■■■「デッドウォーカー・インフェルノ」■■■
(55点/モンスター)
特殊部隊出身のダンら4人は、バカンスで山奥にあるハッピー・キャンピングというキャンプ場へと訪れる。
大勢の人々と共にパーティを楽しんでいた彼らだったが、唐突に意識を失い翌朝に全員が雨の中で倒れている状態で目を覚ます。
二日酔いとは異なる頭痛と奇妙な事態に混乱する彼らだったが、そんな最中、客たちに一部が唐突にゾンビと化して他の客を襲い始めるという異常事態が発生。
人々は陥り散り散りに森の中へと逃げ込み、キャンプ場一帯は一瞬にして阿鼻叫喚のパニック状態に陥ってしまう。
彼は4人で協力してキャンプ場周辺のゾンビを倒して、生き残った人々と共に態勢を立て直すが、森の中は既にゾンビだらけなのに加えて森から遠くに逃げようとすると、逃がそうとすまいとする何者かによって狙撃されるという事から、今回の事件に組織的な陰謀が絡んでいるのではないかと疑いを抱くが…
キャンプ場に訪れた特殊部隊の4人がキャンプ場でゾンビに襲われるが、その場から脱出するためにゾンビと戦いつつ事件の謎を探ろうとするという、ドイツ製のアクションホラー映画。
キャンプ場を舞台にしたいわゆる閉鎖環境型のアクションホラー映画ですが、ドイツ映画らしく派手なグロ描写がウリとなった感じの作品ですね。
お話としては、『特殊部隊の4人がキャンプ場でゾンビパニックに巻き込まれるんだけど、戦って生き残った彼らは協力してゾンビパニックの真相を探ろうとすることになり…』という感じのストーリー。
主人公たちが特殊部隊4人組というのに加えて、森の中の小規模な人数での感染パニックという事で、かつてないレベルで『主人公たちに有利な条件の揃ったゾンビパニック映画』という感じの作品です。
実際に特殊部隊の主人公たちの活躍は物凄く心強くて、特に組織的でもなく散発的に襲ってくるゾンビたちには負ける要素すらなく、派手なアクションで敵をザクザクと倒していくという展開はなかなか気持ちいいです。
ゾンビを倒す時の強めのゴア描写も加わって、前半のゾンビ退治のシーンはまさに『ちぎっては投げ(直接的表現)』という感じで非常に痛快で見応えがあるのは良い感じ。
また主人公たちの常に減らず口を叩いている軽めのキャラも良く立っており、そこに個性的なヒロインや脇役も加えて全体的に軽快でノリの良いアクションホラーのテイストをうまい具合に形成しており、とにかく観ていてストレスが貯まらない映画という印象です。
(特に戦闘訓練も受けてないヒロインまでもが何故か異常に強いのはちょっと謎ですけど…)
ただ流石にゾンビを倒してるだけだと映画としてツマんないので、中盤からは『この事件を起こした黒幕の究明』みたいな方向にお話が進んでいくのですが、この展開がかなり超展開すぎて『うーん?』という感じ。
ややネタバレになってしまいますが、ドイツ映画という事でこういう事件にナチスが絡んでくるのはお約束なんですが、『ナチスの陰謀にしてももうちょっとマトモで効率的な方法があるだろう…』という印象。
ラストはそれに加えて、ゾンビそっちのけで戦う格闘アクション映画みたいなノリになってしまって、ごった煮っぽすぎてもう何が何やらという感じ…
なんというかお話は軽快で面白いんですが、お話の作中でのスケールのデカさに対して作品の規模(というか予算)が釣り合ってないような感じで、どうにも観ていて物足りなさが残っちゃうんですよね。
特にラストとかは、もうちょっとハッタリを利かせた派手な展開でも良かったんじゃないかなぁという印象でしたよ。
後半でゾンビとかが割とどうでも良い感じになってしまったのも、ゾンビものとしてはちょっと物足りない部分だったかも?
総評としましては、細かい事は気にせずに『サクっと楽しめるお馬鹿風味のゾンビものアクションホラー映画』って感じの作品ですね。
ゴア描写が強めなので観る人を選ぶ作品だと、そういうのに抵抗が無くてゾンビものとかが好きであれば普通に楽しめる一本だと言えるでしょう。
(まあ、ゾンビものが好きでゴア描写が苦手って人は、あんまり居ないと思いますが…)
ちょっと物足りない部分もあるものの、軽快で馬鹿馬鹿しくアクション要素の強めの展開はなかなか面白いですので、それなりに楽しめるお馬鹿系アクションホラーを探しているのであれば、まあまあオススメだと思いますよ。