NIGHT_SHIFT (B級映画&ゲーム雑感 上井某BLOG)

上井某(家主)が観た「B級映画」(主にホラーとサスペンス)の感想と、たまにゲームとかアニメとかについてつらつらと語るブログです。

映画感想:「THE MUMMY/ザ・マミー 棺の中の少女」(65点/オカルト:結構オススメ)

■■■「THE MUMMY/ザ・マミー 棺の中の少女」■■■
(65点/オカルト:結構オススメ)


 カイロで駐在するアメリカ人のTVレポーターのチャーリーの一家で、幼い娘のケイティが何者かに誘拐されるという事件が発生。
 娘が行方不明のままエジプトを去りアメリカへと戻る事となった一家は、そのトラウマを抱えたまま生活と続ける事となる。


 しかし、それから8年後。
 小型飛行機墜落現場で発見された『古代の棺』の中から、棺に閉じ込められた状態で変わり果てた姿のケイティが発見される。


 トラウマと衰弱から怪物のように変わり果てた姿の彼女を看護する家族だったが、ケイティはまるで悪魔に取り憑かれたかのように異常な行動を繰り返し、家族を恐怖のどん底へと突き落としていく。


 一方、チャーリーは失踪中のケイティに何が起こったのかを突き止めるために独自に事件の謎を追うが、やがて恐ろしい『古代エジプトの呪い』の存在が明らかになっていき…

 


 『古代エジプトの悪魔』の呪いをかけられた少女が、その恐るべき呪いによって一家を恐怖のどん底に叩き落とす…という、オカルトホラー映画。


 『ザ・マミー』というタイトルから、てっきりユニバーサルの『ザ・マミー』シリーズに関連のある話(ダークユニバースシリース)なのかなと思いきや、ユニバーサルではなくて良作ホラーでお馴染みのワーナーの『ブラムハウス』による作品で、シリーズどころか『神官イムホテップ』とかとも特に関係のない、まったく別の作品です。


 ちなみに本作は『ナスマラニアン』という古代エジプトの悪魔が題材となっており、内容的にも『ミイラ再生(ミイラの復活)』というよりも『悪魔憑き』がメインのお話という印象。


 お話としては『行方不明になって8年後に石棺の中から発見された少女が、実は古代の悪魔に取り憑かれており、再会した家族を恐怖のどん底に陥れていく』みたいな感じのストーリー。


 基本的には『悪魔憑きの少女』を題材としたお話なのですが、全体的にゴア描写が強めで、『噛みつき』や『皮剥ぎ』等と言った矢鱈とイキオイのあるグロ描写を連発して、予想以上に楽しませてくれます。


 単純にグロ描写だけじゃなくて、悪魔憑き少女の『邪悪さ』やら、その影響で一家崩壊の危機に陥っていくという展開も、絶望感が良く出ていてなかなかに悪くない印象。


 ただ『悪魔憑き』らしく、グロ(血しぶき)だけじゃ無くてゲロとかも連発(ついでに『貰いゲロ』する人も居るし(笑))してくれて、色んな意味で『気持ち悪い作品』ですので、そういうのが苦手な人にはちょっと厳しいかもしれません。


 ちなみにホラー映画にしては珍しく、尺が135分もあるという割とボリュームのある作品になっているのですが、話の半分ぐらいは『8年前に少女に何が起こったのか』という事件の真相を追う『謎解きパート』となっています。


 長尺をたっぷり取って謎解きが行われるだけあって、ストーリー自体も気合が居愛っていて面白いですし、設定も非常にシッカリと作り込まれていて、独立した一発ネタ的な『ミイラ映画』としても違和感のないお話になっているのですが、逆にやや『テンポの悪さ』を感じてしまう部分があるのは、ちょっと気になるところかなぁ?


 あと、ややネタバレになるのですが…
 終盤の怒涛の展開はなかなか熱いのですが、ラストがホラー映画としてはちょっと『キレイに終わりすぎている』感もあって、個人的にはやや物足りなさを感じてしまったのは残念なところかも…

 


 総評としましては、普通に完成度の高い『気合を入れて作られた良作のオカルトホラー映画』って感じですね。


 予算もシッカリとかかっており映像にも迫力がありますし、グロ描写も気合が入っていてイキオイのある作品ですが、逆に『ミイラ要素』に期待していると意外と薄めですので、モンスターホラー的なノリ(ミイラ復活とか)に期待しているとやや肩透かしを食らうかも…


 でもまあ、それを差し引いても普通に楽しめる内容ですし、『グロ系の悪魔憑き映画』というジャンルが気になるようであれば、チェックしておいて損は無い一本だと思いますよ。

 

映画感想:「夜勤事件」(55点/オカルト)

■■■「夜勤事件」■■■
(55点/オカルト)


 郊外の古びたアパートで暮らす苦学生である女子大生の結貴乃は、割の良い時給に惹かれて深夜のコンビニでバイトする事となる。


 ルーチンに沿って日々のコンビニ業務をこなす彼女だったが、誰も居ないのに入店チャイムが鳴ったり、様子のおかしい客が来店したり、奇妙な人影を目撃したりといった謎の現象が続発。


 更には『不気味な動画ファイル』の収められたSDカードが連日のように送られてきた事から、徐々に不安感を募らせていくが…

 


 とある女子大生がコンビニで深夜バイトを始めたところ、そのコンビニは恐ろしい事件にまつわる『呪われた場所』だった…という、オカルトサスペンス映画。


 同名のアドベンチャーゲームを題材にしたホラー映画で、「きさらぎ駅」やら「リゾートバイト」といった『ネタ系オカルト映画』をよく撮る事で有名な永江二朗監督による新作としたなのですが…


 いつもの永江監督の作品とは違って、変な怪異も登場しないですし、唐突なバトル展開にも突入し足りする事もなくて、ゲームの雰囲気を壊すことなくゲーム版に割と忠実に作られた作品という感じですね。


 「夜勤事件」はプレイした事は無いものの、配信とかでプレイ動画を観てだいたいのゲームの雰囲気やらストーリーは知っているのですが、ホラー演出や画面演出も含めてゲームのテイストを非常に意識して映像として再現する事に力を入れた作品という印象。


 郊外や田舎町にありがちな『薄暗い深夜のコンビニ』の不気味なテイストも良く出ていますし、主人公の『主観』的な視点で怪奇現象を体験していくというプロセスもなかなか良く再現されています。


 ただ、テイストを再現する事に注力するあまり、モブキャラが思いっきりゲームっぽい同さで『直立不動の棒立ち』で喋ったり、『矢鱈と棒立ちでスタスタと歩き去っていくシーン』があったりと、ゲーム再現がちょっと笑えるレベルになっているのは、いかにも永江節という感じで面白いです。(これゲームの元ネタを知らないと、意味不明すぎる演出だろ。(笑))


 ホラー描写は、『謎の子供の霊』やら『髪の長い女の霊』が登場したり、『呪いのSDカード(ゲーム本編ではビデオ?)』が登場したりと、『良くあるJホラーっぽいテイスト』ではあるのですが、そもそもゲーム自体が『良くあるJホラーっぽいテイスト』を意識して作られた作品ですし、演出自体は普通に怖いのでまあまあ悪くない印象。


 また中盤以降はゲームとは結構違う展開に突入して、その中に事件の真相に迫る謎解き要素なんかも盛り込まれており、『原作どおりだと間延びしそうな部分』を上手くアレンジしたな…と感心させられましたよ。


 ラストの妙に『後味の悪い展開』へのアレンジは、やや好みの分かれそうな部分だと思いますが、個人的には『B級ホラー映画らしいまあまあ上手い落としどころかな?』という印象。
 むしろ、ちょっと投げっぱなし的な終わり方なのが、少しだけ気になったかなぁ…
 (主人公の行動とか『ホントにそれでいいのか?』みたいな感じですし、時系列もいま一つ良く分からないですし、メガネのバイトくんの扱いとか最後まで物凄い微妙なままですし…(笑))

 


 総評としましては、『普通に楽しめるレベルのB級オカルトサスペンス映画』って感じの内容ですね。


 特筆する部分はあまり無いものの『手堅い作りのJホラー映画』という感じの内容ですし、ゲーム版とかを一切プレイした事が無くても全く問題の無い作りになっているのは良い感じかと。


 またゲーム版を知っていれば、ゲームのシステムやストーリーの『映画への落とし込み』の上手さが楽しめる内容だと思いますので、原作が好きで気になるようであればとりあえずチェックしてみても良い作品かもしれませんよ。

 

映画感想:「ポパイ・ザ・キラー」(40点/スラッシャー)

■■■「ポパイ・ザ・キラー」■■■
(40点/スラッシャー)


 1986年4月の北カリフォルニア。
 学生のオリことオリーブ・オイルは、世紀の天体イベントであるハレー彗星の接近に伴う流星群を見学するために、兄のキャスや友人たちと共に海辺のキャンプ地へとキャンプへと訪れる。


 海辺で友人たちと共にパーティを楽しむ彼らだったが、そんな矢先に彗星から飛来した隕石のカケラが、近くの海で釣りしていた老水兵のパイプへと落下。


 隕石入りのパイプを吸った水兵は、未知のエネルギーによってムキムキマッチョの怪物ポパイへと変身し、出会った若者たちを問答無用で次々と虐殺しはじめるのだった…

 


 ハレー彗星の影響で地球に降り注いだ隕石の欠片の未知のパワーによってムキムキマッチョの殺人鬼と化した水兵が、キャンプに訪れていた若者たちを問答無用で殺しまくる…という、モンスター映画風味のスラッシャーホラー映画。


 最近流行りの『著作権の切れた名作』を題材とした、いわゆる『パブリックドメインホラー映画』のひとつで、いわゆる「ポパイ」を題材とした作品ですね。


 「ポパイ」がベースと言っても、殺人鬼の見た目が『パイプを咥えたムキムキマッチョでシャクレあごの水兵』というだけで、確かに『見た目』はポパイなのですが、ストーリー的にはポパイ的な要素は何も無し。


 というか、そもそも映画そのものが『若者たちが海辺にキャンプに来たら、彗星の欠片の影響で化物に変身した水兵に襲われました』という以上のストーリーらしいストーリーが存在しない作品なので、リスペクトもクソもありません。


 映画本編も70分強という短い尺の作品なのですが、前半の30分ぐらいは『ドラッグをキメた若者たちがパーティを楽しむ様子をダラダラと見せられるだけ』でキャラの掘り下げやドラマ的なものも全くないなので、正直なところ観ていて退屈。


 逆に後半は『殺人ポパイ(化物)になった水兵が問答無用で若者を殺しまくるだけ』(本当に何の理由もなく殺して回るだけ)なので、ある意味でテンポは良くて、ぶっちゃけ前半は早送りして後半だけ観ても良いようなレベルの内容です。


 ただテンポは良いものの、ポパイによる殺害シーンも『ムキムキマッチョのパワープレイで犠牲者を八つ裂きにする』というのが殆どで、ビジュアル的にもちょっと面白味が薄いのは残念なところ。(まあ、ある意味でポパイっぽいといえばポパイっぽいんだけど…)


 でもまあ、終盤の『ポパイVSオリーブ(ヒロイン)のバトルシーン』は、なかなかバカっぽくて楽しいので、その部分だけは割と良い感じかなぁ?


 ちなみに映画の冒頭で、何故かこの映画が『実話に基づいた作品』と解説されるのですが、どう考えても実話要素は1ミリも無さそう…というか『いやいや、実話要素どこだよ!?』って感じの内容で、ある意味で面白かったです。(笑)

 


 総評としましては、『微妙な出来の低予算ゴア系スラッシャーホラー映画』って感じの作品ですね。


 全体的にパンチが弱くて面白味に欠ける内容ですし、「ポパイ」を題材にするのは良いのですが、それならそれでもう少し『ポパイを元ネタにした要素』やら『リスペクト的な要素』を入れて欲しかったな…というのが正直なところ。


 まあ馬鹿っぽくて楽しめる部分も無くは無いですし、Amazonプライムの会員であれば無料で観れるので、ネタ映画として気になるようであればチェックしてみても良いかもしれませんよ…

 

映画感想:「アリゲーター エイペックス・モンスターズ」(60点/生物パニック)

■■■「アリゲーター エイペックス・モンスターズ」■■■
(60点/生物パニック)


 女子大生のカイルは亡くなった兄の遺骨を散骨するために、親友のアリスや友人たちと共にフロリダに向かう小型飛行機に搭乗する事となる。


 しかし突然の機材トラブルによって、飛行機はアメリカ南部の広大な湿地帯に墜落。


 墜落現場が携帯電話も通じず地図にも載らないような辺鄙な場所であった事から、生き延びた面々は徒歩で近隣の飛行場を目指して移動を開始するが、その場所は実は麻薬組織のドラッグ工場からの不法投棄によって凶暴化したワニたちが大量に生息するという、恐るべき『死の領域』だったのだった…

 


 小型飛行機の事故で湿地帯で遭難した人々がドラッグで凶暴化したワニの群れに襲われる…という、生物パニック映画。


 アメリカ南部の広大な湿地帯を舞台に、凶暴化したアリゲーターの群れを題材とした生物パニック作品ですね。


 『人食いワニ』として知られるクロコダイル(イリエワニ)と違って、アリゲーターって基本的に大人しい性格で人間をあまり襲わないため、ホラー映画のネタとしては扱われ難かったりするのですが、本作では『麻薬工場からのドラッグの違法投棄で凶暴化した』という設定になっており、キチンと『群れをなして人間を襲う』事の理由が説明されているのは好感触。


 その他にも、要所で舞台となる湿地帯やらアリゲーターの生態が説明されるようなシーンがあったりと、全体的にリアリティを感じられるように非常に丁寧に作られた作品という印象ですね。


 『広大で静まり返った湿地帯』の風景やら、終盤で登場する『不気味な廃工場』など、作品の舞台となるロケーションも雰囲気の良い場所が良く練って選ばれており、全体的に観客を退屈させずに楽しませようとする完成度の高さを感じさせてくれます。


 この『丁寧な作り』は、登場人物の掘り下げ等にもシッカリと活かされており、この手のホラー映画としては割と多めの登場人物(事故の生存者)たちが、キチンと見分けられるように描かれているのもなかなか良く出来ています。


 ただ全体的に良く出来た作品なのですが、残念なのは肝心の『ワニの群れ』があまり魅力的に描かれていないという事。


 登場シーンも多くて、集団で人間を追ってくるシーンはなかなか怖いのですが、犠牲者が多い割には人間との絡みが意外と少なくて、ワニに襲われるシーンが全体的にアッサリしてて、『気が付いたら仲間が死んでました』みたいな展開が多くて、いま一つ迫力が感じられないんですよね。


 ラストの『ワニのボス(?)個体』との対決もやけにアッサリしていますし、主人公も最初から人格者すぎて成長ドラマとしても物足い感じでしたし、なんというか全体的にパンチに欠ける印象のある作品でしたよ…

 


 総評としましては、『非常に丁寧に作られたB級生物パニック映画』って感じの作品ですね。


 ただ、映画としての完成度は高いものの『本作ならでは』というような個性に乏しくて、ちょっと物足りなさの残る作品というのが正直なところ…
 『ドラッグで凶暴化したワニの群れ』という題材的にも、もうちょっとケレン味がある内容でも良かった気がします。


 まあ不満点はあるものの、映画自体は生物パニック映画としては割と良く出来た作品でしたので、この手のジャンルが好きであれば普通にチェックしておいても損は無い一本だと思いますよ。

映画感想:「神社 悪魔のささやき」(55点/オカルト)

■■■「神社 悪魔のささやき」■■■
(55点/オカルト)


 神戸の郊外で、日韓文化交流プロジェクトに参加していた大学生たちが山中の廃神社で唐突に行方不明になるという事件が発生する。


 廃神社から戻った一人のメンバーのヨンフンが錯乱していた事から、牧師のハンジュを呼んで彼を落ち着かせようとするが、ヨンフンは彼らの目の前で自殺を遂げてしまう。


 事件にオカルト的な異常性を感じ取ったプロジェクトリーダーのユミは、彼女の旧友で祈祷師であるミョンジンに助けを求め、来日したミョンジュン、牧師のハンジュ、ホームステイ先の佐藤家の人々と共に行方不明となったメンバーの捜索を開始するが…

 


 神戸の山中の廃神社に封印されていた悪鬼が解き放たれ、韓国から来た留学生たちを襲う…という、韓国製のオカルトホラー映画。


 お話としては『韓国の学生たちが訪れた廃神社には実は羅刹天の眷属の悪鬼が封印されていて、何者かがぞの封印を解いたせいで大変な事になってしまいました』みたいな感じのストーリーで、割とオーソドックスなオカルト作品という感じのストーリーになっています。


 ただ神仏習合があったとはいえ、廃神社に仏教の鬼神である羅刹天が祀られているのは流石に違和感があるので、その辺はもうちょっとシッカリと設定を練って欲しかったところ…(海外の人には分かりにくいのかもしれませんが、廃神社じゃなくて廃寺にすれば良かったのに…)


 とまあ設定とかにツッコミどころはあるものの、純粋にオカルトホラーとしてはまあまあ良く出来た印象の作品で、良く分からない土着の宗教やらロケーションとなる廃墟の不気味さなんかは良く出ており、ホラーのテイストとしては悪くありません。


 メインの題材となる『廃神社』以外にも、『神戸の地下トンネル』とかって邦画でもあまりお目にかからないようなシチュエーションの場所が登場したりして、ちょっと感心させられました。


 オカルト描写にもなかなか気合が入っており、見せ場となる残虐シーンに結構エグいものが多くて見応えがありますし、またお話の展開が非常に早くてサクサクと進んでいくため、テンポ良く楽しめるのも悪くない印象です。


 ただ、中盤以降に『ちょっと急展開すぎるかな?』と感じるシーンが多くて、終盤のストーリーがややグテグテ気味なのは気になるところ…(『悪魔に憑かれた先輩』のエピソードとか、ちょっと無理矢理ねじ込み過ぎでは?)


 あと、ちょっとネタバレになってしまいますが、終盤の『宗教バトル』的な展開やら、ラストの後味の悪い感じのオチは嫌いじゃないですけど、後味の悪い展開にしても、もうちょっと分かりやすい『後を引くような終わらせ方』の方が良かった気がしますよ…

 


 総評としましては、『そこそこ楽しめるレベルの韓国製低予算オカルトホラー映画』って感じですね。


 海外の目線から見た日本が舞台になっているのはなかなか面白いですし、ホラー描写やゴアシーンも割と見応えがありますので、そこそこ『個性の感じられるホラー映画』としての存在感のある作品だと思います。


 やや設定にトンチキな部分もありますが、シチュエーションとかが気になるようであれば、とりあえずチェックしてみても良い感じの一本かもしれませんよ。

 

映画感想:「ピッグ あくまのぶたさん」(35点/スラッシャー)

■■■「ピッグ あくまのぶたさん」■■■
(35点/スラッシャー)


 女子大生のスージーたちは妹のケイトの誕生日を祝うために、森の奥にあるキャンプ場へと訪れる事となる。
 その場所はネットで『ブタ男』と呼ばれる殺人鬼が出没するという、不気味な都市伝説のある場所だった。


 道中で出会った謎の青年から『森へ行ってはいけない』という奇妙な警告を受けたり、どこか不気味なキャンプ場の管理人に出会ったりと不穏なものを感じつつもパーティを始めた彼らだったが、別ルートでキャンプ場に向かっていたメンバーたちがいつまでたっても到着しない事から不安を募らせていき…

 


 キャンプ場に訪れた女子大生たちが『ブタ男』と呼ばれる正体不明の連続殺人鬼によって命を狙われる…という、スラッシャーホラー映画。


 いわゆる著作権切れの題材を元ネタにした『パブリックドメインホラー』である「プー あくまのくまさん」『ピグレット』を主役としたスピンオフ作品ですね。


 ただ、作中では明確には「プーさん」シリーズの事には触れられておらず、ストーリー的な繋がりもハッキリしないため、正式なスピンオフタイトルなのかは微妙な印象。


 まあ、「プー」と同じ『itn distribution』が製作しているので繋がりはあるんでしょうけど、本作のピグレットは『ブタ頭の怪人』ではなくて『ブタのマスクを被った大男』として描かれていたりと、『えっ、そんな設定なの?』と感じる部分もあったりして、設定の時点でなんかちょっとモヤっとします。


 お話は割とオーソドックスなスラッシャーホラー映画で、『キャンプ場に来たアホな女子大生たちが正体不明の殺人鬼に襲われる』という、ほぼそれだけの内容。


 ストーリーらしいストーリーはほぼ存在しないうえに犠牲者の女子大生たちの行動やらも適当過ぎで、近所で『殺人鬼に襲われた』と自称する血まみれの男性が救助されても、別行動の3人がいつまで経ってもキャンプ場に到着しなくても、異常事態を全く気にせずパーティを続けるというアホアホっぷりで、『そりゃ殺人鬼に襲われても仕方ないわ』としか思えないような危機感の無さに頭を抱えたくなります。


 また女子大生たちがアホなのに加えて、キャラも結構『腹の立つような嫌な性格』の面子が多くて、とにかくイライラさせられて同情の余地がありません。


 まあ、『腹の立つ女子大生たちが殺人鬼に殺されまくる』という流れだけ聞くと、まあまあ良さそうなスラッシャー映画という印象を受けなくもないのですが、対する殺人鬼のピグレットの方もいま一つ印象が弱く、殺害シーンは多いものの殺害方法とかにあまり個性が感じられないせいで、殺害シーンの見応えが無くて観ていてどうにも物足りないのが困りもの。


 殺害シーンに迫力が無いうえに、ストーリーが無くてキャラの掘り下げも薄いせいで、お話のテンポもあまり良くなくて全体的に冗長な印象を受けてしまうんですよね。


 終盤の「悪魔のいけにえ」のオマージュっぽい展開のシーンは割と怖いのですがそこまでの展開が割とダルいですし、主人公に負けず劣らず殺人鬼たちもアホすぎるせいでとにかく展開がグテグテ過ぎて緊張感が感じられないんですよね。


 ラストも矢鱈と唐突な『投げっぱなしエンド』で盛り上がりに欠けますし、『もうちょっとどうにかならんかったのか?』というのが正直なところですよ…

 


 総評としましては、『微妙でグテグテな出来栄えの低予算スラッシャーホラー映画』って感じですね。


 駄作を連発する事で有名な『itn distribution』の作品群でも「プー あくまのくまさん」は割と観れるシリーズだったのですが、スピンオフだから予算が無かったのか…なんというか残念な出来の作品になってしまっています。


 ぶっちゃけ「プーさん」シリーズが好きだったとしても、モヤっとした気分になるような内容ですので、よほど『シリーズを全作追いかけたい』みたいなこだわりが無ければ、普通にスルーしてしまっても良いレベルの作品かもしれませんよ…

劇場にて「口に関するアンケート」を観てまいりました。

 大学生の翔太は、ある日、知人から千葉の某霊園にあるという『呪いの木』の噂を聞きつけて、友人たちと共にその墓地へと肝試しに赴く事となる。


 深夜の墓地を一人づづ『呪いの木』の場所まで向かい、その場所を通り過ぎてから駐車場で合流するという形で肝試しを始めた彼らだったが、メンバーの一人である杏が『呪いの木』の側で異常な悲鳴を上げて錯乱状態となってしまったため、いったん墓地から撤収。


 しかし、その翌日から杏は行方をくらませてしまい、彼らは必至に杏の行方を追う事となるが…


                     *

 

 劇場にて「口に関するアンケート」を観てまいりました。


 大学生たちが墓地にある『呪いの木』の場所に肝試しに行ったところ、とんでもない現象に遭遇し恐ろしい事件の発端となっていく…みたいな感じのオカルトホラー映画ですね。


 「近畿地方のある場所について」の原作者である背筋氏の短編小説を「呪怨」でお馴染みの清水崇監督が映画化したものなのですが、最近の清水監督はやや『イロモノ系のホラー』が多くてホラーファン的には物足りなさを感じる部分があったのですが、本作は割とガチに『ホラー方向』に全振りして作られたような作品になっていて、そういう意味ではなかなかに好感触。


 お話としては『肝試しに行ってから行方不明になった友達』の行方を巡って、行方不明になった当日の夜と、その前後の事件に関する顛末を『大学生たちが淡々と語っていく』という形でお話が進んでいくのですが、登場人物たちが事件を語っていくうちに『事件の裏に隠された恐るべき真相』が徐々に明らかになっていくという展開は謎解きサスペンスっぽくて面白いです。


 また主人公たちが淡々と『過去の出来事』を語っていくシーンを、上手く『オカルト番組の再現映像』的なテイストで映像に落とし込んでおり、怖がらせるシーンではシッカリと怖がらせてくれるという作りは悪くない印象。


 個人的には『深夜の墓地』の雰囲気が非常に良く出ていて、絵的にもなかなか怖かったので良かったですが、『首の長い女』はもうちょっとビジュアルのインパクトがあっても良かったかも?


 あとサスペンス要素の組み立ても良く出来ており、ややネタバレになってしまいますがラストでの『そういう事だったのか』という真相判明からの衝撃の展開への部分はなかなか上手く映像化していると思います。


 ただ、原作がそもそもそういう構成で仕方ない部分はあるものの、謎解きパートがやや『説明的なセリフ』が多く、なかなか事件が真相に迫っていかないためちょっと冗長に感じてしまう人も居るかも?


 またラストのオチが原作と少し違っており、その辺は『好みの分かれるところかな…』とは思いますが、もしかしたら人気が出た場合の『続編を見越した改変』みたいな感じなのかなと考えると、『まあこういうのもアリかな?』という感じではありましたよ。

 


 総評としましては、短編小説をベースとした作品としては割と良く出来たオカルトホラー映画だと思います。


 短編故に小粒感はあるものの、逆に『心霊ドラマの再現映像』的なテイストは悪くないですし、サスペンスとしてもちょっとした捻りの効いた構成でなかなか良く出来ているので、サクッと楽しむには良い感じの作品という印象。


 清水崇監督の『キチンとしたオカルトホラー作品』が観たい場合は、なかなかに悪くない内容ですので、設定とか含めて気になるようであればチェックしてみても良い感じの一本かもしれませんよ。