NIGHT_SHIFT (B級映画&ゲーム雑感 上井某BLOG)

上井某(家主)が観た「B級映画」(主にホラーとサスペンス)の感想と、たまにゲームとかアニメとかについてつらつらと語るブログです。

映画感想:「インクレディブル・バルク」(8点/アクション:ある意味オススメ)

■■■「インクレディブル・バルク」■■■
(8点/アクション:ある意味オススメ)


 軍からの依頼で、生物の身体能力を大幅に強化して人間を超人化するための血清の研究を続けていた科学者のハンクは、実験の研究の成果が出ないせいで研究が打ち切られると告げられた事への焦りから、自分自身に血清を打ち研究を強行。


 しかし薬の副作用によって、怒りを感じると『紫色の巨人』に変身してしまうようになった彼は、街で大暴れした後に刑務所へ入れられる事になってしまう。


 その後、米軍によって刑務所から極秘に身柄を引き取られた彼は、『血清の解毒剤』を渡す事と引き換えに、その能力を用いて全世界に無差別にミサイル攻撃をしかけるマッドサイエンティストの『カントラブ博士』の暗殺を命じられるが…

 


 人間を超人化する血清の副作用で『紫色の巨人』に変身するようになってしまった科学者が、軍の命令で悪のマッドサイエンティストと戦う…という、ヒーローもの風味のアクション映画。


 超低予算映画を配給する事でお馴染みの、コンマビジョンさんによる超低予算Z級アクション映画の新作ですね。


 相変わらずの物凄い低品質のとんでもないレベルのクソ映画なのですが、今回はなんと『最初からアマゾンプライムで提供される』という事で、アマゾンプライムの会員であれば『なんでこんな映画を金を払って観てるんだろう…』という疑問を持たずに鑑賞できるという、素晴らしい仕様となっています。
 (いやクソ映画と把握して観ているとはいえ、「デス・トイレ」とかにお金を払って鑑賞するのは正直辛かった。(笑))


 とまあお金の話はさておくとして、設定やらタイトルからして色々とヤバい空気の漂っている本作(『ハルク』ではなくて『バルク(筋肉量)』ですからアクマで別物です!!)ですが、実際の中身の方もとにかく『酷い出来の作品』という以外の言葉が出てこないような凄まじい完成度。


 映画の全編がCG合成で作られている…というと、なんとなく聞こえが良いですが、全てのシーンが『取って付けたようなビックリするほどショボいCG合成』で作られているという謎の仕様で製作されているんですよね。

 

 合成映像がアクションシーンとか怪物の出るシーンのみであれば、まだ『単に特撮がショボい映画』という事で意味が分かるのですが、『街中を普通に歩くようなシーン』やら『研究室で会話しているだけのシーン』とかまでも、何故か矢鱈とチャチなCG合成で作られているという良く分からない状態。


 シーンによっては『いや、もうそれ普通に現地で撮った方が早いやろ!!』とツッコミを入れたくざるを得ません。


 もしかしたら『アメコミ風の背景と実写の合成』みたいな表現をやりたかったのかもしれませんが、それにしては合成される背景の映像がショボすぎ(シーンによっては『PC標準のペイントツールで描いたような背景』になる)ですし、更には歩くシーンやら走るシーンが『その場で足踏みして背景だけがスクロールする』という超低予算のコントのような描写で表現されていたりと、全てのカットにおいて『こいつら何やってるねん!?』と言いたくなるようなシーンの連発。


 この辺は、口で説明するよりも予告編とか抜粋されたシーンを観ていただいた方が分かりやすいかと…


【予告】インクレディブルバルク
https://youtu.be/Imkv9NKaHvo
https://twitter.com/Munenori20/status/1535190878490226688?s=20&t=BzxUQwryDZndFvBr_q3NmA


 映像のインパクトだけでもう既にお腹いっぱいな感じなのですが、ストーリーも基本的に本家(インパクト・ハルク)を10倍ぐらいに希釈して、しょうもないパロディやコメディの要素を混ぜ込んだようなグテグテっぷり。


 それでもまだパロディ要素が面白ければ耐えられるのですが、宇宙船のドッキングシーンのピストン運動を延々と見せられたり、安っぽいソーシャルゲームのキャラみたいなのが唐突に画面に登場したりと、理解不能のノリのシーンが多すぎてどこで笑っていいのか良く分からないレベルなのは困りものです。


 アクションシーンの見せ場なんて当然ながら皆無ですし、ラストのオチも酷すぎる終わり方ですし、なんというか『掛け値なしのクソ映画』と評価するのに相応しい作品という感じでしたよ。

 


 総評としましては、これ以下の底辺は探すのが困難なレベルの『超低予算低レベルZ級アクション映画』って感じの内容です。


 ただ、あまりに酷すぎてツッコミを入れずに観れるシーンがワンカットたりとも存在しないような完成度ですので、一周まわって逆の意味で楽しめてしまうのは本作の最大の利点かと…(笑)


 アマゾンプライムとかその他のサブスク系配信でも無料で観れるようですし、ネタ枠としてチェックしておくのであれば十分にオススメできる一本と言えるので、暇な人やら興味の湧いた人はチェックしてみても良いかもしれませんよ。
 (どこかの動画配信者とかが『同時視聴企画』でもやれば結構人気になりそうな作品の気がしますが、どうですかね?(笑))

映画感想:「モンスターハント 弩弓の戦い」(60点/モンスター)

■■■「モンスターハント 弩弓の戦い」■■■
(60点/モンスター)


 村に害をなす蛇を狩る『蛇王』の息子である裴元(ペイユエン)は、父と共に身の丈3丈(9m)の大蛇の退治に赴くが、寸でのところで狩りは失敗。
 目の前で大蛇に父を殺された事がトラウマとなり、蛇恐怖症になってしまう。


 そして十数年後。
 村では新たな『蛇王』を決める選手戦が開催される事となり、その狩りの腕前と幼なじみで村長の娘である小秋(シャオチウ)の推薦で『蛇王』に立候補する事となったペイユエンだったが、シャオチウに横恋慕する鉄男(ティエナン)が対立候補として出馬する事となり評議は難航。


 そんな矢先に、村に税金を取り立てるために都から大隊長の息子が訪問。
 大隊長の息子は、高い税率と横暴な態度から村人とトラブルを起こしたうえに、乱闘中の事故で命を落としてしまう。


 息子の死を知った大隊長の追及を避けるために、『村を襲う大蛇に殺された』と嘘をついた彼らだったが、大隊長は村人たちに『三日以内に息子を殺した大蛇を狩って来なければ村人の全員を殺す』という恐るべき宣告を突きつけるのだった…

 


 中世の中国の『蛇狩り』の一族の村の住人が、とある事情から怪物のように巨大な大蛇と戦う事となる…という、ファンタジー風味のモンスターアクション映画。


 最近流行っている中国製の巨大生物映画の新作の一つ…って、最近、同じようなフレーズを連投しまくってる気がしますが、今回は巨大生物ものといっても『モンスター映画』というよりも『ファンタジー映画』というテイストが強い感じの作品ですね。


 『何故か蛇に異常なぐらい襲われる村の住人が、大蛇から身を守るためにハンターとなって狩りをする』という、なんとなくゲームのモンスターハンター」を髣髴(ほうふつ)とさせるような設定のお話ですが、美術デザインやら世界観からもモンスターハンターから影響を受けている雰囲気が感じ取れるような作りで、『ゲーム系のインスパイア作品』という印象の内容です。
 (そう考えると「モンスターハンター」っぽい本作の邦題は、割と的を射ているタイトルと言えるかも?)


 ゲームっぽい世界観のファンタジー作品ですが、ファンタジー系のアクション映画としては意外とシッカリと作られた良作という印象。


 『大蛇狩り』がメインとなっているものの、虎や狼の群れと戦うシーンがあったり、軍隊との乱闘シーンがあったりと、お話が単調になって退屈しないように色々と工夫して見せ場を準備しているのは良い感じ。


 主人公やその周辺のキャラクターたちもステレオタイプではあるものの非常に魅力的で、キャラの掘り下げもシッカリと行われていますし、ヒロインがなかなか可愛いのも好感触。


 メインである『主人公がトラウマを克服する流れ』も非常に丁寧に描かれているものの、過剰に人間ドラマに尺を割く事もなく冗長な作りになっていないのも良く出来ています。


 全体的に非常にバランスよく作られた作品という印象ですね。


 ただ不満点を挙げるとしたら、メインとなる大蛇の登場シーンが意外と少なくて、ちょっと物足りなさがあるところ。


 大蛇の怖さや巨大なサイズ感もいまひとつ表現しきれていない雰囲気だったので、大蛇を目的て観るにはちょっと弱いかなぁ…

 もうちょっと大蛇の活躍シーンを増やして大暴れさせて欲しかったところですよ。

 


 総評としましては、『意外と良く出来た良作レベルの中華ファンタジー系アクション映画』って感じの作品ですね。


 強く推すほどではないものの、見どころもそこそこあって普通に楽しめるレベルのアクション映画という印象でした。


 モンスターハンター」的な世界観やノリが好きであれば、予告等を観て気になるようであればチェックしてみるのも悪くないかもしれませんよ。

 

映画感想:「シン・オクトパス」(45点/モンスター)

■■■「シン・オクトパス」■■■
(45点/モンスター)


 海辺で食堂を経営するフォンは、ある日、海で珍しいタコの捕獲に成功する。


 この『謎のタコ』を、元恋人で海洋生物学者であるズーモーとよりを戻すのに利用しようと画策する彼だったが、沿岸で『海水浴客が謎の巨大生物に襲われて行方不明になる』という事件が発生していた事から、『謎のタコ』が関連しているのではないかと考えたズーモーはタコを海に帰す事を提案。


 しかし、そんな矢先に彼の食堂を全長20メートルを越えるような巨大なタコが襲撃。


 タコによって店を破壊されたフォンは、店を建て直す費用を手に入れるために、ズーモーの勤めるグリード社の変異遺伝子研究の急進派であるリンへと『謎のタコ』を売り払ってしまうのだった…

 


 人間によって子供を奪われた巨大な母タコが、子供を取り戻すために人間を襲撃する…という、巨大タコもののモンスターパニック映画。


 最近流行っている中国製の巨大生物映画の新作の一つで、ありそうで意外と少ない『巨大タコ』を題材としたモンスター映画ですね。


 基本的なプロットとしては、『人間に子供を捕らえられた巨大タコが、人間に復讐しようとする』みたいなお話がメインとなっているのですが、巨大タコという設定やらストーリーからし「ザ・ビースト 巨大イカの逆襲」辺りに着想を得た作品なのかも?


 ただ、お話の中心は『巨大タコ』ではあるものの、実際の作品の中身の方は『とにかく色々と詰め込みまくったお話』という印象。


 巨大タコを捕獲した主人公と科学者のヒロインを中心とした恋愛やら人間模様のアレコレに加えて、巨大タコを巡っての遺伝子操作に関する陰謀やら、ナチスの実験やら秘密基地やら…とにかく色んな要素がテンコ盛り。


 そのお陰でお話の展開が物凄く早くて、退屈しない作りになっているのは良い感じなのですが…
 いかんせん『詰め込み過ぎ』な印象もあり、ぼんやり見ているとキャラクターどうしの人間関係とかがゴチャゴチャしすぎてて訳が分からなくなって来ます。


 ぶっちゃけ、『悪役の祖父のナチス絡みのエピソードとか、無理に必要なかったやろ?』というのが正直なところ。


 また、ストーリーをゴチャゴチャと詰め込みすぎた弊害なのか、肝心の『巨大タコ』の出番がやや少な目なのは残念なところ。(『巨大タコ』のCGにお金をかけれなかったので、ストーリーを詰め込みまくったという説もありますが…)


 肝心の巨大タコの出番も、ほとんどが『水中から触手が伸びて来るだけ』というシーンの連発で、観ていてもビジュアル的にあまり面白味が無いんですよね。


 せっかく『船を沈める程の巨大なタコ』を登場させてるんだから、もうちょっと暴れまくって見せ場を作って欲しかった。


 ラストのオチもなんか『いい感じの話』にまとめてるけど微妙にスッキリしない終わり方特に捻りも無くそれほど爽快感も無いですし、どうにも全体的に面白味に欠ける映画でしたよ。

 


 総評としましては、ゴチャゴチャと詰め込まれてる割には『物足りなさの残るモンスターパニック映画』って感じの作品です。


 主人公を含めた『矢鱈と濃いキャラたちの掘り下げ』とか悪くない部分もあるのですが、それがモンスター映画としての魅力に繋がっているのかと言われると微妙なところ。


 とはいえ『巨大タコもの』というのは多そうで意外と少ないジャンルの作品ですし、全体的に退屈しないレベルには仕上がっていますので、どうしても気になるようであればチェックしてみても良い作品かもしれませんよ。

 

映画感想:「スパイ・コード:CICADA 3301」(55点/サスペンス)

■■■「スパイ・コード:CICADA 3301」■■■
(55点/サスペンス)


 天才的な頭脳を持つハッカーであるコナーは、ある日、ネット上で伝説となっている謎の秘密結社『CICADA3301』の秘密のコードを発見し、解読に挑戦するが失敗に終わってしまう。


 しかし、その翌日に唐突にNSA(国家安全保障局)に逮捕された彼は、取引として彼の罪を見逃した上に大金を支払う代わりに『CICADA3301』の調査に協力して欲しいとの依頼を受ける。


 金策に困っていた彼はNSAの依頼を受け、豊富な知識を持つ友人のグウェンとアヴィと共に『CICADA3301』の暗号や謎かけを次々と解読していくが、そんな彼らを動物のマスクを被った奇妙な集団が襲撃し…

 


 天才的ハッカー集団の若者3人が、謎の秘密結社『CICADA3301』によって作り出された恐ろしく難解な暗号の解読に挑む…という、サスペンススリラー映画。


 いわゆるダ・ヴィンチ・コード」的な『暗号謎解き系のサスペンス映画』なのですが、別に宗教的な背景やドラマ的な要素はあんまりなくて、主人公たちが何者かによって出題された矢鱈と難解な『謎解きゲーム』に挑戦するみたいなお話ですね。


 物語の構成がやや独特な感じの作りの作品で、『ラストシーンから時間を遡っていく』みたいな感じでお話が語られていくのですが、主人公が虚言癖を持っており、ところどころで訳の分からない下ネタ系のシーンが挟まれたり、NSA職員が赤ちゃんマスクのコスプレをして登場したりとか、良く分からない独自テイストを持つシーンがあるのはブラックユーモア的なセンスでちょっと面白いです。


 お話のテンポも良く、独特のセンスで新しいシーンやらカットやらが描かれていくのの観ていて楽しくて良い感じ。


 ただ映像センスの良さに光るものはあるのですが、メインとなる部分である肝心の『謎解きドラマ』がいま一つ面白くないのは困りもの。


 主人公たちの挑戦する『秘密結社によって仕込まれた謎解き』が、『そんなのヒント無しじゃ解けないだろ』みたいな内容のものが大半なのですが、それを主人公たちが物凄い知識量とひらめきでスラスラと解いていくという展開が、いまひとつ非現実的すぎてどうにもすんなりと楽しめません。


 また主人公のキャラもいまいち立っておらず、『状況に流されて謎解きを続けている』みたいな感じで行動に主体性が感じられないため、お話に入り込めない部分が多いのは厳しいところ。


 壮大そうな設定の『謎の秘密結社』が登場する割には、ラストのオチも意外としょうもない内容ですし、ストーリー全体としてもうちょっと上手く作れなかったたもんかなぁ…というのが正直な感じでしたよ。

 


 総評としましては、独特のテイストはあるものの『いま一つ盛り上がりに欠ける謎解きゲーム系サスペンス映画』って感じですね。


 映像とか演出とかが面白いセンスなので、観るべき要素はそれなりにあるのですが映画の中身が希薄すぎてあまり記憶に残らない作品という印象。


 予告とかを見て、映像センスとか独特のテイストとかに惹かれたのであればチェックしてみても良いかもしれませんが、個人的には『謎解きゲーム』系の作品としてはちょっと物足りなさの残る内容でしたよ。

映画感想:「KKKをぶっ飛ばせ!」(50点/アクション)

■■■「KKKをぶっ飛ばせ!」■■■
(50点/アクション)


 1971年テネシー州
 無実の罪で刑務所に入れられた黒人男性のブランドンは、刑務所からの脱獄に成功して姉のアンジェラに助けを求める。
 姉のアンジェラと兄のクラレンスの手引きによって、かつて祖父が保有していた人里離れた廃牧場にかくまわれる事となる。


 しかし、その日の夜に近所で奇妙な女性の悲鳴を聞きその場所へと訪れたところ、黒人の女性が白い三角頭巾の集団によって処刑されそうになっている現場に遭遇。


 その地域は、非道の白人至上主義結社であるKKKの支配する場所で、黒人の肉を食う狂気のカニバリスト団員のたちの縄張りだったのだ。


 とっさに白人たちを奇襲して女性の救出に成功した彼だったが、逆に彼と兄弟たちの3人がKKKによって捕らえられる事となってしまい…

 


 狂気の人食いKKK団員たちと黒人の兄弟たちが壮絶なバトルを繰り広げる…という、バイオレンスアクション映画。


 まあ、なんというか『タイトルそのまんまの内容』とでも言いたくなるような、直球ストレートなバイオレンス作品ですね。


 お話としては、『頭のおかしいKKK団員たちに捕まった黒人兄弟たちが、なんとかして拘束を逃れて血みどろのリベンジバトルを繰り広げる』という、ホントにそれだけの展開。


 登場人物の軒並みが頭がおかしい連中ばかりで、『黒人の身体を解体して肉を食べるカニバリストのKKK団員』という設定も相当にヤバイのですが、それに対抗する主人公たちも同じぐらいヤバい連中で、『そこまで念入りにボコらんでもええやろ?』ってレベルの残虐ファイトでKKK団員たちをボコボコにしてくれて、なかなかに痛快です。


 ネタの大半はブラックジョークのようななネタなのに加えて、アクションシーンの大半が『血みどろのバトルシーン』という塩梅で、とにかく『不謹慎なシーン』と『血しぶき』と『痛そうなシーン』のつるべ打ちという感じで、退屈する暇もないレベルの血みどろ具合で楽しませてくれるのは良い感じ。


 ただバイオレンス描写は凄いのですがそれ以外の要素はほぼ皆無で、ストーリーらしいストーリーもなければキャラの掘り下げのような要素も殆どなし。


 ただただひたすらに『KKK団員と黒人兄弟とが一触即発の血みどろバトルを繰り広げている』というだけの内容で、『全てが見せ場』とも言えるし『全く見せ場が無い映画』とも言えるような作りなのは困ったところ。


 一応は山場みたいな物はあるのですが、山場も結局は残虐ファイトのシーンなので、ちょっとメリハリに欠けるんですよね。


 血みどろシーンがウリのバイオレンスアクションとしては悪くは無いのですが、主人公・敵キャラを含めてもうちょっとキャラの掘り下げやらがあっても良かったんじゃないかなぁ…というのが正直なところですよ。(キャラがもっと魅力的に描かれてれば、もっと良い作品になってたと思うので…)

 


 総評としましては、『イキオイだけで作られたようなバイオレンスアクション映画』という感じの作品です。


 細かいことを考えずに、ひたすらブラックなノリの血みどろバトルを楽しみたいというのであればまあまあ楽しめる作品だと思いますが、それ以外のものを求めるとちょっと厳しい作品という印象。


 そういう映画だと割り切って楽しむぶんには良い作品だと思いますので、とにかくひたすらに血しぶきとバイオレンス描写を観たいような気分の時にはオススメの一本かと…

劇場にて「NOPE/ノープ」を観てまいりました。

 不慮の事故で亡くなった父から牧場を引き継ぐこととなったOJは、妹のエメラルドと共に牧場を経営するものの、妹は牧場に興味が無いうえに、彼自身も口下手な性格と父に劣る調教の技術の無さから、牧場の経営が傾き父から相続した馬たちを手放さなければならなくなっていた。


 そんなある日、牧場から逃げ出した馬を追って荒野をさまよっていた彼は、雲の合間を隠れるように飛ぶ巨大なUFOのようなものを目撃。


 妹にそれを話したところ、牧場を立て直すために『UFOを撮影してその映像で一攫千金を得る事』を提案されるが…

 


 劇場にて「NOPE/ノープ」を観てまいりました。


 「ゲットアウト」のジョーダン・ピール監督の新作ということに加えて、観てきた人たちの評価も高い人が多くて一部界隈で話題となっている本作ですが…


 思った以上にパンチの効いた内容ちょっと観る人を選ぶ映画だとは思いますが、確かにこれは評判が良いのも納得の良作という印象でしたよ。


 ただ、ネタバレが致命的になるような作品とまでは行かないものの、可能であれば『何も知らない状態』で観た方が楽しい映画だと思うので、観に行く予定の人はここから先の感想は読まない方が良いと思います。


 一応、大きなネタバレは無いようにレビューを書きますが…

 


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 予告を観ると『UFOによるアブダクションを題材とした不思議系SFサスペンス映画みたいな印象を受けますが、その実態は予想以上にねっとりとして不気味な『怖い映画』というのが正直な感想。


 けっこうエグいシーンもあったりするので、予告のヌルそうなノリに騙されて観に行った人が居たらトラウマになっちゃうんじゃないかと、ちょっと心配になるレベル。


 序盤から、過去のホームドラマの撮影中に起きた悲惨な事故』やら、主人公の父親が亡くなった『不可解な不慮の事故』のシーンやら、印象的な不気味なシーンの連発に加えて、IMAX上映に向けて作られたという観る者の不安を煽るような『観客を包み込むような音の演出』が要所要所に仕込まれており、観ているだけでどんどん『嫌な気分』になっていくような構成が上手いです。


 また序盤は雰囲気映画っぽい感じで、ひたすら『不穏な空気』を盛り上げつつ『UFOに隠された秘密』という謎を提示していくという割とスローテンポな感じなのですが、序盤のテンポに反して中盤からは予想外の展開の連発で恐ろしくスピーディで迫力のある怒涛の展開に突入していくという作りなのも面白いです。


 ラスト辺りとか本気で全く先の読めない作りになっていて、かなり手に汗握る内容でしたよ。


 また全体的な構成の上手さに加えて、細かい伏線の仕込みの上手さも割と感心させられたところ。


 序盤から何度も印象的に挿入されるホームドラマの撮影中の事故』が、お約束的に後半の展開の伏線になっていたり、『そんなしょうもないシーンが実は伏線だったの!?』というようなトンデモ系の伏線が大量に仕込まれていたりしたのは、ちょっと笑ってしまいました。
 (普通は『空気圧で踊る人形のディスプレイ』が、後半のキーアイテムになってるとか思わんだろ(笑))


 主要登場人物たちのキャラの掘り下げもシッカリしていますし、メインキャラ各位にキチンと見せ場が用意されてるのも良い感じですし、とにかく丁寧に作られた作品という印象。


 難点を上げるとすれば、ちょっと尺が長めなせいもあって序盤で少しダレる印象があったので、仕込みの部分はもうちょっと短めでも良かったかも…ってぐらいかなあ?

 


 総評としましては、『なかなか良く出来た佳作レベルのSF風味のサスペンスホラー映画』という感じの作品ですね。


 かなりケレン味の強い内容なので好みの割れそうな映画ではありますが、個人的には『今まで観た中で一番怖かったUFO映画』と言う印象の映画でしたよ。


 SF系ホラーとかが好きで気になっているのであれば、間違いなく観ておいて損は無い作品だと思うので、出来る限りネタバレを踏まないうちに観ておく方が良い一本かもしれませんよ。

 

 

映画感想:「シャドウ・イン・クラウド」(60点/モンスター)

■■■「シャドウ・イン・クラウド」■■■
(60点/モンスター)


 1943年、第二次大戦下のニュージーランド
 女性士官のギャレットは密命を受けて極秘の荷物をサモアまで運ぶため、B-17爆撃機に搭乗する事となる。


 乗員の男性クルーたちから不審な目で見られ、後部銃座に隔離されるような形で機内に乗り込む事となった彼女だったが、嵐の中を飛行中に飛行機の翼の上に奇妙な生き物の影のようなものを目撃。


 それ以来、飛行機には原因不明のトラブルが相次ぐようになっていき、やがて彼女は飛行機を破壊しようと暴れる怪物の姿を目にするが、クルーの面々は彼女の言葉を信じようとせず…

 


 戦時中にB-17爆撃機に乗る事になった女性士官が、機械を故障させる謎の怪物『グレムリン』と戦うこととなる…という、戦争アクション風味のモンスターホラー映画。


 飛行機にいたずらをする邪悪な妖精『グレムリンを題材とした作品と言えば、映画版トワイライトゾーン/超次元の体験」の1エピソードが有名ですね。
 本作も、『怪物が嵐の中の翼の上に出現してエンジンを破壊』したりと、割とその辺をリスペクトしてるみたいな印象。


 お話の前半部分が、主人公の女性が爆撃機の後部銃座に閉じ込められて『女性の姿だけが画面に映った状態の会話劇(他のクルーは無線の声のみで出演)』で進んでいくみたいな感じの特殊な構成なのですが、てっきりラストまで同じような構成のワンシチュエーションスリラーでお話が続くのかと思いきや…


 中盤辺りからガラリと展開がかわって、なかなか激しい内容の戦争アクション風味のモンスターホラー映画に突入していくという構成は面白いですね。


 単に主人公たちが『機内(もしくは機上)でグレムリンと戦う』ってだけの映画なのかと思っていたのですが、戦争アクションの要素が思った以上に濃くて、予想以上に派手で迫力のあるアクションシーンがガッツリと観れるのは良い感じ。


 ただ、それでも序盤のシチュエーションスリラーっぽい部分はやはりちょっと退屈で、他の男性クルーたちが『無線の声』だけでしか登場しないこともあって、キャラクターの関係性やら誰が喋っているのかとかが分かり辛く、ちょっとグテグテ感があるのは困りもの。


 同じような展開でも、もうちょっと主要キャラの人間関係や個性が分かりやすいような作りにして欲しかったです。


 逆にヒロインのキャラの掘り下げはシッカリしていますし、『極秘の荷物』にちょっとした秘密があったりと、なかなか捻りの効いた構成になっているのは悪くない印象。


 ただ怪物である『グレムリン』は、コウモリ人間っぽい感じなのですが、ちょっと面白味が少なくて迫力の無いデザインなので、もうちょっと個性があっても良かったかも?


 色々とツッコミどころはある内容ながらも、ラストの想像以上にシュールな展開なんかも含めてなかなか面白くて楽しめた映画でしたよ。

 


 総評としましては、意外と良く出来た『戦争アクション風味のモンスターホラー映画』って感じの作品ですね。


 グレムリン』を題材とした作品自体が少ないですし、第二次世界大戦を舞台とした戦争アクションものとしても悪くない出来ですので、その辺の興味があればチェックしておいても損は無い一本だと思います。


 いかんせん序盤の展開がダルいのは難点ですし、そこそこシッカリ作られているとはいえ低予算風味は隠せないレベルの内容でもあるので、過剰な期待は禁物ですが趣味に合えばそこそこ楽しめる作品ではないかと…