■■■「プー2 あくまのくまさんとじゃあくななかまたち」■■■
(60点/スラッシャー:結構オススメ)
プーたちによる『100エーカーの森の虐殺』をなんとか生き延びたクリストファー・ロビンは、そのトラウマから立ち直るために故郷の街の病院で働きながら、催眠療法による治療を続けていた。
しかし、『クマ頭の怪物に襲われた』という荒唐無稽な彼の証言は人々から信じられず、彼を事件の真犯人だと疑う人も多く、彼の証言をもとにB級ホラー映画まで制作された事により、街では彼の悪名ばかりが広がっていた。
だが、彼の言葉を信じた一部のハンターたちは怪物を狩るために『100エーカーの森』へと侵入。
ハンターたちの襲撃によって徐々に棲み処を追われて森の奥へと潜んでいたプーたちだったが、やがて冬が近づくにつれ食料の乏しくなった彼らは人間たちへの反撃を決意し行動を開始するのだった…
プーたちによる『100エーカーの森の虐殺』を生き延びたクリストファー・ロビンが、再び活動を開始したプーたちと相まみえる事となる…という、スプラッタ系スラッシャーホラー映画。
前作の「プー あくまのくまさん」が予想以上にヒットして気を良くしたのか、端的に説明するなら『予算とスケールをパワーアップしてプーたちが帰ってきた』って感じの続編ですね。
前作は『「くまのプーさん」を題材にしたホラー映画』とは言いつつも、そこまで「プーさん」らしい要素も無くて、単に『クマの顔の殺人鬼が暴れる普通のスラッシャーホラー映画』って感じだったのですが…
1作目がヒットしたお蔭か、2作目になって予算も増えて特撮や映像も全体的に派手になったうえに、『プーさんの仲間たち』もティガーとオウルを加えた4人体制となって、全体的に『余すことなくパワーアップした続編』という印象です。
キャラの設定やらにやっつけ感が強かった前作に比べて、ストーリーもキチンと練り直されており、『プーさんとロビンの過去の確執』やら『プーさん誕生の秘密』みたいな要素がサスペンス形式で描かれており、ロビンとプーさんのキャラクターやら関係性やらがシッカリと掘り下げられているのは好感触。
このサスペンス要素が意外と面白いので、キチンと楽しみながらストーリーを追える作りになっているのは良い感じです。
また、モンスターたちの『プー軍団』も、パワータイプのプーさん、スピードタイプのティガー、知性派でトリッキーなオウルといった感じで、キッチリと各キャラの個性を活かした『殺戮アクション』を見せてくれるのは嬉しいところ。
ただ前述したように、今作は割とストーリーやキャラの掘り下げに力が入って作りになっているせいか、序盤~中盤のストーリーを描く部分が意外と尺が長くて、プーたちの出番が少ないせいでややテンポの悪さを感じてしまうんですよね。
その代わりに、終盤ではプーたちが『大暴れ』するシーンが準備されていてスカっとさせてはくれるのですが、もうちょっと中盤までに見せ場があっても良かった気はしますよ。
あと、『プー軍団』もキャラによって出番に割と偏りがあって、プーとオウルは割と出番が多いものの、ピグレットなんてホントに一瞬しか出番が無いですし、ティガーとかも割とカッコいいのに終盤にちょっとだけしか出番が無いのが勿体ないです。
まあそういった不満はあるものの、全体を通して観れば割と楽しめた部分も多かったですし、ラストで『恐怖の童話シリーズ』である「プーニバース:モンスターズ・アッセンブル」に向けたイメージカット的なイラストが表示されたりする辺りも、なかなかツボを押さえた感じで良かったので、今後のシリーズにも期待していきたいところですよ。
総評としましては、前作より色んな意味でパワーアップした『なかなか良く出来た楽しめるレベルのスラッシャーホラー映画』って感じですね。
ゴア描写も色々凝ってて楽しいですし、キャラも良く立っておりスラッシャーホラー映画としては割と良作といった印象の『理想的な続編』って感じです。
ただストーリーが意外とキチンと前作から繋がっているため、前作を観ていないと分かりにくい部分があるので、もし気になっているのであれば1作目の「プー あくまのくまさん」を先に観ておく事をオススメしますよ。