NIGHT_SHIFT (B級映画&ゲーム雑感 上井某BLOG)

上井某(家主)が観た「B級映画」(主にホラーとサスペンス)の感想と、たまにゲームとかアニメとかについてつらつらと語るブログです。

映画感想:「聖夜の惨劇 ニッセやりすぎる」(55点/モンスター)

■■■「聖夜の惨劇 ニッセやりすぎる」■■■
(55点/モンスター)


 アメリカ人のビルは、亡くなった叔父の遺産を相続するために、妻のキャロルや子供たちと共に一家四人でノルウェーに移住する事となる。


 家の隣にある大きな納屋をロッジに改装するつもりで計画を進めるビルだったが、息子のルーカスが納屋を散策していたところ、納屋の中に地元の民話に登場する『ニッセ』と呼ばれるいたずら好きな妖精(エルフ)が棲みついている事を知る。


 地元民から『ニッセ』を刺激してはならないという伝承を聞いていたルーカスは、その言いつけを守って彼らと共存するための『ルール』を作り友好的な関係を築くが、ルーカスの話を信じない家族たちが、彼の警告を無視し『ルール』を破って納屋で馬鹿騒ぎのパーティを始めてしまった事からニッセは怒り心頭。


 森の中から大勢の仲間を呼んで、彼らの住居に襲撃をかけてくるのだった…

 


 ノルウェーに引っ越してきたアメリカ人の一家が、納屋に棲む『妖精』の怒りを買ってしまったことから凶暴な妖精の群れの襲撃を受ける…という、モンスターホラー映画。


 タイトルを見れば分かるようにクリスマスを舞台にした作品なのですが、向こうでの公開時期もあるのでしょうが『なんでこの時期に?』とツッコミを入れたくなるような、ちょっと季節外れ感のある作品ですね。


 お話としては『とある一家が、亡くなった叔父の遺産を相続するためにノルウェーに引っ越して来るんだけど、一家の息子が納屋で「ニッセ」と呼ばれる妖精を発見。彼は妖精と友好な関係を築こうとするんだけど、彼の話を信じない両親が納屋に近所の住人を読んでパーティを開いてしまったせいで妖精が大激怒。その後、ひと悶着を経て妖精の大群が一家の命を狙って攻め込んでくる…』みたいな感じの展開。


 本作に登場する妖精の『ニッセ』は、作中では『エルフ』と表現されているのですが、どちらかというか『ノーム』のような『ひげ面の小人』といった外見で、いわゆる「白雪姫」の『七人の小人』が凶暴化して襲ってくる話だと思っておけば、イメージとしてはほぼ間違いありません。


 テイスト的には『ダークファンタジー』やら『コメディホラー』といった雰囲気のただよう内容で、登場するのが見た目が『ほのぼの系の小人妖精』なので、なんとなくコミカルな印象を受けるのですが、妖精たちの『殺意』がかなり高すぎるので割とホラーテイストが強めの印象。


 妖精たちの襲撃シーンや一家との乱闘シーンもかなり長めの尺が取られており、執拗なまでの襲撃と激しいバトルを繰り広げてくれるのは、予想以上に楽しませてくれます。


 ただ妖精とのバトルシーンが長い割には、犠牲者や被害者の数は意外と少なくて、妖精の襲撃方法もそこまで面白味のあるものでも無いことから、ちょっと物足りなさを感じる内容になってしまっているのは残念なところ。


 もっと近所の住人とかも巻き込んで、派手に殺戮を繰り広げて欲しかったです。


 あと、コメディホラーとしての『ホラー要素』は悪くないのですが、コメディ要素がやや滑りがちで、コメディ要素として描かれる『ヘタレな父親』やら『妙にギスギスした家族』やらが、普通に『ヘタレ』だったり『ギスギスしてる』だけに見えてで、殆どストレスの溜まる要素にしかなっていないのも困りもの。


 もうちょっとほのぼのするなりブラックにするなりして、どっちかに振り切る感じで笑える雰囲気にして欲しかったかなぁ?(個人的には、父親が日替わりで着てる『クリスマスモチーフのクソダサセーター』には、ちょっと笑いましたが…)


 あと、妙に『ハートフルなテイストのオチ』に関しては、悪くない落としどころではあると思うのですが物足りなさを感じる部分でもあるので、この辺は人によってちょっと好みの分かれる部分かもしれません…

 


 総評としましては、『そこそこ楽しめるレベルのダークファンタジー風味のモンスターホラー映画』って感じですね。


 『「七人の小人」が殺意をむき出しにして襲撃してくる』というシチュエーションだけでも十分に個性的な内容ですし、全体的なクオリティも低くは無いので、設定とかに興味が湧いた人であれば、観ておいても損は無いかもしれません。


 全体的にちょっと物足りない部分もあるので、強く推すにはやや弱い内容ではありますが、気になるようであれば『お好みで』って感じの一本だと思いますよ。