NIGHT_SHIFT (B級映画&ゲーム雑感 上井某BLOG)

上井某(家主)が観た「B級映画」(主にホラーとサスペンス)の感想と、たまにゲームとかアニメとかについてつらつらと語るブログです。

映画感想:「シャーク・アイランド」(50点/生物パニック)

■■■「シャーク・アイランド」■■■
(50点/生物パニック)


 南太平洋を航行するクルーズ船で母親と共に航海を楽しんでいたケンダルは、ある日、船員たちが自分たちの荷物を盗もうとしている現場に遭遇。


 船員たちに追われて甲板へと逃げるが、仲間の悪事を止めようとした船員のブライアンと共に海に転落してしまう。


 その場所は凶暴な人食いザメの群れが泳ぎ回る海域で、サメの襲撃を逃れながらなんとか小さな島に辿り着いた彼らだったが、サメの攻撃で足を負傷してしまったうえに、その島は満潮になると水没してしまう事が判明。


 悪事を隠蔽しようとする船員たちのせいで救助も行われないままに水没のタイムリミットが迫るなか、二人はなんとかして生き延びようとするが…

 


 太平洋の真ん中で客船からサメの群生する海域に落水した二人が、なんとかして危機を乗り越えようとする…という、サメもののサバイバル系生物パニック映画


 B級パニック映画でお馴染みのASYLUMによる新作サメ映画ですが、最近のASYLUMらしいトンデモ設定じゃない『マジメに作られたサメ映画』の方のASYLUM作品ですね。


 お話としては、『ならず者船員に追いかけられてサメの大量に生息する海の真ん中に落水した2人が、サメの襲撃を逃れつつ小島に辿り着くも、その島は満潮になると水没してしまう浅瀬だと判明。その頃、船上では彼女の母親が行方不明の娘を探すために船員たちと奔走していた…』みたいな感じの展開。


 プロット自体はコテコテなのですが、単なる『サメの出てくる海上漂流もの』ではなくて、『水没する島でのタイムリミットとの闘い』という要素を加える事で、作品としての個性を出そうとしている辺りが、いかにもB級作品を作り慣れたASYLUM作品らくて悪くない印象ですね。


 遭難した主人公たちが、パニックに陥ってあまりアホな行動を取ったりせずにマジメに生き延びようと努力するって辺りも、観ていてストレスが溜まらなくてまあまあ好感触。


 メインのお話が『孤島に遭難した二人』と『娘を救出しようと奮闘する母親』の2つの視点で描かれるのですが、この『母親』が元海兵隊という設定で、救出部隊をチャキチャキと編成して陣頭指揮をしつつ娘の救出に向かうという有能っぷりで、メチャメチャカッコ良いのが本作の最大の見どころ。


 めっちゃ人間が出来てるうえにサメと素手で戦ったりとパワフルで、割とガチで『惚れてまうやろ!』って感じのキャラクターでした。(笑)


 ただ基本プロットやらキャラクターには凝っているものの、実際のところお話が面白いかと言われるとやや悩ましいところ。


 サメが救出チームを襲ったり海岸に乗り上げて攻撃してきたりと『襲撃シーン』を工夫して頑張ってはいるものの、全体的に見せ場に乏しくて退屈なシーンが多く、どうしても冗長な印象を受けてしまいます。


 また矢鱈とカッコいい主人公の母親以外のキャラは全体的に掘り下げが浅くて、主人公やら船員の兄弟やらは妙にアッサリした感じの扱いになっており、どうにも魅力が薄いんですよね。
 (あと、サメも単なる『舞台装置』って感じの扱いで、あまり魅力が感じられないのも難点か?)


 ラストの『ちょっと良い話』っぽいオチは悪くなかったと思うのですが、そういうノリにするのであればもうちょっと人間ドラマ部分の描きこみがあっても良かった気がしますよ…

 


 総評としましては、『可も不可も無いレベルの海洋遭難ものB級生物パニック映画』って感じですね。


 普通に観れるレベルの内容ではあるのですが、強く推すような要素もあまり無くて、全体的に『物足りなさの残る作品』というのが正直な感想でしたよ。


 サメ映画大好きで、気になるようであればチェックしてみても悪くないかもしれませんが、そもそものサメ要素がそこまで強くないのでそういう意味でもちょっと微妙な作品という感じかなぁ…

 

映画感想:「V/H/S ビヨンド」(65点/モンスター:オススメ)

■■■「V/H/S ビヨンド」■■■
(65点/モンスター:オススメ)


 2021年、『エイリアンの証拠映像が収録された』とされるVHSビデオが発見される。


 デジタル化されたその映像を受け取った映像作家のジェイ・チールは、その映像を動画として公開するが、そこにはゾンビ化した人々、不気味な姿のエイリアン、UFOとの接近遭遇、謎の殺人ロボット…といった想像を絶するような恐ろしい映像が収録されており、人々はその真偽を巡って論争を繰り広げる事となるが…

 


 得体の知れない恐ろしい映像が収録されたVHSテープを発見した人々が恐るべき運命を辿る…という、ファウンドフッテージ風のオムニバス短編ホラーである「V/H/S」シリーズの最新作。


 割と良作の多い短編シリーズとして知られていた「V/H/S」シリーズの新作に当たる作品なのですが、良くある『邦題だけそれっぽく付けられたなんちゃって続編』ではなくて、シリーズの正当な新作のようです。


 今までのシリーズって『怪しげな家に侵入して謎のVHSテープを発見した人たちが、ビデオを再生していくうちに自分たちもとんでもない目に合う』という感じのが基本プロットだったと思うのですが、今回はオカルトというよりも『エイリアン』が主題だったりと、色々とコンセプト自体も様変わりしている印象。


 というか、もはや世間で『VHSテープ』が使われなくなってから久しいですし、そもそも『何年ぶりの新作だよ?』って感じではありますが、そんなツッコミをするのが野暮なぐらいに良く出来た短編集となっています。


 お話としては『エイリアンの恐怖』を中心に6本の短編ストーリーが描かれているのですが、とにかく全ての話が物凄い強烈なインパクトの内容。


 映像や特撮のレベルは低予算ホラーらしく意外とチャチだったりするのですが、映像のショボさとか気にならないぐらいにどのストーリーも物凄くパワフル主人公(主に撮影者)たちを襲う『ありえないような酷い展開(誉め言葉)』の物語が、恐ろしく速いテンポで繰り広げられていくので、怖いとかエグイを通り越してなんかちょっと『変な笑い』が出てしまうようなレベル。


 映像の絵面やらセンスも凄くて、登場するモンスターとかエイリアンとかが軒並み意味が分からないレベルにキモくて、ちょっと感動すら覚えてしまいました。(笑)
 (特に一本目の作品のエイリアンとか『何があったらそんな設定を思いつくんだよ』って感じのキモさで、もう大好きです。)


 いや、『この映画を撮ったやつ、絶対に頭おかしいだろ』とツッコミを入れたくなるぐらいのクレイジーな短編の釣瓶打ちって感じの内容なので、こういう『イキオイだけの短編ホラー』とかが好きな人は是非とも観てみて欲しいです。


 ただまあ同じテーマといいつつも、あまりストーリーに関連性とかは無いですし、そもそも『ファウンドフッテージ(発見された映像)ホラー』って設定の割には、『これ、撮影者が死んだ後に絶対にビデオ回収できてませんよね?』みたいなオチの話があったり、ラストのエピソードも『いいオチが思いつかなかくて無理矢理投げっぱなしただけ』みたいな感じがするのは、まあご愛嬌って事で…(笑)

 


 総評としましては、『非常に良く出来たオムニバス形式のSF風短編ホラー作品集』って感じですね。


 色々とツッコミどころは多いですが、とにかくイキオイとパワーが物凄い作品ばかりですので、若手(?)の作家たちの『粗削りだけどイキオイのある短編ホラー集』みたいなのが観てみたい場合は、間違いなくオススメの一本です。


 色んな意味で凄い作品ですので、短編ホラーとかが好きでジャンルやら設定やらが気になるようであれば、とりあえずチェックしておいても損のない一本だと思いますよ。

 

映画感想:「サバイバル 極限領域」(45点/サスペンス)

■■■「サバイバル 極限領域」■■■
(45点/サスペンス)


 イギリスの地質学者のアビーは、ガンで余命いくばくもない姉の治療費を稼ぐために、グルジア領のロシア国境付近の危険地帯にあるコーカサス山脈での地質調査に参加する事となる。


 そんな最中、彼女は『自分の意志に呼応するように反応する奇妙な石』を回収するが、その直後に姉の容体が急変した事を知らされ、急遽本国へ戻る事となる。


 しかし帰路に向かうへりが、上空で不思議な鳥の群れのようなものに衝突して雪山に墜落。


 パイロットが死亡してしまった事から、一人でサバイバルをしながら下山する事となるが、そんな最中に無線で『ジョン』と名乗る男性の声を受信。
 ジョンが自分と同じように墜落して立ち往生している事を知った彼女は、なんとかして彼と合流しようと試みるが…

 


 ロシア国境付近の雪山に墜落した女性が、謎の無線相手とやり取りしつつなんとかして生き延びるために死地からの脱出を試みる…というアクション風味のサバイバルサスペンス映画。


 『山中で「謎の石」を拾った女性が、遭難した雪山でなんとか生き延びようと行動を起こしていく…』という感じの内容の作品ですが、やや変わった要素は詰め込まれているものの、基本的には『雪山サバイバル』を描いた作品ですね。


 お話としては、『主人公が拾った「謎の石」はいったい何なのか?』とか『無線で会話している謎の男性は果たして何者なのか?』といった部分の謎解き要素があったりするものの、そこまで大きくフィーチャーされているような内容ではなくて、基本的には遭難した主人公が延々と雪山を歩いているシーンが大半。


 ただ、サパイバルといってもパニック要素やらアクション要素やらはそこまで強くなくて、むしろ主人公が救おうとしている『余命いくばくも無い姉』との思い出の回想シーンやらが多めに描かれて、主人公のキャラクターを掘り下げる事に注力しており、『人間ドラマ』や『家族ドラマ』をメインとしたお話という印象です。


 人間ドラマの掘り下げがメインのため、全体として淡々としてお話が進んでいくシーンが多くて、あまり変化の無い雪山のシーンを延々と見せられるため、お話の中盤ぐらいまで正直言って冗長。


 終盤で、色々な『秘密』が明らかになっていき、某有名SF作品っぽい展開(割と大きなネタバレになるので詳しくは語りませんが…)に突入していったりするのですが、そのシーンも割とアッサリしており、テーマの重さの割に全体的にどうにも薄口なんですよね…


 ただ、人間ドラマを主題とした作品のテーマ性は非常に分かりやすくて、家族の死と自分の死に同時に直面した女性が、奇妙な体験を通じて『自分の生きるべき道や取るべき選択を見つめ直す』という展開は割とグッと来るものがあって、ラストのオチの付け方とかがなかなか良かったというのは良い点でしょうか?

 


 総評としましては、どうにも『冗長で盛り上がりの欠けるサバイバルアクション映画』って感じですね。


 作品テーマやらは分かりやすく『良い話』ではあるんですが、普通にSF的な要素やらサバイバル的な要素に期待していると、ちょっと肩透かしを喰らわされるかも?


 テンポは悪いけど話は悪い内容ではないので、気になるようであればチェックしてみても良い感じの作品かもしれませんよ…

映画感想:「ダブル・ブラインド 命の報酬」(60点/サスペンス:結構オススメ)

■■■「ダブル・ブラインド 命の報酬」■■■
(60点/サスペンス:結構オススメ)


 クレアら7人の男女は、大手製薬メーカーであるブラックウッド製薬の新薬治験に参加する事となる。


 隔離された地下の研究施設のような場所で、二重盲式(ダブルブラインド)の検査を行う彼らだったが、薬を飲んだ被験者たちは薬の投与以降、4日間に渡って全く眠れなくなり、更には脳の炎症や免疫系の異常といった症状まで見られるようになる。


 強すぎる薬の作用に不安を感じる彼らだったが、製薬会社は破格のボーナスを約束する事で治験を継続。


 しかし、その直後に地権者の一人が全身から血を噴き出して死亡するという事件が発生。
 更には唐突に発生した警報によるロックダウンによって、彼らは被験者たちだけで地下の研究施設に閉じ込められる事となってしまう。


 混乱する彼らだったが、被験者の一人である医学生のアミールの調査により、『眠ったら死ぬ』という事実が判明。


 彼らはロックダウンの解除されて治療を受けられるようになる24時間後まで、なんとか眠らずに堪えようとするが、極度の疲労から来る幻覚や不安感から徐々にパニックに陥っていき…

 


 怪しげな新薬の治験に参加した若者たちが新薬の作用によって『眠ったら死ぬ』という極限状況によってパニックに陥りつつも、なんとかして生き延びようと奮闘する…という、医療系サスペンススリラー映画。


 ブラックな大手製薬会社による治験と称した『怪しげな人体実験』を題材とした、医療系というか陰謀論系のサスペンススリラーですね。
 (ちなみにタイトルに「ダブルブラインド」とか付いていますが、全員が本物の薬を飲まされるのでタブルブラインド試験でもなんでもないです。(笑)(まあ『疑心暗鬼』の暗喩なのかもしれませんが…))


 お話としては『若者たちが集められて地下の怪しげな施設で新薬の治験に参加する事になるんだけど、実はその薬は眠った被験者が命を落としてしまうというヤバい薬でした』といった感じのストーリー。


 プロットとしては『怪しげな人体実験のために地下に閉じ込められた若者たちが、自分たちのピンチに気付いてなんとかして脱出しようとする』という、医療系作品というよりは『デスゲームっぽい設定のシチュエーションスリラー』に近いような作品ですね。


 被験者を『使い捨ての実験動物』程度にしか思っていなさそうな製薬会社の上層部やら、今どきの映画としては設定がブラックすぎて『そんなアホな』とツッコミたくなるような部分もありますが、細かいツッコミどころを気にしなければサスペンスとしての出来は結構秀逸。


 薬で4日間眠っていないところに『24時間完徹』を求められるというシチュエーションも『リアルに辛そう』な設定で面白いです。


 また、『極限状態に陥った主人公たちが疑心暗鬼で反目しあうようになっていく』というのは、この手の作品ではありがちなパターンではあるものの、登場人物たちのキャラの掘り下げが非常にシッカリしているうえに極度にバカなキャラも居ないため、反目しあう流れにも説得力があってあまりイライラさせられないのは良く出来ています。(『このシチュエーションなら反目しあってもおかしくないよね』みたいな感じ…)


 睡眠不足の主人公たちが見る『幻覚』も良い味を出していて、妙に説得力のある『極限状態』を表現しており、基本的には『眠っちゃダメ』ってのがベースの話なのに、ラストまで先が読めなくてシッカリと緊張感が感じられるんですよね。


 ただ、製薬会社である『悪徳企業』の行いがあまりにも悪辣すぎて『そこまでする事ないやろ』とツッコミを入れたくなるレベルなのと、何の新薬の試験なのは良く分からないですが『被験者が全員死ぬような臨床試験にどのぐらい意味があるんだろう?』とかって辺りが気になる部分かなぁ?


 特にラストの展開はやや蛇足に感じられたので、もうちょっと『含みを持たせるようなオチ』の方がブラックな感じが出て良かった気がしますよ…

 


 総評としましては、シッカリと作られた『なかなか良く出来た治験を題材とした医療系サスペンス映画』って感じですね。


 設定だけ聞くとイマイチっぽいのに、予想以上にサスペンスとしてキチンと楽しめる内容で、映像や雰囲気も悪くなくて見どころも多く楽しめる作品でした。


 とまれ強くオススメとまではいかないものの、設定やらが気になっているような場合はとりあえずチェックしておいても損は無い一本だと思いますよ。

 

映画レビュー:「三日葬/サミルチャン」(55点/オカルト)

■■■「三日葬/サミルチャン」■■■
(55点/オカルト)


 高名な心臓外科医チャ・スンドは、心臓疾患により余命いくばくもない娘のソミに自らの手で心臓移植の手術を行う。


 しかし手術は成功するも、その手術以降、ソミは何者かに取り憑かれたかのように異常で凶暴な行動を取るようになり、困り果てた一家は神父のパンに悪魔祓いを依頼。


 激しい抵抗を受けつつも悪魔祓いは成功したかに見えたが、ソミはそのまま命を落としてしまう。


 悲しみに暮れる家族たちは、ソミのために3日間に渡る本格的な葬儀『三日葬』を行う事となるが、葬儀場で次々と異常な現象が発生し…

 


 悪魔に取り憑かれて悪魔祓いの末に亡くなった少女の葬儀を執り行ったところ葬儀場で次々と異常な事態が発生し始め…という感じの韓国製オカルトホラー映画。


 韓国製オカルトホラーって、以前はJホラーっぽい『じっとり系の心霊作品』が多かったのですが、最近はこういった『悪魔祓い』とかを題材とした作品も増えてきた印象ですね。 韓国はキリスト教が盛んなので題材として実感が湧きやすいといった影響でしょうか?


 お話としては『とある心臓外科医が自分の娘に心臓移植手術を行うも、手術後に娘が悪魔が取り憑かれたように豹変。悪魔祓いを行ったところ悪魔は払えたものの娘は命を落としてしまい、その葬儀を行う事となるが葬儀場で異常な事態が次々と発生し…』といった感じのストーリー。


 タイムライン的にはメインとして『葬儀場で起こる怪奇現象』追いつつも、並行して『少女に心臓移植のドナーに隠された恐るべき秘密』やら『少女に取り憑いていた悪魔の正体』やらが徐々に明らかになっていく…という感じの構成で、サスペンス要素の強めのオカルトホラー映画って感じの内容ですね。


 序盤で『主人公の医師とその娘』や『悪魔祓いの神父』といった主要登場人物のキャラクターやら過去の掘り下げをまとめて行っているため、説明的なシーンを無理矢理詰め込んでいる感があって、ややゴチャゴチャしてテンポの悪さを感じさせる部分があるものの、お話が割とサクサクと進むので冗長さを感じさせないようになっているのは、割と好印象。


 また、中盤に突入してからの『謎解きパート』はなかなか面白くて、次々と新たな秘密が判明して予想外の展開に突入していくのは良く出来ています。


 ただサスペンスとしては面白いものの、ホラー要素が意外と薄め恐怖シーンとかが全体的にアッサリしていて、ちょっと物足りなさを感じてしまうのは残念なところ。


 悪魔祓いシーンにしても定番の描写に徹している感がある(良く言えばエクソシストのリスペクト的なノリ)ので、もうちょっと本作ならではの個性のようなものが欲しかったかも?


 あと、終盤の展開がやや唐突すぎてちょっとゴチャついた印象になってしまっているのも勿体ない部分なので、逆にその辺はもうちょっと分かりやすい展開にしても良かったんじゃないかなぁ…


 でもまあ、オチの落としどころは良い感じですし、スッキリと楽しめる内容のなかなか良い映画でしたよ。

 


 総評としましては、そこそこ楽しめるレベルの『韓国製の悪魔祓いものオカルトサスペンス映画』って感じですね。


 やや物足りない部分もあるものの、捻りの効いた設定は面白いですし映像のセンスなんかも割と良くて、オカルトホラー映画としては普通に楽しめる内容だと思います。


 ストーリーやら『韓国製の悪魔祓い映画』というジャンルやらが気になるようであれば、とりあえずチェックしてみても良い感じの一本かもしれませんよ。

映画感想:「ドント・フィード・ザ・チルドレン」(40点/サスペンス)

■■■「ドント・フィード・ザ・チルドレン」■■■
(40点/サスペンス)


 近未来、子供たちにのみ感染し子供を『食人鬼の怪物』へと変異させる新型ウイルスが大流行し、文明は崩壊の危機へと瀕していた。


 ウイルスに感染しても、ウイルスを体内に保有したまま発症しない子供も多くいた事から、大人たちは子供を恐れて証拠も無いままに強制収容所に隔離したり、虐殺したりといった行為が日常的に行われていた。


 そんなある日、16歳の少女メアリーは『子供たちにとって安全な国』があるという噂を聞き、仲間たちとともに自国から脱出しようと国境へと向かう事となる。


 しかしそんな矢先に、大人たちとの戦闘によって仲間の一人が負傷してしまい、とある女性の暮らす一軒屋へと逃げ込んだところ、その家の女主人は子供を恐れる事なく、彼らに治療を施したうえに、彼らを受け入れてくれるが…

 


 子供のみに感染し子供をゾンビのような怪物へと変異させるウイルスの大流行する世界で、大人たちから逃走する少年たちの体験する恐怖を描いた、モンスターホラー風味のサスペンススリラー映画。


 S・スピルバーグの娘が監督した作品という事なのですが、コッポラ監督のやらクローネンバーグ監督の子供は、二世監督としてその才能を発揮してそこそこの名作を撮っていたりするのですが、スピルバーグの娘だからと言って『必ずしも才能が遺伝する訳でも無いのかなぁ…』と言いたくなるような、なんとも微妙な出来栄えの作品です。


 お話としては、『「子供にのみ感染し怪物へと変異させるウイルス」の大流行する世界で、ウイルスのキャリアとして大人から隔離され虐待された子供たちが、「子供たちが安全に暮らせる国」を求めての逃避行をの最中に負傷してしまい、怪しげな一人暮らしの女性の家に逃げ込んだところ監禁されてしまい…』という感じのストーリー。


 まず何が微妙って『子供を怪物に変えるウイルス』が大流行している世界という設定の割には、『ウイルスに感染するとどうなるのか』とか『大人たちにとってウイルスがどんな脅威なのか』が序盤に一切描かれないため、世界観にいまひとつに入り込めないのが困りもの。(一応、終盤では少しだけ描かれる。)


 更には『子供たちが理不尽に虐待されている様子』も殆ど描かれないままお話が進むため、単に『ホームレスの不良少年の集団が略奪行為を行って大人たちから追われている』ようにしか見えなくて、どうにも大人の立場にも子供の立場にも全く共感できないんですよ…


 中盤から主人公たちが『頭のおかしい女主人』の家に監禁されるのですが、それも『略奪行為を行おうとして捕らえられた』という風にしか見えなくて自業自得としか思えないため、主人公たちの立場に全く感情移入できないんですよね。


 一応、『頭のおかしい女主人が少年たちを捕えた真の目的は何なのか?』みたいな部分の謎解き要素やら、『少年たちは無事に脱出できるのか?』といった部分を中心にサスペンス風にお話が展開していくのですが、女主人の狂いっぷりもそこまでのレベルじゃないうえに、大した事件も起こらないまま淡々と進んでいくため、とにかく観ていて退屈な内容というのが正直なところ。


 終盤はそこそこ盛り上がる展開に突入するのですが、見せ場となるシーンが少なすぎるうえに、ラストのオチも妙にアッサリしてて中途半端で物足りないのは困りもの。


 もっとサイコサスペンスが描きたいのか、少年たちのロードムービー的な成長ドラマが描きたいのか、テーマを絞ってお話を作った方が良かったんじゃ無いかという気がしますよ…

 


 総評としましては、どうにも微妙な出来で『退屈で物足りなさの残るサスペンススリラー映画』って感じですね。


 『子供たちが大人から虐げられるディストピア』という設定に『ゾンビ要素』を絡めるのは悪くなかったとは思うのですが、どうにも昇華しきれておらず設定倒れ感のある作品でしたよ。


 まあでも『全方位に微妙』なだけで壊滅的にツマんないって訳ではないので、設定やらが気になるようであれば観るのを止める事はしませんが、急がないのであればどこかのサブスク系サイトでの配信とかを待っても問題が無いレベルの一本だと思いますよ。

 

映画感想:「アンティル・ドーン」(55点/オカルト)

■■■「アンティル・ドーン」■■■
(55点/オカルト)


 女子学生のクローバーは、友人たちと共に1年前に失踪した姉のメラニーを探すために、その足跡を追って人里離れた廃墟と化した山荘へと訪れる。


 しかし、その場所で唐突に出現した仮面の殺人鬼によって全員が殺害されるが、死んだはずの彼らは目を覚ますと、再び『山荘を訪れた直後』に時間が巻き戻っている事に気付く。


 混乱しているところを、再び前回とは別の殺人鬼によって全員が殺された事によって、自分たちが映画のような『死のタイムループ』に巻き込まれている事を知る。


 彼らは、なんとかしてタイムループを抜け出す方法を探るが、やがて『夜明けまで生き残ること』がこの現象から逃れるための条件だと判明し…

 


 『死のタイムループ』が発生する呪われた町を訪れた若者たちが、なんとかして呪いの秘密を解き明かしてタイムループから逃れようとする…という、スプラッタ系オカルトサスペンス映画。


 お話としては『若者たちが行方不明の姉を追って廃墟と化した山荘に辿り着くんだけど、その場所は実は「殺されたら死ぬ前の時間に巻き戻る」という謎の現象が発生する呪われた場所で、若者たちは延々と「殺され続ける」運命から逃れるためになんとかしてタイムループから脱出しようとするが…』みたいな感じのストーリー。


 もともと、プレイステーションで発売されていた同名の『タイムループ系の映画風ホラーアドベンチャーゲームが題材となった作品なのですが、ベースとなっているのが『映画風のゲーム』のため映像化による違和感はあまり無く、普通に楽しめる内容のタイムループ系のホラー作品となっています。(一部で『ゲームっぽいな』と感じる演出もありますが…)


 ベースがゲームだけあってか、とにかく『お話の展開が非常に速い』のが特徴で、主人公たちがサクサクと殺されて、サクサクと『次のループ』に突入してお話が進んでいくというテンポの良さは良い感じ。


 元がゲームだけあって、周回するプレイヤーが飽きないように『様々なシチュエーション』での『様々な死のパターン』が作られており、観ていて退屈しないのも良い点ですね。


 ただ、もともとゲームとして割と長い作品を100分程度の尺に無理矢理収めているため、速すぎる展開をフォローするために矢鱈と説明的なシーンが多いのはちょっと気になるところ。


 またストーリーを詰め込み過ぎなせいで、主人公たちのキャラの掘り下げがやや希薄になっており、登場人物が全体的にちょっと軽薄な印象を受けるんですよね…


 終盤の展開も矢鱈と唐突感がありますし、様々なゲーム上のシチュエーションを上手く100分にまとめたなとは思うのですが、やはり作品のボリューム的に『ちょっと無理があったかな…』と感じる部分のある作品でしたよ…

 


 総評としましては、割とシッカリと作られた『そこそこ良く出来たタイムループ系のオカルトホラー映画』って感じですね。


 残虐描写や映像表現も色々と凝ってて面白いですし、唐突すぎるシチュエーション『ゲーム版がベースになっている』と理解したうえで楽しむ分には、そこまで気にはならないかな?(『ゲームではこういう展開なのね』と何となく予想できるので…)


 とまれサクッと観るには楽しい作品ですので、シチュエーションやら設定やらが気になるようであれば、とりあえずチェックしておいても損は無い一本だと思いますよ。