■■■「シャーコーン!/呪いのモロコシ鮫」■■■
(25点/サスペンス)
アメリカ南部のドルイド・ヒルズという田舎町で、若い女性が何者かによって殺害されるという事件が発生する。
女性のボーイフレンドであるゲイリーが逮捕され、事件の調査が進められるなか、トウモロコシ畑でホホジロザメが目撃されるという奇妙な現象が多発。
更に弟の無実を証明するために、オカルト新聞記者である兄の持ってきたPCには、トウモロコシ畑を泳ぎ回る大量のサメという、驚くべき映像が納められていた。
同じ頃、別の町でバラバラの死体をトランクに積んだテディという男性が逮捕。
彼はホホジロザメの神を崇拝する『サメ教団』の信者で、『サメの神を復活させるために大量の死体をトウモロコシ畑に埋めている』という驚くべき証言を行った事から、現地のトウモロコシ畑へと調査に向かう事となるが…
『サメの神』の力によってトウモロコシ畑に人食いザメが出現し人間を襲う…というオカルト風味のモンスターホラー映画。
このことろ、Z級の超低予算系サメ映画と大量にリリースしてくれているコンマビジョンさんによる、最新のZ級サメ映画です。
ちなみに原題は「SHARKS OF THE CORN」となっており、実際の映画の中身の方もカルト教団が登場したりと「トウモロコシ畑の子供たち」のパロディ風の内容となっている作品だったりします。(いわゆる『畝の後ろを歩くもの』の代わりにサメが徘徊しているというような感じでしょうか?)
Z級のサメ映画大好きのコンマビジョンがわざわざ引っ張ってくる辺りからして、映画の完成度の方は色々とお察しなレベル。(笑)
(まあ、普通は絶対に日本じゃリリースされないレベルの作品を、日本語化して販売してくれてるので、我々のようなZ級映画好きにはありがたい限りなのですが…)
サメの出現シーンや襲撃シーンの特撮は『サメのオモチャをカメラの前にかまえて、手でガブガブと噛みついているように動かしているだけ』みたいな感じで、子供が人形をもって遊ぶ『人食いザメごっこ』をそのまま映像化したような超低クオリティ。
その代わり、サメ教団の信者による殺害シーンとかは無駄にゴア描写に気合が入っていたり、ところどころに思い出したようにCGが使われていたりするので、超低予算ではあるものの絶望的な低予算では無い印象。(笑)
ただこんなクソ映画のくせに、時系列とか人間関係とかお話の舞台とかの関連性が妙にややこしくて、お話がちょっと分かり辛いのは困りもの。
自分は、序盤ではサメ教団とかトウモロコシ畑とかの関連性がサッパリ分からなくて、ちょっと混乱してしまいましたよ…
あと、主人公たちのキャラは割とシッカリと立っいてるのですが、こちらも序盤は誰を中心にお話が動いていくのかが分かり辛いですし、終盤の展開もカルト教団とかマフィアみたいな連中が何をやりたいのか釈然としないため、お話が全体的にちょっとグダグダ気味なのは難点かなぁ?
途中で入るしょうもないパロディ(Amazonプライムのネタとかちょっと笑ってしまった)とか、ラストの超展開っぷりはなかなか笑えたりとピンポイントではそこそこ観れる内容なので、全体的にもうちょっとまとまりが良ければなぁ…という印象の映画でしたよ。
総評としましては、色々とグテグテ感の強い『超低予算オカルト風味モンスターホラー映画』という感じの作品ですね。
『ネタ映画』という方向性では割と楽しめる部分もありましたので、そういう方向に割り切って観るのであれば、まあまあアリな一本ではないかと…
ただサメ要素に期待してると意外と見どころが少なくて微妙な映画なので、観るのであればカルトホラーのパロディ系の作品として鑑賞するのが良い感じかもしれませんよ。
(冒頭で『実話をベースにした物語』みたいな説明が出るのですが、『いやいや、どこに実話要素あるねん!!』という感じの方向性の作品ですので…)