は皆無に等しいので、普通のモンスターパニック映画のノリを期待すると肩透かしも良いところなのですが…
そもそも、このパッケージからマジメなホラーを期待する人は居ないと思うので、特に問題はないかもしれません。
お下品系のネタの多いギャグとかラップ対決とか、全体的に非常にしょうもないノリなのですが、そこそこネタのテンポも良くてそこまで寒くて見られないに酷い訳でもなく、まあそれなりに笑える要素もあったりするので、観ていて苦痛にならないレベルなのは良い感じ。
中盤あたりまで大蛇の出番が少なくて、逆にしょうもないギャグの比率が高めなのでややダレる感はありますが、終盤の展開はハチャメチャすぎて結構面白いので、まあまあ許せるかな…といった印象。
特撮もメチャクチャチープですし、ストーリーもツッコミどころ満載ですが、そもそもお話の整合性やらモンスターの迫力やらを求めるようなノリの作品でもないので、そこまで気にはならないですしね…
(まあ、気にならないってだけで『駄作』であることには変わりは無いんですけど…)
あとネタバレになりますが、ラストでミサイルでも倒せない大蛇相手に何故か『ラップ対決』を始めてしまう主人公たちの徹底っぷりには、流石にちょっと笑ってしまいました。
色んな意味で『徹底してること』ってのは重要だなと感じましたよ。(笑)
総評としましては、B級どころかD級レベルの良い意味でも悪い意味でも『物凄くくだらない超低予算モンスターホラー映画』って感じの作品です。
基本的にくだらない内容ではあるのですが、もともとが『ネタ映画』として作られている事もあって、観れるレベルの超低予算映画にはなっている印象ですね。
オススメするほどの内容でもないですが、息抜きに観るバカ映画としてなら観れるレベルの作品ではあると思うので、超低予算系のバカ映画を観たくなった場合なら選択肢としてアリかもしれません…