NIGHT_SHIFT (B級映画&ゲーム雑感 上井某BLOG)

上井某(家主)が観た「B級映画」(主にホラーとサスペンス)の感想と、たまにゲームとかアニメとかについてつらつらと語るブログです。

映画感想:「エレベーター・ゲーム」(50点/オカルト)

■■■「エレベーター・ゲーム」■■■
(50点/オカルト)


 大学生のライアンは、都市伝説を検証し論破する動画を投稿しているグループに参加する事となる。


 実はライアンには妹が居たが、妹は数か月前に『異世界に行く方法』として知られる都市伝説で、エレベーターの階数を特定の順番で押すと異世界に繋がると言われる『エレベーターゲーム』をライブ配信で行ったところ、配信の途中うにそのまま行方不明となってしまっていたのだった。


 ライアンは妹を捜索するために、このグループへと『エレベータゲーム』の検証を提案
 彼の提案は受け入れられ、彼らは妹が行方不明となったその現場でゲームを実行する事となるが…

 


 異世界に行く方法』として有名な都市伝説である『エレベーターゲーム』を行った若者たちが、想像を超える恐怖へと巻き込まれる…という、オカルトホラー映画。


 日本でも割と有名な都市伝説である、いわゆる異世界エレベーター』を題材としたオカルトホラーですね。


 異世界エレベーター』というと、『特定の順番でエレベーターのボタンを押して階を移動すると、最終的に異世界へと繋がる』というものですが、途中の階で女の幽霊(作中では『赤い女』)がエレベーターに乗り込んで来ようとするという辺りも同じなので、基本的には日本のものとも同じルーツを持つ都市伝説のようです。(というか、こちらが元祖なのかな?)


 お話としては『過去の異世界エレベーターの都市伝説を検証して行方不明になった妹の消息を追うために、その兄が「都市伝説調査グループ」の協力を得て、その謎に挑む』といった感じの展開なのですが、主人公に協力するのが『都市伝説の嘘を暴く暴露目的の動画配信チーム』という辺りは、いかにも現代的な設定という印象。(昔なら心霊調査チームとかTVのバラエティ番組とかだったんだしょうが…)


 作中では、当然のごとく『都市伝説は本当にヤバい内容で、暴露チームの面々が酷い目にあう』というのはお約束の展開。(失礼な動画配信者は洋の東西を問わず嫌われてるっぽいので内容に適した配役とも言える?)


 本編で主人公たちにも指摘されていますが、異世界に繋がるまでのプロセス』が割と長めで、異世界に繋がってからもすぐに異変が起こる訳ではないため、前半部分がやや冗長でちょっとテンポの悪さを感じます。


 ただ、妹の失踪に実は『動画配信チーム』のとある人物が関わっていたりと、キャラの掘り下げで間を持たせようとしているのは悪くない印象ですね。


 中盤以降のお話が動き出してからの展開は、割とテンポも良くサクサクと進む感じで、作中のメイン要素となるのは『異世界エレベーター』よりも『赤い女』の方なのですが、この『赤い女』のビジュアルがなかなかに強烈で、スパイダーウォークのように身体を捻じ曲げながら物凄いポーズで主人公たちに襲い掛かってくる姿は、インパクトもあって悪くない印象。


 終盤で『赤い女』の秘密が判明するという構成も、謎解きとしてはなかなか良く出来ています。


 ただ、せっかく『異世界エレベーター』を題材としている割には、『異世界』要素はあんまり無くて、殆どが『赤い女』に絡んだ話となってしまっており、途中からは単なる心霊ホラーっぽいノリになってしまっているのは残念なところ…
 もうちょっと『異世界』の『異世界らしさ』をシッカリと描いて欲しかったです。


 あとラストのオチに関しても、投げっぱなしで面白味が薄く『結局どないやねん』みたいな終わり方だったので、その辺も不満なところかなぁ?

 


 総評としましては、『可も不可も無い感じの都市伝説ものオカルトホラー映画』って感じですね。


 有名な題材をモチーフにしている割に、ちょっとネタとして消化しきれていない雰囲気があり、いまひとつ物足りなさを感じる印象。


 『赤い女』のビジュアルとか悪く無い部分もあるので、気になるようであれば観るのは止めませんが、急いで観る事をオススメするほどの作品かと言われると悩ましいところなので、安くなったりサブスク入りしたりするのを待つ感じでも良い作品ではないかと思いますよ。

 

映画感想:「ギガ・シャーク」(40点/生物パニック)

■■■「ギガ・シャーク」■■■
(40点/生物パニック)


 ある日、外科医のシェンは、洋上で行われる従妹イーランの誕生日パーティに参加する事となる。


 イーランのボーイフレンドであるティエンミンと、彼の職場の上司ウェンディーと共に4人でヨットで洋上に出た彼らだったが、ウェンディーに嫉妬するイーランの悪戯によって、船の上に戻れなくなるというアクシデントが発生。


 そんな矢先に洋上を漂う彼らを巨大なサメが襲撃し、イーランがサメに襲われて喰われてしまう。


 なんとか近くを漂流していたボートの上に避難した彼らだったが、ウェンディーもサメに噛まれて負傷し、一刻も早い治療が必要となってしまい…

 


 洋上で誕生日パーティを行っていた若者たちが、ふざけていて海に落下したところ巨大ザメに襲われる…という、中国製の生物パニック映画。


 最近、大量生産されている中国製の生物パニック映画やらモンスター映画のうちの一本ですが、内容的には特にコレといった特徴がなくて盛り上がりに欠ける『地味でオーソドックスなサメ映画』という印象の作品です。


 お話的には先述のとおり『ヨット遊びをしていた若者たちがふざけていて落水して船に戻れずに困っていたところ、巨大なサメの襲撃を受ける』という、ホントにそれだけの内容。


 登場人物が全部で4人アバンタイトルでサメの顔見せのために2人ぐらい喰われる人が出てくるけど)しか居らず、そのうち1人は最初の10分ぐらいで速攻で喰われてしまうので、なんというかとにかく登場人物が少なくてお話が薄いのが特徴です。


 サメのCGはそこそこ気合が入っており(といっても他の作品の流用かもしれませんが…)、襲撃シーンでは何故か矢鱈と水面に顔を乗り出して襲って来てくれるので、襲撃シーンにそこそこ迫力があるのは悪くない印象。


 ただ登場人物が少なすぎるせいで襲撃シーン自体が少な目で、『ダラダラと洋上を漂流しているだけ』みたいなシーンも多くて、70分程度の尺の映画なのに間延び感が強いのは困りもの。


 一応、会話シーンでキャラの掘り下げみたいなものあるのですが、それも妙にアッサリしていてドラマ的にも盛り上がる要素が無いため、全体的にどうにも冗長で退屈です。


 ラストで「ロスト・バケーション」をリスペクトしたっぽいシーンなんかがあるものの、キャラの掘り下げも薄くて主人公にもサメにも魅力が無く、緊張感もあまり無い作りのため、いま一つ盛り上がりに欠けるんですよね。


 せめて登場人物や巨大ザメにもうちょっと魅力があれば、もっと楽しめる内容になったのかもしれませんが…


 ただ、中国の映画にしてはヒロイン勢の水着シーンが多めで、お色気的に目の保養になるのは良い点ではあるかなぁ…


 主人公たちのビジュアルも良いので、もしかしたら人気女優とかアイドルの売り込み的な作品だったりするのかしらん?

 


 総評としましては、『いま一つ緊張感が薄くて盛り上がりに欠ける巨大ザメものの生物パニック映画』って感じですね。


 本作ならではの見どころも薄く、どうにも盛り上がりに欠ける内容ですので、オススメするような要素はあまり見当たらないというのが正直なところ。


 まあ冗長なだけでそこまで酷い映画ではないので、気になるようであれば観るのを止めるほどではないですが、よほど急いで観たいとかで無ければどこかのサービスでサブスク入りを待っても良い程度の作品かもしれませんよ…

映画感想:「コンクリート・ユートピア」(55点/パニック)

■■■「コンクリートユートピア」■■■
(55点/パニック)


 世界各地で起こった謎の地盤隆起現象による大災害で、ソウル市街では殆どの建物が倒壊。


 災害をなんとか生き延びた人々は、偶然にも奇跡的に崩壊を免れた巨大マンションである『ファングンアパート』に押し寄せる事となる。


 最初は避難民を受け入れていたものの、アパート内での不法侵入や犯罪行為が横行するようになり、危機感を抱いた住民たちは、自分たちの身を守るために、火災現場で捨て身の消火活動を行った902号室のヨンタクを『代表』として防衛隊を結成。


 アパート外の住人を追い出し、閉鎖的な環境での厳格なルールの下で『ユートピア』を築きあげるが、食料や物資が乏しくなるにつれて住民たちはエゴを剥き出しにするようになり、やがて『代表』であるヨンタクもその秘められた狂気が明らかになっていき…

 


 大災害によって崩壊した都市で、生き延びた人々が築き上げたいつわりの『楽園(ユートピア)』の崩壊までを描いた、韓国製の人間ドラマ風味のディザスターパニック映画。


 一応、パニック映画と分類しているもののパニック要素はそこまで強くなくて、むしろ『災害の後に生き延びた人たちが自分たちの利益を守るために団結するものの、そのエゴによって滅びへと向かっていく』みたいな感じで、系統的には人間ドラマ要素が強めの内容。


 お話的には、災害を逃れたマンションの住民で、マンションの運営を行う『代表』として選ばれた男と、男の片腕として『防衛隊長』として選ばれた男の『ダブル主人公』的な構図でお話が進んでいく感じの展開。


 唯一の被災を免れたマンションの住人たちが、自分たちの優位な境遇から選民思想的な考えに囚われて徐々にエゴを剥き出しにしていくなかで、住民たちへの支配力を強めていくうちに徐々に狂気に駆られていく『代表』と、疑問を持ちつつも生きるために仕方なく活動する『防衛隊庁』という2つの立場から物語が描かれていきます。


 120分強と尺が長めですが、この2人の人間ドラマやらキャラの掘り下げに多くの尺が使われている感じで、その分しっかりとキャラが掘り下げられており、作中で独裁者的な立場になる『代表』の男性キチンとその立場や行動が理解できるような構成になっているため、単に『権力を手に入れて狂気に狩られたヤバい奴』で終わってないのは良い感じです。


 ディザスターパニックらしく少しだけ災害シーンも描かれますが全体的な尺のなかでは短めで、殆どは『崩壊した後の世界』が描かれるポストアポカリプスもののような内容。


 メインの舞台が被災後の廃墟なのに加えて、極限状態での人間の『醜い部分』を描き出すような話のため、途中から『あまり救いのない感じの展開』なのが予想できるため、終始重苦しい気分になってしまうのはちょっと辛いところかなぁ?


 オチの落としどころとかは悪くないものの、もうちょっと緊張感のある災害シーンとか見せ場となるシーンを描いてテンポを良くするか、希望の持てそうな要素が多くあった方がスッキリと観れる内容になって良かったかも…

 


 総評としましては、そこそこ良く出来た『ポストアポカリプステイストのディザスターパニック映画』って感じですね。


 悪くはない内容なのですが、人間ドラマが中心でお話が全体的に重めなのに加えて尺も少し長めなので、観ていてちょっと疲れる映画というのが正直な感想です。


 そういう『重めのドラマ』が好きな人であれば割とオススメ出来る内容だと思いますので、気になるようであればチェックしてみても良いかもしれませんよ。

 

映画感想:「サウンド・オブ・サイレンス」(40点/オカルト)

■■■「サウンド・オブ・サイレンス」■■■
(40点/オカルト)


 ニューヨークで暮らすエマは歌手を目指して活動したいたるが、対人恐怖症のせいもありオーディションが上手くいかず、落選し続けて自信を失っていた。


 そんなある日、父が入院したという連絡を受けた彼女は、恋人のセバと共に故郷のフランスへと向かう事となる。


 医者から、父が階段から落ちて頭を打ち面会を行えないと知らされた彼女は、母親に事情を聞いたところ『唐突に別人のようになって母親を殺そうと襲い掛かり、それに抵抗するために階段から突き落としてしまった』という、驚くべき話を聞かされる。


 両親の奇妙な行動に不審に思いつつも、恋人と共に実家で一夜を過ごす事となった彼女は、ガラクタ修理が趣味の父が事故の前に修理していたという古びたラジオの電源を入れてみたところ、ラジオから音が流れた瞬間のみ『居ない筈の何者かの姿が見えるようになる…』という驚くべき現象を目撃するが…

 


 ラクタ屋で手に入れてきた古いラジオが実は呪われており、ラジオの電源を入れた瞬間から『何か』が出現するようになる…という、オカルトホラー映画。


 元々、短編映画として作られて評判が良かったものを長編としてアレンジしてリメイクした作品のようですが、『ビジュアル的な面白さ』に特化して作られた良い意味で『短編らしい』特徴を持った作品という感じですね。


 本作のウリと言える『(ラジオから)音がした瞬間のみに幽霊が出現して、少しづつ迫ってくる』という設定はビジュアル的にもなかなか面白くて、「ライト/オフ」(電気を消した瞬間のみ幽霊が出現する映画)の逆バージョンというようなテイストで、なかなかインパクトがあって良い感じ。


 スイッチをオン/オフするかのように『音が聞こえた瞬間のみ怪異や怪現象が出現する』というビジュアルは、オカルトというより都市伝説的な味わいがあって面白いです。


 ただ肝心のお話の方は、ホントに『その設定を活かすためだけにお話が作られたんだろうなあ』というようなテイストで、どうにも盛り上がりに欠ける内容という印象。


 ややネタバレをしてしまうと、ラジオにはとある『家族の霊』が取り憑いており、戦争の後遺症で『音に異常に敏感になった父親の霊が、音を立てた犠牲者に取り憑いて他の人間を襲う』みたいな設定なのですが…


 音のした瞬間のみ出現するというビジュアルやら、呪いのラジオに秘められた秘密を解くプロセスは割と面白いものの、幽霊自体はあまり怖くないうえにお話のテンポも遅くてどうにも冗長な作りなのが気になるところ。


 また、『音を出すと霊に襲われる』という設定から異常に静かなシーンが多くて、淡々とした展開も含めて観ていて眠くなってしまって大変でした…


 作品全体としての『雰囲気づくり』は悪くないものの、登場人物が少なく犠牲者も少ないため山場となるシーンもあまり無いですし、ラストのオチもやや蛇足な感じでしたし、短編のアイデアをもう少しうまく活かして欲しかった感じの作品でしたよ。

 


 総評としましては、『淡々としてていま一つ盛り上がりに欠けるB級オカルトホラー映画』って感じですね。


 ビジュアルとか雰囲気とか悪くない部分もあるのですが、なんとなくそれだけで終わってしまっている感じなので、推すには弱い作品という印象。


 気になっているのであれば観るのを止める程では無いですが、よほどで無ければ『どこかのサービスでサブスク入りとかを待っても良い程度の一本』かもしれませんよ。

 

映画感想:「セーヌ川の水面の下に」(70点/生物パニック:オススメ)

■■■「セーヌ川の水面の下に」■■■
(70点/生物パニック:オススメ)


 トライアスロンの国際大会を目前に控えたパリで、会場となるセーヌ川で巨大ザメが目撃され、犠牲者と思しき死体が発見される。


 環境保護の調査中に巨大ザメに夫と仲間を食い殺された過去を持つ海洋生物学者のソフィアは、調査用のビーコンからそのサメがかつて仲間たちを食い殺した、全長7mの巨大なアオザメである事を知る。


 警察からの依頼によってサメの捕獲に協力する事となった彼女だったが、サメの存在を軽く見た市長はイベントの準備を強行。
 更に、そのサメは環境の変化による突然変異によって、とてつもなく危険な存在へと変化を遂げていたのだった…

 


 トライアスロン大会に湧くパリのセーヌ川に突然変異した巨大ザメが出現し大パニックを引きおこす…という、巨大ザメものの生物パニック映画。


 Netflixのオリジナルで制作された人食いザメもののフランス製の生物パニック映画なのですが、『サメ映画』って割と『B級の低予算映画の代表格』的なイメージがあるのですが、本作は良い意味で予想を裏切るレベルでかなりシッカリと予算をかけて作り込まれていて、エンタメとしても十分に見ごたえのある作品に仕上がっています。


 ネトフリのオリジナル作品は当たり外れはあるものの、たまにこういう物凄い良作をブチ込んで来るから油断できません。


 お話としては、トライアスロンの開催が迫すパリのセーヌ川で巨大ザメが目撃されて、過去にサメに仲間を殺された生物学者が警察と協力してサメの捕獲に乗り出すんだけど、実はそのサメはかつて彼女の仲間を殺したサメで、更には利権に目がくらんだ市長がトライアスロンを強行開催する事となり…』みたいな感じの展開。


 プロット自体は非常にオーソドックスな構成という感じなのですが、フランス製の映画だし主人公が過去にトラウマを抱えていたりする辺り、てっきり『人間ドラマが中心の地味目の展開』になるのかと思いきや、地味なのは序盤の導入部分のみでかなり見どこのの多い生物パニック映画に仕上がっています。


 設定的に『利権に目がくらんだ市長が警告を無視してイベントを強行する』みたいな流れは定番といった感じですが、他にも『頭のおかしい環境活動団体がサメの捕獲の妨害しようとする』みたいな展開もあったりする辺りは、割と現代的な風刺が効いた内容という印象。


 お話のプロットや雰囲気的に、てっきりラストまでダラダラと引っ張って『イベント会場にやっぱりサメが現れました』みたいな展開かと思いきや、なかなかに予想を裏切る先の読めない展開の連続で、中盤あたりにもシッカリと見せ場を持ってきており退屈しない構成になっているのは好感触。


 リアル寄りの設定(少なくともサメが空を飛んだりしない)でありながら、『サメなんて海に近づかなければ怖くないでしょ』って常識をシチュエーションやら力技やらで覆すような演出で、襲撃シーンではシッカリと『サメの怖さ』を存分に描く作りなのも良く出来ています。


 犠牲者もサメ映画としてはかなり多めで、それこそ『食い足りない』という印象を受けない内容になっているのは良いですね。


 終盤もコテコテの展開と思いきや、予想を裏切るレベルのド派手な大虐殺と大惨事と言う感じで、想像以上の迫力で大満足できる内容でした。


 ただ、見せ場が多い故にキャラの描き込みは全体的に薄めなのは気になるところで、主人公の相棒となる警官とかチームのメンバーは、もうちょっと掘り下げがあっても良かったのでは…って気がしましたよ。


 あと、ラストは落としどころとしては悪くないものの、やや力技すぎて『そんなアホな』とツッコミを入れたくなったのは自分だけですかね?(笑)

 


 総評としましては、『数年に一本出るレベルで非常に良く出来た人喰いザメものの快作生物パニック映画』って感じです。


 色々とツッコミどころはある内容ながらも、ツッコミどろこを小技ではなく『派手な演出と力技で捻じ伏せる』という、予想以上にパワフルな映画ですので、派手なパニック映画をサクッと楽しみたい人には特にオススメですね。


 Netflixオリジナル作品故にネトフリに入っていないと観れないのが難点ですが、生物パニック映画とかが好きで観れる環境のある人は間違いなくチェックしておいて損のない一本ではないかと思いますよ。

 (正直なところ、地味そうな映画の『あらすじ』と『パッケージ(サムネイル)』で損をしている部分があると思うので、映画の内容に合わせてもうちょっと派手な感じにした方が良いと思う…)

 

映画感想:「ジュラシック・シャーク -3.0」(20点/モンスター)

■■■「ジュラシック・シャーク -3.0」■■■
(20点/モンスター)


 全長15mを越える巨大な人喰いザメの目撃情報が相次ぐ港町のカッツマンコーブで、美術品を盗んだ美術品窃盗団がサメに襲われて、高価な絵画が海底に沈んでしまうという事件が発生。


 その頃、モデルのブリーは巨大ザメのウワサに怯えつつも、カメラマンのスタンらと共に撮影のためにカッツマンコーブへと訪れるが、撮影の最中に3人組の窃盗団が彼らの船をハイジャック。


 窃盗団の仲間たちがサメに襲われた際に、海底に沈んでしまった美術品を回収するために、無理矢理協力させられる事となる。


 しかし、海上でのトラブルによって、カメラマン兼操縦士のスタンが巨大ザメに食われてしまったことから、彼らは巨大ザメの徘徊する海上を漂流することとなってしまい…

 


 石油基地の違法採掘によって蘇ったメガロドンが、海に訪れた人々に執念深く襲い掛かる…という、モンスターパニック映画。


 超低予算のB級(というかZ級)ホラー映画マニアなら知らない人は無いと言われる、Z級映画の帝王マーク・ポロニア監督の新作映画です。


 ゴジラ-1.0」のヒットにあやかって、『あっちが-1.0なら、こっちは-3.0だ!!』みたいなノリで付けられた邦題のようですが、一応は過去の「ジュラシック・シャーク」シリーズと話の繋がったストーリーとなっており、シリーズの3作目に当たる作品のようですね。


 『というか「ジュラシック・シャーク2」なんて出てたっけ?』と思って調べてみたところ、日本では発売されていないだけで、どうやら海外では2も普通に作られていた模様。(もしくは、自分の知らないところで、日本でも公開されていたのかもしれませんが…)


 ただ、お話としては『1作目の美術品強盗団の話』と繋がった内容となっているようで、2は観ていなくてもあまり困らなさそうな雰囲気です。(というか、3を観たおかげで、『そういうや1作目はこんな話だったなあ』という無駄な記憶が蘇ってしまいましたよ。(笑))


 肝心の映画の中身の方は、マーク・ポロニア監督の映画というだけで十分に『推して知るべし』ってレベルなのですが、それでも本作はどちらかと言うと『ダメな方のポロニア映画』に近い印象。


 ポロニア監督の映画って、特撮が『合成』と呼べないような切り貼りレベルの映像でダメダメなのはいつもの事で、本作でも『全長15m以上の巨大ザメ』という設定なのに、人間を襲撃するシーンではどう見ても2~3mぐらいになったり、ヘリを襲撃するシーンでは10m以上のサイズになったりと、『適当な作りにも程がある』というような内容なのですが…


 そんなショボい映像でも『臆面もなくモンスターを画面に登場させまくって、テンポよく大暴れさせてくれる』というのが見どころだったりするのですが、本作はサメの出番が少な目で、お話自体のテンポも悪くて全体的にグテグテとしたシーンが多めの印象。


 更に、ストーリーや設定が『1作目の焼き直し』みたいなプロットのせいもあって、マンネリ感があってどうにも退屈です。


 ただ退屈なまま終わるのかと思いきや…ここからはネタバレになるのですが、終盤で『ポロニアマルチバース』とでも言うような超展開に突入。


 まさかの展開に予想以上に楽しめてしまって、何だか悔しさすら感じでしまいましたよ。(笑)


 続編を作る気まんまんみたいな終わり方ですし、これはマーク・ポロニア監督の作品が好きな人(?)であれば、ある意味で観ておいて損はない一本だと思いますよ。

 


 総評としましては、相変わらず『特撮・ストーリー含めてこれ以上ないレベルで酷い出来の超低予算モンスターパニック映画』って感じの作品です。


 ただ、前述のとおりマーク・ポロニア監督の作品が好きで、色んな作品を一通り観てしまっているような物好きな人であれば、間違いなく楽しめる内容だと思うので、そういう奇特な方にはオススメできる一本かもしれません。


 正直なところ、出来だけを考えるとオススメしたくはない映画なのですが、ネタ映画としてのポテンシャルは高い作品ですので、そういう意図で観るのであれば観ておいても損はない一本ではありますよ。(笑)

 

 

映画感想:「マミー・インサイド」(50点/サスペンス)

■■■「マミー・インサイド」■■■
(50点/サスペンス)


 整形外科医の医療ミスで車いすでの生活を送ることとなったマッサージ療法士のスカーレットは、介助を受けつつ新しい生活に慣れるために、娘の恋人のフランクの家に娘と一緒に置いてもらう事となる。


 古代エジプト風の装飾が施された異様な家に不気味なものを感じつつも、彼の家で生活をはじめる彼女だったが、元来の被害妄想と薬の副作用による幻覚症状が悪化。


 更に、隣人から『フランクが裏庭に何かを隠しているからすぐに家を出るように』という奇妙な警告を受ける。


 そんなある日、フランクへのマッサージの施術中に彼の過去の記憶を幻視したスカーレットは、どこまでが現実でどこまでが幻想か分からなくなって行き、『裏庭に殺された住人のミイラが埋まっているではないか』と疑いを抱くようになっていく…

 


 被害妄想を持った女性が娘の恋人と共に新居で暮らすうちに、過去の事件にまつわる奇妙な幻覚に囚われていく…という、サイコスリラー風味のサスペンス映画。


 「マミー・インサイドとか、最初に聞いた時はなんだか良くわからないタイプの邦題だなと思ったのですが、実際の作品を観ると『裏庭に埋められた母のミイラ』と『母親(主人公)の精神状態(インサイド)』をかけた、なかなか秀逸な邦題だと思いました。


 まあ本編を見てないと、何が言いたいのあサッパリ分からないタイトルなのは変わりませんけどね…(笑)


 お話としては、車いすでの生活に慣れるために娘の恋人の家で介助を受けつつ娘と一緒に暮らすことになった母親が、古代エジプトかぶれの家主と暮らすうちに奇妙な幻覚に取りつかれて、過去に起こった恐るべき事件の真相に近づいていく…』みたいな感じのお話。


 基本的にはいわゆる『サイコサスペンス映画』なのですが、主人公はマッサージ師といっても『オカルト的な治療』が専門で、重度の被害妄想持ちなうえに薬の副作用で普段から幻覚を見るぐらい精神を病んでいる状態。


 主人公の暮らす事となる家主である娘の恋人は古代エジプトマニア』で、奇矯な行動が多く、家の中は謎のエジプト風装飾だらけという状況で、『そりゃ、こんな状況だと何もなくても幻覚も観るだろ』とツッコミを入れたくなるような設定なので、観ていてもどこまでが妄想でどこまでが現実なのか良くわからなくなってくるような作りの作品です。
 (というか、そもそも『足が動かなくなったのも、主人公の妄想のせいなんじゃないか』という疑惑が…)


 一応、主人公が家主に対して『施術』を施すうちに、何故か家主の『過去の記憶』が見えるようになっていき『その記憶をもとに過去の事件を探っていく』みたいな展開がお話のメインストーリーとなっているのですが…


 前述のとおり『どこまでが妄想でどこまでが現実か良くわからない』うえに、調査していくのが『記憶を元に語られる過去の事件』のため、どうにもストーリーが難解なのが困りもの。


 更に、過去の事件にもちょっとした『ドンデン返し』的な設定があるせいで、終盤あたりは何がどうなっているのか良くわからなくなって、ちょっと混乱してしまいましたよ。(一応、ラストで解説はしてくれるのでオチはキチンと分かる。)


 ただ難解な割には、ストーリーそのものがサスペンスとして『そこまで面白い内容か?』と言われると微妙なところで、主人公の観る幻覚もビジュアル的にそこまで面白いものでも無いので、『単に分かりにくいストーリーのサスペンス映画』になってしまっているのは困りもの…


 もうちょっと設定を活かした奇抜なビジュアルや緊張感とか、予想できないようなトンデモ系ストーリーとかがシッカリと仕込まれてれば良い作品になったと思うのですが、どうにも惜しい印象を受ける作品でしたよ。

 


 総評としましては、『奇抜な設定の割には、ちょっと物足りなさの残るサイコサスペンス映画』って感じですね。


 設定とかヒロインのキャラクターは面白いのに、作品としてはそこまで尖った個性が無いような内容なのが、物足りなさを感じる最大の要因なのかなぁ…という印象。


 気になっているのであれば観るのを止める事はありませんが、奇抜な設定の割には尖った内容を期待していると、ちょっと肩透かしを食らわされる可能性があるので、その辺は要注意かもしれませんよ。