■■■「食人鮫 ディープ・キラー」■■■
(55点/生物パニック)
大学時代の友人グループ5人で卒業3周年のパーティを行うこととなったユー・フェイは、仲間内のカップルの誕生を祝うためにクルーザーをチャーターし、海上でのサプライズパーティーを開く事を計画する。
外洋に出た彼らは、バカンスを楽しみつつ密かにサプライズの準備を進めるが、外洋を水上バイクで遊んでいたウーとトンイエンが漂流する漁船を発見。
無人の船内に不気味なものを感じつつ戻ろうとするが、そんな矢先にゴムボートで遊んでいたジャンとリーの2人が、突如として出現した巨大ザメに襲われて食われてしまう。
なんとか襲撃を逃れた3人だったが、水上バイクの燃料も尽きてしまい自分たちのクルーザーに戻ることも出来なくなった事から、ひとまず漂流する漁船の上へと避難する事となるが…
洋上でパーティを開いていた5人の男女が、突如として出現した凶暴な巨大ザメに命を狙われる…という、巨大ザメもの生物パニック映画。
最近、大量に制作されている中国製のモンスター映画やら生物パニック映画のうちの一本で、『洋上に遊びに出た若者たちが巨大ザメに襲われる』という非常にオーソドックスな設定のサメ映画ですね。
序盤で、少しだけ『サメ狩りの漁船の船員が宿敵の巨大ザメと戦う』みたいなシーンは描かれるものの、サメ自体に『遺伝子操作された凶暴なサメ』とか『古代からよみがえった巨大ザメ』とかみたいな特殊な設定は無し。
『食人鮫』なんていう、ちょっとおどろおどろしい感じのタイトルが付いているものの、そもそもサメが人間を喰うのはそこまで特別な事でも無いので、内容的に設定的にも『要するに普通のサメですよね?』という印象。
オーソドックスな設定ながらも、映画自体はサメ映画としてはそこそこ良く出来ており、襲撃シーンが多くてサメの出番も多め。
CGも意外とシッカリと作られていて、意外と迫力のある内容に仕上がっています。
ただ、メインの登場人物が5人と少ないせいで(2人は速攻で喰われるし)、『サメと人間との絡み』となるシーンがちょっと少なくて物足りなさを感じるのは残念なところ。
要所要所に見せ場を持ってきつつ、サメの襲撃の無いシーンでは『主人公の恋人との過去の確執』とか人間ドラマ的な部分を掘り下げることで、退屈しないように物語を組み立てているのは好感触です。
(とはいっても、やはりサメがメインの映画なので、人間ドラマ部分は少し冗長に感じてしまいますが…)
また人間ドラマ部分でキャラをシッカリと掘り下げる事によって、ラストの展開が非常に『熱い展開』と感じられるようになっているのは、なかなか上手い作りだと感心させられました。
ラストのオチの落としどころも悪くないですし、コンパクトながらもなかなか上手くまとまったサメ映画という印象の作品でしたよ。
総評としましては、低予算ながらも『そこそこ良く出来た人食いザメものの生物パニック映画』という感じの作品ですね。
本作ならではの個性とかは乏しいものの、オードドックスにソツなく作られた作品という印象ですので、サメ映画が好きな人であればそこそこ満足できる作品ではないかと…
強く推すほどではないですが普通に楽しめた作品でしたので、設定とかが気になるようであればチェックしておいても損は無い一本かもしれませんよ。