NIGHT_SHIFT (B級映画&ゲーム雑感 上井某BLOG)

上井某(家主)が観た「B級映画」(主にホラーとサスペンス)の感想と、たまにゲームとかアニメとかについてつらつらと語るブログです。

映画感想:「バトル・オブ・ザ・キラーズ」(35点/サスペンス)

■■■「バトル・オブ・ザ・キラーズ」■■■
(35点/サスペンス)


 狂ったように犯罪を繰り返す連続殺人強盗犯のジョニーとクライドは、ある日、犯罪組織のボスであるアラナが所有する巨大カジノの莫大な裏金が隠された金庫の存在を知る。


 裏金の強奪を目論む彼らは、かつての仲間である巨漢の殺し屋の『ブッチャー』や爆発物の専門家の『ベイカー』、薬物の売人でガンマニアの『キャンドルスティック』といった面々に声をかけ、金庫への襲撃計画を立てる。


 しかし、時を同じくしてジョニーたちの帰還を知った元保安官のロックは、彼らに娘を殺された復讐のために行動を開始。


 またジョニーらの襲撃計画を察知したアラナは、通常の警備を強化すると共に、伝説的な殺人カルトの教祖である『バクワス』の霊を召喚して金庫を守らせようと画策するが…

 


 無計画で無慈悲な強盗殺人鬼のカップルが、凶悪な犯罪組織のカジノの裏金の金庫の襲撃を企ててバトルを繰り広げる…という、アクション風味のクライムサスペンス映画。


 主人公の名前やら原題(ジョニー&クライド)からして、俺たちに明日はない」のオマージュ作品かと思いきや、それほど元ネタを意識している訳でも無いという、なんというか微妙な出来のクライムサスペンス作品です。


 本作の最大の特徴としては、とにかく『主要登場人物の全員がサイコパスだという事。


 連続強盗殺人犯の主人公たちは言わずもがな、主人公の仲間の殺し屋たちも、犯罪組織のボスやその部下も、主人公たちに復讐しようとする元保安官も、もれなく全員がサイコパスで頭のおかしい連中という徹底ぶり。


 あまりにも全員がキ●ガイなので、誰が酷い目に会おうが殺されようが全く心が痛まずに作品を楽しめるのは、ある意味で本作の最大の利点と言えるかも?(ちなみにサイコパスどもがどれだけ暴れまわっても警察とかは一切出動しないので、好きなように暴れ放題です。)


 とまあここまで聞くと、サイコパス強盗の主人公たちや巨漢の殺人鬼、爆破のプロ、犯罪組織のヒットマンやらガードマンたちの激しいバトルが繰り広げられる面白い作品なのかと思うのですが…


 まあ、コレがビックリするほどストーリーがツマらないのが困りもの。


 『中学生が脚本を書いたのかよ?』とツッコミを入れたくなるような安易な脚本に、『僕の考えた最強の殺し屋たち』みたいな中二病的なキャラの集団がビックリするほど中身のないドラマを進行していくのですが、これがもうあまりに空虚な内容に軽くめまいを覚えるレベル。


 そうは言っても、アクション映画ですし脚本が『分かりやすい』のは悪い事では無いのですが、あまりにキャラクターに中身が無くて登場人物の誰一人にすら人間らしい個性が感じられないのは辛いところ。


 ただ、キャラの個性が希薄でも『最強の殺し屋たちがバトルを繰り広げる』という展開だけでも楽しめそうなものなのですが、困ったことに殺し屋たちが戦い始めるまでの前振りが妙に長くてテンポもあまり良くないうえに、肝心のバトルも意外と地味でアクションシーンも少なくて盛り上がりに欠ける内容なのは流石に厳しいです。(爆破のエキスパートとか何もしないうちに勝手に死ぬし…)


 さらに、いわゆるキル・ビル」みたいな超人殺し屋バトル的なノリなのかと期待していたら、犯罪組織のボスは不死身の『殺人カルトの教祖の霊』を召喚して金庫の警備をさせてみたりと、唐突にオカルト設定が出てきてもう何が何やら意味が分かりません。


 ラストのオチも矢鱈とアッサリしてて盛り上がりに欠けますし、割と本気でいま一つどこを楽しんだら良いのか釈然としない映画でしたよ…


 まあサイコパス展覧会』みたいな登場人物のキャラクターは意外とと面白かったので、その部分だけはちょっと評価できるかも?

 


 総評としましては、正直なところ『なんじゃコリャ?』って感じの『微妙な出来のアクション系クライムサスペンス映画』ですね。


 「バトル・オブ・ザ・キラーズ」というタイトルに釣られて、『殺し屋たちの激しいバトル』に期待しているようであれば、肩透かしを食らわされる可能性があるのでちょっと注意が必要かも?(というか、このタイトルから他にどういうノリを期待しろと言うのか…)


 まあ微妙な出来ながらも壊滅的にツマんないってほど酷くは無いですし、サイコパスの展覧会』的な内容に興味があるようであれば、暇つぶし程度にチェックしてみても良い作品かもしれませんよ。