NIGHT_SHIFT (B級映画&ゲーム雑感 上井某BLOG)

上井某(家主)が観た「B級映画」(主にホラーとサスペンス)の感想と、たまにゲームとかアニメとかについてつらつらと語るブログです。

映画感想:「SISU/シス 不死身の男」(65点/アクション)

■■■「SISU/シス 不死身の男」■■■
(65点/アクション)


 1944年、第二次世界大戦末期のフィンランド
 ナチス焦土作戦により荒廃しきった荒野で、愛犬のウッコと共に砂金を掘る元特殊部隊員の老兵士のアアタミは、首尾よく金鉱脈を発見して金塊を掘り当てるも、掘り当てた金塊を持ち帰る途中でナチスの機甲部隊と遭遇。


 金塊を奪おうとした歩兵たちと戦闘になり、兵巣数名を殺して脱出するも、ナチスの機甲部隊から追われる身となってしまう。


 アアタミは金塊を狙うナチスの執拗な追跡に対し、唯一持っていた一本のツルハシを手に、敵から武器を奪いながら戦闘を続けるが…

 


 ナチス侵攻下のフィンランドで、元特殊部隊の不死身の最強老兵士がナチスの戦車部隊とバトルを繰り広げる…という、戦争ものバトル系アクション映画。


 昨年頃に公開されて気になっていた新作ですが、いきなりAmazonプライムに入って観れるようになったので、せっかくだから鑑賞してみましたよ。


 お話としては『荒野で金塊を掘り当てて故郷に帰ろうとする老兵士が、撤退中のナチスの機甲部隊と遭遇して執拗に命を狙われる事となる…』という感じで、ぶっちゃけストーリーらしいストーリーは無いようなレベル。


 いわゆる、最近流行りの『舐めてた相手が殺人マシーンでした』というタイプの作品で、金塊を狙ってジジイを殺そうとしたところ、ジジイが思いがけずに最強の戦闘マシーンで返り討ちにあってボコボコにされる…みたいな展開。


 というか、ナチス側も焦土作戦から撤収中のナチスの戦車部隊が居るのに、平然と横を素通りしようとするジジイがマトモなジジイの訳ないだろ』とか色々とツッコミどころはありますが、途中でジジイの正体が『一人でロシア兵を300人殺した伝説の兵士』みたいな情報が判明するものの、ナチス将校が『金塊欲しさに執拗にジジイを狙う』という展開は、まあまあ説得力があって悪くない印象。


 本作で特筆すべき部分は、とにかく『異常なまでのジジイのタフさ』で、銃弾の雨を浴びようが地雷原に突っ込もうが火だるまになろうが首を吊られようが、何をされても生きてて地味に反撃してくるという無茶苦茶っぷりは、『不死身の男』というタイトルに相応しいハチャメチャ具合で、最早ちょっと笑えるレベルになってて良い感じです。(もし、自分が相手にすることになったとしたら、メチャクチャ面倒なタイプ。(笑))


 ナチスの兵士も、こういう『不死身の化物』を確実に殺したい場合は『首と胴体を切り離す』か『爆破してバラバラにする』というホラー映画の常識を知っていれば、無事に勝てたかもしれないのに…(笑)


 ただ、主人公が『不死身の男』なのは良いのですが、戦闘力に関しては『戦闘が得意でタフなジジイ』ぐらいの常識的な能力しかなくて、ランボーやらジョン・ウィックみたいな無敵超人ではないため、アクションシーンが全体的に地味なのは残念なところ。


 常識の範囲内での『不死身っぷり』を描きたかったのかもしれませんが、ここまでハチャメチャな設定ならもうちょっと派手な演出があっても良かった気はしますよ。


 とはいえ、終盤は割と爽快感やカタルシスのある展開もありますし、ラストなんかは結構盛り上がったりもするので、アクションに関しても十分に及第点は満たしている印象。


 あまり続編とかは作られなさそうな終わり方の作品ではありましたが、もし続編を作るならナチスの残党とかを相手にもっと大立ち回りとかを繰り広げて欲しいところですよ。

 


 総評としましては、そこまでの派手さは無いものの『普通に楽しめるレベルの戦争系アクション映画』って感じですね。


 過剰な期待をしてるとちょっと肩透かしを食らうかもしれませんが、主人公の『無茶苦茶な不死身っぷり』は一見の価値がありますし、この手のジャンルが好きであれば十分にオススメできるレベル。


 とまれAmazonプライムの会員であれば無料で観ることが出来ますし、設定を含めて気になるようであればとりあえず観ておいても損は無い一本ではないでしょうか?