NIGHT_SHIFT (B級映画&ゲーム雑感 上井某BLOG)

上井某(家主)が観た「B級映画」(主にホラーとサスペンス)の感想と、たまにゲームとかアニメとかについてつらつらと語るブログです。

映画感想:「ゾンビ・ファイト・クラブ」(55点/サスペンス)

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■■■「ゾンビ・ファイト・クラブ」■■■
(55点/サスペンス)

 台湾の台北市の巨大マンションで、人間をゾンビ化する新型ドラッグによるゾンビハザードが発生。

 偶然にも麻薬組織を検挙するためにマンションに突入してきた特殊部隊はゾンビ軍団との戦闘になるが、ゾンビの大群に圧倒されて壊滅。
 特殊部隊のアンディは現場での唯一の生き残りであるジェニーと共にマンションを脱出するが、マンションの住民はほぼ全滅してしまう。

 それから1年後、感染拡大によって崩壊した台北市は、ゾンビハザードによって娘を失った狂気の科学者によって支配され、余興によってゾンビと人間を地下闘技場で戦わせる『ゾンビファイトクラブ』が開催され、ジェニーとアンディらも彼らによって捕らえられていた…



 ゾンビハザードによって文明が崩壊した台北市の地下闘技場でゾンビと人間を戦わせる『ゾンビファイトクラブ』での戦いを描いた、アクションホラー映画。

 舞台となっている場所のとおり台湾製ゾンビ映画なのですが、グロ推し+派手なアクションがウリのなんとなく90年代辺りのゾンビ映画を彷彿(ほうふつ)とさせる感じの作品ですね。

 ただ『ゾンビファイトクラブなんてタイトルが付いていますが、ファイトクラブのネタがあるのは後半のみで、前半は巨大マンションを舞台としたゾンビハザードの様子が描かれており、どちらかというとそっちの方がメインという印象。(実際にそちらの方が尺も長め。)

 90年代風のノリで、とにかくゾンビと残虐描写をいっぱい見せよう&派手なアクションを見せようという方向性は悪くない感じで、低予算ながらもCGと特殊メイクでゾンビとの戦闘シーンがガッツリ描かれているのは良い感じです。

 無駄に派手なグロ描写とか、やたらと出てくるお色気シーンとか、パワードスーツを着た爺さんが大暴れする展開とか、悪ノリ的な要素も多くそういったお馬鹿的なノリが好きならばなかなか楽しめる感じになっています。

 ただ悪い部分も90年代風のノリそのままで、ストーリーとかがとにかくグテグテ。

 前半は群像劇っぽい展開なのですが、登場人物が大量に出で来る割には各キャラの個性が薄うえに、イキオイまかせの展開で人がバンバン死んでいくせいで、何が起こっているのか判然としない状況で、主要登場人物が誰なのかも良く分からないままに話が進んでいくシーンが多くて、ストーリーが全く頭に入ってこなくてちょっとモヤっとします。

 加えて後半は更にグテグテ度が増している感じで、何でただの科学教師が地下組織の支配者になっているのか、何で主人公たちが捕らえられているのかの経緯も不明ですし単に『ゾンビファイトクラブ』という舞台を描きたかっただけのために無理やりネジ込んだ感がありまくりなのが…

 まあ『ゾンビファイトクラブ』の設定自体は面白いと思ったので、どうせ作るならそっちをメインに映画を1本作った方が良かったんじゃないかなぁ?

 肝心の『ゾンビファイトクラブ』でゾンビと戦うシーンも凄く少ないですし、タイトルに惹かれて観るとちょっと物足りなさを感じる部分がありました。

 あと、色々と詰め込みたいのは分かるのですが『特殊部隊の内ゲバ』みたいな要素は別に必要なかったと思うので、不要な要素はカットした方がスッキリ観れて良かったんじゃないかと…


 総評としましては、『派手なアクションと残虐描写がウリの全世代的なノリのゾンビ映画って感じの作品です。

 アクション&エログロ推しの90年代スプラッタホラー的なノリが好きならば、なかなか楽しめる一本だと思いますので、そういう系統の作品に興味があればチェックしておいても損は無いでしょう。

 ただ『ゾンビファイトクラブ』って設定に惹かれて本作を観ようとしている場合は、やや物足りない感じになってしまうかもしれませんので要注意です。