■■■「バッドアス・モンスター・キラー」■■■
(55点/オカルト)
ドラッグとセックス産業がはびこる犯罪都市。
特殊捜査官のジミーは、この街に潜む異次元のモンスターたちを銀の弾丸を使って密かに倒し続けていた。
そんなある日、売春婦を襲っていた男が変身したたモンスターを倒した彼は、男が持っていた奇妙な星形のペンダントから、続発する怪事件に何らかの組織が関わっているのではないかと考え、調査を開始。
その結果、5年前に彼の相棒を奪ったカルト集団である『カオスの騎士』が事件に関わっている事を突き止めるが…
とある犯罪都市で起こる、怪物を操って街を支配しようとするカルト教団とモンスター専門の特殊捜査官の戦いを描いた、アクションものモンスターホラー映画。
「バッドアス・モンスター・キラー」(ヤバい怪物殺し屋)なんていかにもなタイトルから想像が付くとおり、なんというかキッチュでファンキーな感じのスタイリッシュ風味のモンスターホラー映画という感じの作品です。
80年代を意識した安っぽい特撮や、アメコミ風の原色を多用した派手でケバケバしいライティング。
広角レンズで覗いたように歪んだ街の建物のセットやら、独特の美術デザインのセンスが非常に良い味を出しているのは良い感じですね。
ただレトロ風と言えば聞こえは良いのですが、実際にはかなりの低予算ホラーといった感じの内容で、予算が無いのを演出風味にしてごまかしている雰囲気がアリアリなのは困りもの。
着ぐるみやストップモーションアニメを使った特撮も物凄く安っぽくてチャチですし、マジメに観るには色々と辛い内容という印象。
ストーリーも全体的にグテグテで、特に何の伏線も無い売春婦が物凄く強かったり、銃で撃ちまくられても死ななかった敵がナイフで刺されただけで倒されたり、色々と多方面でのツッコミどころが満載。
ただツッコミどころが多い割には、おバカ作品として観るにはいま一つパンチが足りない感じで、どうにも印象に残らない部分が多いんですよね。
テンポが良いのは悪くないのですが、キッチュでファンキーなテイストを売りにするなら全体的にもうちょっと尖った内容でも良かった気がします。
ラストのヤケクソ気味の超展開とかはバカバカしくて良かったので、あれぐらい盛り上がる要素がもっといっぱいあればもっと楽しめる作品になったと思うのですが、流石に予算の都合もあって厳しかったのかなぁ…
ちなみに、一応『クトゥルフ神話系の作品』なのですが、そっちの要素はかなり薄めです。
総評としましては、安っぽい作りながらも『細かいことを気にせずに頭をからっぽにして楽しめるアクションホラー映画』って感じの作品ですね。
お馬鹿系の作品とはいえ、流石にちょっと低予算すぎて観ていて厳しい部分が多いので、あまりオススメ度は高くはないかなぁ?
まあ独特のお馬鹿なノリやらテイストやらが好きであれば、まあまあ観れる内容ではあると思うので、予告編とかを観て気になっているのであれば、チェックしてみても良いかもしれませんよ。