NIGHT_SHIFT (B級映画&ゲーム雑感 上井某BLOG)

上井某(家主)が観た「B級映画」(主にホラーとサスペンス)の感想と、たまにゲームとかアニメとかについてつらつらと語るブログです。

映画感想:「クロムスカル リターンズ」(55点/スラッシャー)

■■■「クロムスカル リターンズ」■■■
(55点/スラッシャー)


 『銀色の骸骨マスクを装着し犠牲者を殺害してその様子を撮影して警察に送り付ける』という凶器の連続殺人鬼クロムスカルが、マイアミのガソリンスタンドで被害者の反撃によって殺害される。


 しかしそれから3か月後、クロムスカルのものと思われる殺人事件が再び発生。
 警察の殺人課のマックスは、調査のために以前の事件の生き残りであるトミーに協力を依頼する。


 一方その頃、目の手術を翌週に控えた女子学生のジェスは、最後の週末を友人の家で過ごしていたところ、謎の黒服の男の襲撃を受けて廃工場に拉致されてしまい…

 


 前作のラストで死んだと思われていた狂気の殺人鬼クロムスカルが実は瀕死の重傷で生き延びており、復活を遂げて再び犠牲者たちの前に姿を現す…という、「クロムスカル」の続編にあたるスプラッタ系スラッシャーホラー映画の第2弾。


 お話的には前回の事件の3カ月後のエピソードがメインとなるのですが、『前作のラストで死んだと思われていたクロムスカルが、実は瀕死の重傷で一命をとりとめており、謎の巨大組織の救命作業によって蘇り再び恐るべき殺戮を開始しようとしていた…』みたいな感じの展開です。


 今作では、前作で完全に正体不明だった謎の殺人鬼『クロムスカル』の正体に関して色々と設定が語られる部分があって、『実は強力な資金源とバックボーンを持ったサイコな大富豪が道楽で殺人を繰り返していました』みたいなキャラクターの設定が判明します。


 色々とツッコミどころのある設定ではあるのですが、前作で一人であれだけの所業を繰り広げる事が出来たことの説明としてはまあまあ納得のいく説明ではあるので、後付け設定ながらも悪くない印象。


 ただ今作では、その設定の掘り下げの部分がメインのストーリーとなっているのですが、『2代目クロムスカルの座を狙う部下との内ゲバの争い』があったり等と蛇足っぽい要素が多くて、どうにもグテグテ感の強いストーリーという印象。


 前作と差別化するために捻りを効かせたのかもしれませんが、有無を言わさない『理不尽な暴力と残虐描写の象徴』のような殺人鬼を描いていた前作と比べるとどうにもテンポが悪さを感じてしまいます。


 またストーリーに凝るのは良いのですが、そちらに尺を割かれるせいでどうしても残虐シーンやらの見せ場が減ってしまっており、いま一つ盛り上がりに欠ける内容になってしまっている部分はあるんですよね。


 『2代目クロムスカル』に関しても、『初代クロムスカル』のクールさを強調するために微妙にヘタレな感じのキャラとして描かれていて、出番が多いクセにちっとも好感が抱けない感じのキャラになっているのも辛いところ。


 加えて、あいかわらずクロムスカルの容赦のない残虐シーンと過剰なスプラッタ描写は気合が入っていて良い感じなのですが、キャラを掘り下げてしまった事によって、前作のようなミステリアスさがちょっと失われてしまった感があるのは気になるところです。


 ラストの展開とかオチもちょっと弱い感じなので、その辺はもうちょっと頑張って欲しかった部分かも?

 


 総評としましては、前作同様に低予算ながらも『まあまあ楽しめるレベルのスプラッタ系スラッシャーホラー映画』って感じですね。


 ただスプラッタ系のイキオイで観るタイプの映画の割には、前作から繋がっている部分が多くて、前作を観てないといま一つ分かりづらい内容のため注意が必要かも?


 前作を観た人であれば、前作ほどのイキオイは無いものの純粋に『前作の続きのお話』として楽しめるような作品ではありますので、気になっているようであれば普通にチェックしておいても損はない一本だと思いますよ。