■■■「渋谷怪談」■■■
(25点/Jホラー)
女子大生のリエカは、ある日友人2人と一緒に、出会い系サイトで知り合った男子大学生ら3人と一緒に山間のキャンプ場で合コンを行うが、その際に男子学生の一人がふざけて水子地蔵の首を折って壊してしまうが、それ以来、彼女達の周りでは不気味な現象が次々と起こるようになる。
彼女達は怪現象の原因は水子地蔵を壊した祟りだと考え、祟りを収める為に再びキャンプ場へと赴くが…
いわゆる、「リング」や「呪怨」のヒットを受けたホラーブームに乗って作られた都市伝説をモチーフとしたJホラー作品の一つ。
なんつーかこの映画、とにかく序盤がダルいんですよ。
主人公達が出会い系サイトで出会った男女6人とかって設定のせいもあって、あまりにもアホっぽくてマジに観ててムカつきますし、特に序盤は何かと引っ張るネタが多くてなかなか事件が起こらないので『もういいから、お前らとっとと死ねよ。』とか真剣に思ってしまう程です。
しかし、単なる幽霊系のホラーかと思いきや中盤辺りからはなかなかに意外な展開が待っており、実はアホっぽいのは『現代の若者の空虚な人間関係を描く為の演出』だったりと、侮れない深さのある映画だったりします。
内容も、いわゆる都市伝説をモチーフとしたホラーとなっている訳ですが、単なる『祟りもの』と思わせておいて実は…という意外性を衝いたストーリーテリングも、なかなかに凝ってます。
……とかって書くと、『意外と面白い映画なのかも?』とか思われそうですが、いやいやハッキリいって、全然、ちっとも、さっぱりそんな事はありません。
マジにダルくてツマんなくて色んな意味で辛い映画です。
恐怖シーンも「リング」とか「呪怨」の演出のまんまパクりでなんの捻りもありませんし、ストーリーやオチも月並。
貞子や伽椰子に対抗して『サッちゃん』なるオリジナルキャラを輩出してますが、このキャラも単なるプチ貞子にしか見えなくて全く個性が無いです。
そして、特に何が辛いって、あんまりにもあんまりな低予算っぷりがモロに分かってしまう事。
海外の低予算映画って、低予算といいつつも日本の普通の映画が撮れる程度にお金がかかってたりする事が多いんですが、日本の低予算映画って『ホンッッッとに低予算』で作られてるんですよね…(いやまあ、物にもよりけりですが)
何と言いますか、霊に首を折られるシーンとかも『どう見ても、自分で首を後ろに曲げてるだけじゃん』とか、ひいき目に見ても1万円ぐらいしか予算のかかって無そうな小道具とかを使って怖がらせようという演出とか、もう怖いとかを超越して『悲しい気分』になってきますよ。
総評としましては、物凄くどうでもいい感じの乱発Jホラーの1本としか言いようが無いような映画です。
少なくともお金払ってみる映画じゃないので、TVとかで放映されててタダなら観ても良いかも?って程度の作品です。
最初から『ああ、なんかパクり映画やってるなぁ…』程度の認識で観れば、それなりに我慢できるかも?
一応続編の「渋谷怪談2」も観たけど、そっちも同じぐらいどうでもいい(1よりは普通にお金がかかってそうで辛さは軽減されるけど)ので、多分感想はアップしません。
っていうか、この映画に続編が作られるほど人気があった事が驚きだよ……
ちなみに、同タイトルのTVシリーズで「渋谷怪談 サッちゃんの都市伝説」というショートシリーズがあるのですが、こちらは意外に秀作。
1話完結で尺が10分程度と短めの短編の心霊実話っぽいノリは深夜にちょっと観るのには非常に相性が良く、『怖い話』系の本とかが好きな人なら結構ハマると思います。
映画版の2000倍ぐらいは面白いので、コッチは機会があれば鑑賞してみる事をお薦めしますよ。