NIGHT_SHIFT (B級映画&ゲーム雑感 上井某BLOG)

上井某(家主)が観た「B級映画」(主にホラーとサスペンス)の感想と、たまにゲームとかアニメとかについてつらつらと語るブログです。

映画感想:「デッド11 -復活ナチゾンビ軍団-」(50点/モンスター)

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■■■「デッド11 -復活ナチゾンビ軍団-」■■■
(50点/モンスター)

 1918年のフランス。
 第一次世界大戦の末期に、ドイツ軍が後退して放棄したアルゴンヌの森の奥にある『第11塹壕』に、ドイツ軍の秘密兵器の研究施設が建造されていたという情報をイギリス軍の情報部が入手。
 彼らはアメリカ軍と協力して『第11塹壕』の調査へと赴く事となる。

 塹壕の仲間で同士討ちしたような奇妙な形跡に不審なものを感じつつも、厳重に封鎖された扉の奥へと侵入したところ、野獣のように凶暴化したドイツ兵の襲撃を受ける。

 ドイツ兵たちが、ドイツ軍によって作り出された謎の寄生虫により凶暴化して怪物と化した事を知った彼らは、感染の拡大を防ぐためにこの場所を爆破しようとするが、時を同じくして情報の漏洩を恐れたドイツ軍の特殊部隊も『第11塹壕』へと向かっていたのだった…



 第一次世界大戦の末期にドイツ軍によって作り出された『人間をソンビ化する寄生虫』の拡散を防ぐため、アメリカ軍とイギリス軍が協力して秘密基地を爆破しようとする…という戦争アクション風味のモンスターホラー映画。

 大体、戦争を舞台にしたゾンビものというと第二次世界大戦ナチスを題材にしたものが多いのですが、本作は珍しく第一次世界大戦を舞台にしたゾンビ映画ですね。

 というか、タイトルに思いっきり『復活ナチゾンビ軍団』とか入ってるのですが、ナチスが結成されたのは第二次大戦の少し前の1930年台なので、第一次世界大戦の末期を舞台にした本作にナチスが登場する訳が無いのですが、邦題を付ける人は流石に適当にタイトルを付けすぎではないかと…
 (『復活』どころか結成されてすらないだろ、ドイツだと何でもナチスって付ければ良いってもんじゃないぞ…)

 まあ邦題へのツッコミはさておき本作の中身の方はというと、タイトルのアレな感じの割には『意外とシリアスな戦争アクションもの』といった感じの作品です。

 お話としては、『ドイツ軍の放棄した塹壕に秘密の研究施設があると知ったイギリス軍とアメリカ軍が、研究の内容を調査するために協力して塹壕に侵入したところ、塹壕の中に閉じ込められていたゾンビ軍団に遭遇する…』みたいな感じの展開。

 いかにもテンプレートに乗っ取った『ゾンビもの』っぽい展開のお話ですが、実際の中身の方はゾンビ要素はそこまで強く無くて、米軍と英軍の内輪もめ的な話があったり、独軍が研究を隠蔽するために塹壕を爆破しようとして特殊部隊を送り込んで来て戦闘になったりとか、『戦争を題材としたアクションというかサスペンス』というテイストの強い内容です。

 逆にゾンビ要素はそこまで強く無くて、そもそもラストまで含めて登場するゾンビの総数よりも普通の人間の数の方が多いぐらいのイキオイ。

 ゾンビも単に『凶暴化しただけの人』という感じで特に打たれ強い訳でもなんでもないため、割とサクサクとやられてしまうのでゾンビ映画としてはあまり見応えはありません。

 ただ『噛まれると感染する』という性質はキチンと残っているので、『ドイツ軍の作り出した危険な伝染病』と『その拡散を阻止しようとする特殊部隊』との闘いという感じのノリがメインという感じのお話ですね。

 ゾンビ要素は薄いですがサスペンスホラーとして見るとそこまで悪い出来でもなくゾンビの寄生虫を作り出した科学者のマッドっぷりなんかも割と良い味を出していますし、米、英、独軍の三つ巴の戦いから最終的に『協力しあってゾンビの拡散を食い止めようとする』というノリも、コテコテながらもなかなか悪くは無い印象。

 ただお話そのものは悪くないのですが、前述のとおりいかんせんゾンビの出番が少なくて、戦闘とかも非常に地味なせいで全体的に盛り上がりに欠けるのが残念なところかなぁ?

 山場となるシーンが少ないせいで、いま一つ作品のテンポも良くないですし、ベースとなる部分は悪くないんだからもうちょっとゾンビとの派手な戦闘とか見せ場となるシーンでもあれば、もっと楽しめる作品になったと思うので、その辺はちょっと残念な部分ではありますよ…
 (まあ、予算の都合もあるのでしょうけど…)


 総評としましては、物足りない部分も多いものの『まあまあ悪くは無いゾンビもの戦争アクション映画という感じの作品ですね。

 ゾンビものとして期待してると肩透かしを食らうかもしれませんが、戦争ものとして見るとそこそこ観れるレベルの内容にはなっていると思うので、シリアス系のノリのゾンビ映画が好きならばそれなりに楽しめる内容ではないかと…

 特にオススメするほどではないですが、まあその手のジャンルが好きで気になるのであればチェックしてみても良いって程度の作品かもしれません。
 (慌てないのであれば、ネット配信とかを待っても良いかもしれませんが…)