
■■■「キラー・ホエール」■■■
(40点/生物パニック)
バイト先で強盗に襲われたせいで聴力と恋人を失ったマディは、事件から1年後に再開した親友のトリッシュと共に、タイのアダンマン海のリゾート地へと気晴らしの旅行に出かける事となる。
旅行先で知り合った地元ガイドのジョシュと共に、地元民しか知らない秘密のサンゴ礁へと赴いた彼らだったが、唐突に出現した巨大なシャチによってジョシュが殺されるという事件が発生。
そのシャチは、近隣の飼育施設で飼育員を殺害した恐ろしい殺人シャチの『シト』で、彼女たちはなんとか小さな岩場の上へと非難するも、シトは執拗に彼女たちを付け狙い、連絡手段も無く水も食料も無い極限状況で、二人は徐々に体力を失っていってしまい…
殺人シャチによって狭い岩場の上に追い詰められた少女たちが、なんとかして危機的状況から脱出しようとする…というシャチを題材とした生物パニック映画。
シチュエーションや雰囲気だけ見ると分かる通り、なんとなく「ロスト・バケーション」のシャチ版みたいな感じのお話ですね。
もともとシャチは『基本的に人間を襲わない』という性質のせいもあって、シャチをメインの題材とした生物パニック映画って驚くほど少なくて、『1977年の「オルカ」以来なんじゃないか?』というぐらいレアな作品なのですが、久々の新作の割にはなんというか微妙な作品という印象。
何が微妙って、色々な意味でとにかく全体的に中途半場なんですよね…
前述のとおり、シャチは特定の環境や条件下(人間に強い恨みを抱いている)以外では人間を襲う事は無くて、「オルカ」でも『連れ合いと子供を人間に殺されたシャチが復讐する』みたいな設定だったのですが、本作でもそれっぽい設定はうっすらと語られるものの、メインであるシャチの『シト』が何で人間に恨みを抱いているのかはあまり明確には描かれず(それとなく『子供を殺されたんじゃないか』みたいな説明はある)、どうにもぼんやりとした印象。
それ以前にそもそもシャチの出番が物凄く少なくて、キャラも薄いうえに怪物としての存在感も薄いのが困りもの。
ぶっちゃけ、お話の中盤とか『居るのか居ないのか分からない』ようなレベルで影が薄いせいで、命を狙われているという危機感が感じられなくてとにかく退屈です。
シャチが出てこない間は何をやってるかというと、基本的には極限状況での主人公たちの人間ドラマという感じ。
主人公がシャチの境遇に自分の境遇を重ねて見たりとか、それなりにキャラの掘り下げはあるものの、そもそも主要登場人物が主人公と友人の2人しか居ないうえに、シャチの襲撃シーンも物凄く少ないので全体的にどうにもテンポが悪くて退屈なんですよ。
というか、お話を盛り上げるために中盤で唐突に明かされる『衝撃の事実』が、あまりに唐突過ぎて『えっ、どういう事、実は今のも夢だったとか?』と、真剣に疑いそうになったのは自分だけですかね?
ラストも物凄くアッサリしてて、なんの盛り上がりも無いまま終わる感じで物足りなかったですし、『もうちょっと「シャチ」の特徴を活かすようなお話に出来なかったの?』という疑問しか湧いてこないような映画でしたよ。
総評としては、なんというか『微妙な出来で盛り上がりに欠ける生物パニック映画』って感じですね。
この界隈では珍しい『シャチを題材とした生物パニック映画』ではあるのですが、正直なところ『シャチを使う意味なくない?』という感じの内容で、シャチである事に期待していた場合は物足りなさが残る内容という印象。
純粋に『生物パニック映画』としてもそこまで面白い内容では無いので、『どうしてもシャチ映画が観たい!!』という欲求でも無ければ、普通にスルーしてしまっても問題の無い作品という感じでしたよ…





