■■■「エヴァンジェリスタ 悪魔受胎」■■■
(40点/オカルトっぽい何か?)
ニューヨークに暮らすサマンサとクレイグの夫妻は、子宝に恵まれない事から医師に相談を受けたところ、体外受精を受けてみる事を薦められる。
医師の薦めのままに、郊外にあるレイクビューという街の病院で検査を受け体外受精の手術を受けた彼女は、無事に双子の赤ちゃんを身篭る事となる。
妊娠を喜んだ彼女だったが、妊娠してから彼女の身の回りでは、隣人が突然失踪を遂げたり、フード付きの服を着た不気味な男に後を付けられたりといった、奇妙な事件が起こり始める…
体外受精を行った女性が、悪魔の子供を妊娠してしまった事から体験する恐怖を描いたオカルトホラー映画。
悪魔の子供を身篭ると言うと、名作オカルトホラーである「ローズマリーの赤ちゃん」を思い出しますが、あそこまでオカルティックなノリの映画ではなく遺伝子操作とかも出てきてどちらかというとむしろSFチックな設定。
って、『悪魔って遺伝子操作で作れるもんなの!?』とか思ったら、太古の昔に地上にルシフェルが舞い降りた時に一人の騎士がその首を切り落として殺してしまい、その際に流れた血を教会の一派が保存していたとかって、もっともらしい設定が一応準備されては居ました。
と言っても、そもそも『何のためにそんな物の血液なんか保存しとったんじゃい?』とか、『悪魔の遺伝子核を人間の受精卵に移したからといって、そう簡単に悪魔が生まれるんかい?』とかツッコミどころは満載されたままで、細かいところにいちいちツッコんでたらキリが無いので、その辺は割愛。
妊娠してから主人公の周りで起こる奇妙な現象や、街の住人たちの怪しい振る舞い、彼女を付け狙う怪しい影といった、サスペンスムードの前振りはなかなか雰囲気が良く、序盤は『結構面白いのでは?』と思って見てたら…
前振りと思ったノリが90分ぐらい続いて、『オイオイ、幾らなんでも前振り長すぎだろう』と思い始めた瞬間に、いきなりクライマックス!!
そしてなんの盛り上がりも無いままに、そのまま意味不明のオチへ…
あれ? なんか俺、この映画にソックリな雰囲気の映画を観たことがある気が…
ああそうだ、ジョニー・デップの出演してた「ノイズ」って映画にソックリなんだ!!
宇宙人と悪魔という設定の違いはあるけど、主人公の女性が双子を妊娠するんだけど実はその正体は…とかって展開とか、何が言いたいのやら意味不明のオチとか、各所のテイストが瓜二つですよ…。
って、「ノイズ」も大概ツマんない映画でしたが、そもそもツマんない映画をツマんないままパクってどうするのよ!?
そもそも、ジョニデの居ない「ノイズ」に一体何の価値が!!
総評としましては、オカルトにもサスペンスにも成り切れてない、なんとも中途半端で退屈な印象を受ける、普通にツマんない映画です。
予告編は結構面白そうなのでちょっとだけ期待してたのですが、まんまと騙された感じです。
気になってる人も、回避の方向で間違いないかと…
現代版「ローズマリーの赤ちゃん」みたいな秀逸なオカルトホラーを期待してると、あまりの下らなさに卒倒しそうになります。
実際私は途中で2回ほど卒倒して意識を失いましたよ!!
いや、ホントはあんまりにもツマんなくて途中で寝てしまっただけなんですが…
「ノイズ」を観た事がある人なら、アレに匹敵するぐらい退屈な映画を想像すれしておけば概ね間違い無いかと…
(って、こんな比喩に使われる元映画ってのも何だかなぁ…)