■■■「惑星「犬」。」■■■
(75点:変な動物映画?)
家庭の仕事の都合から引越しが多く、友達が出来ない少年・オーウェンは、夏休みに父親の仕事を手伝ったご褒美として、犬を飼わせてもらう約束をしていた。
8月の終わりに、さっそく保健所へ目ぼしい犬を引き取りに行った彼は、そこで一匹の愛想の無いテリアに出会い、彼にハブルと名前を付け飼い始める事となるが、異常なほどの彼の利口さに驚かされる。
そんなある日、ハブルがこっそりと夜中に家を抜け出して不思議な機械を使って宇宙と交信している姿を目撃。
ひょんな事からハブルの言葉が分かるようになった少年は、実は『地球上に居る犬達はシリウス(犬狼星)から侵略の為にやってきたエイリアン』で、ハブルは『地球の犬達の地球支配の進行状況を確認する為に来た監査官』であると言う驚くべき事実を知らされるのだった。
大概の人が『何じゃ、その変な設定の映画は!?』と感じるかもしれませんが…
私もレンタルビデオ屋でパッケージを見た瞬間から、余りの変な設定に物凄い気になっていたタイトルだったりします。
設定の変さに負けず劣らず内容も変な映画で、小型のUFOに乗ってテリアが宇宙からやってくるという何ともシュールな絵面のシーンに始まって、犬達が実は宇宙からの侵略者で、人間が犬を飼ってるように見えるのは実は犬に良いように世話をさせられているだけだった…という馬鹿馬鹿しい設定。
(っていうか、その肉球の手でどうやって宇宙船を作ったんだよ!?)
これがアニメとかで製作されてたらそこまでインパクトも無かったのでしょうが、実写映画でこの映画を撮ってしまおうって辺りに監督のセンスの凄さを感じます。
犬達の会話や演技は見てて可愛いというよりもむしろ滑稽で笑えますし、ハブル(テリア)のしょんぼりした外見と、マシュー・ブロデリックの妙に尊大なんだけどちょっと貧相な感じの演技が非常にマッチしてて良い感じです。
サブキャラクターの犬たちも非常に個性的で良い味を出していますし、何気に主人公の子役俳優の演技もなかなか上手くて、パッケージや初見の印象とは違ってごくごく普通に見れる内容でした。
まあストーリーの方は、割と新味の無い(といっても設定は変だけど)タイプの『ちょっと心温まる話』みたいな内容で、そんなに盛り上がるシーンも滂沱するほど感動するシーンも無いですが、『家族向け映画としてはこんなもんかな?』といった感じでしょう。
総評としましては、日本では全く泣かず飛ばずのタイトル(っていうか、劇場公開されてたんだろうか?)でしたが、意外に良く作られた家族向けコメディ映画でした。
別に犬好きとかに関わらずに、ごく普通に楽しめる映画だと思います。
アホな設定に心惹かれたら『まあ観ておいても損は無いかな?』って程度のタイトルでしょう。
家族一緒に観るタイプの映画としては、結構お勧めです。
「スチュアートリトル」とかもそうでしたが、どうやら私は『動物映画が好き』と言うよりも、『変な動物の出てくる映画が好き』なようで、この映画も個人的には相当楽しめました。