■■■「ハウス・シャーク」■■■
(25点/モンスター)
息子のテオと共に2人で暮らす元警官のフランクは、ある日、ハウスシッターのベッツィに留守番を任せて外出するが、帰宅した際にベッツィが何者かによって、血まみれになりながら自宅のトイレの便器の中に引き込まれて惨殺される現場を目撃する。
恐る恐るトイレの中を確認したところ、トイレの中に『サメ』が居る事を発見。
恐怖を感じた彼は、家には誰も入らせないようにして自身も庭のテントで暮らすようになる。
怪物について調査するうちに、彼の目撃した怪物が『ハウス・シャーク』と呼ばれるもので、全世界にただ一人の専門家が居る事を知った事から、その専門家とコンタクトを取ろうとするが、そんな最中、彼の家を売却しようとたくらむ悪徳不動産業者が、勝手に家の中に見学客を入れてしまい…
家の中に出没する謎の人食いザメ「ハウス・シャーク」の恐怖と、その怪物と住人との闘いを描いた、モンスターホラー映画。
『家の中のどこにでも出没する人食いザメ』という事で、水のある場所にならどこでも出現する「ゴーストシャーク」系のサメ映画かと思っていたのですが…
細かい設定を気にするのもアホらしくなるぐらい、コメディ色の強い単なるコメディホラーでした。
どれぐらいコメディ色が強いかというと、割合的には『コメディ8:ホラー2』程度の比率といった感じで、基本的にはしょうもないパロディとギャグを連発するだけの映画という感じ…
主人公の家を狙う不動産屋の店員は何故かリンカーンのソックリさんだし、サメと戦うために送り込んでくる調査員はフォースの使い手の暗黒騎士だしといった具合で、最初から最後までしょうもないネタの繰り返しです。
サメも『家の壁の中を自由に動き回る』みたいな設定なので、もっとサメらしい出現や襲撃の仕方をするのかと思いきや、途中から完全に『単なるサメの着ぐるみが家の中をうろつき回っている』という状態で、そもそもがサメである必然性は全く無し。
というか、サメというよりも『40年ぐらい前の特撮ドラマの怪人』にしか見えないですし、別にサメじゃなくてクマでもビッグフットでも何でも良かったですよね、コレ?
そんな感じなので、モンスターの襲撃シーンとかも基本的には完全なギャグで、当然ながら怖さなんてものは1ミクロンも感じられません。(むしろ怪物が出てくると微笑ましくて笑えるレベル。)
まあ理不尽なコメディホラーでも、それなりに笑える内容ならば良いのですが、繰り返されるギャグがひたすら寒くて割合的には2割程度しか笑えない印象。
ところどころで『下らなさ過ぎてちょっと笑える』程度のネタも出てくるので楽しる部分もあるにはあるのですが、特に面白くも無いような『矢鱈と下品で汚いだけの下ネタ』も多くて、同じぐらいに観ていて辛いシーンの割合が高かったのは困りものです。
地下室での『水中戦』のシーンとかは、30年ぐらい前の映画とかドラマでありそうなネタでアホくさくて結構好きなんですけどね…
あと、しょうもないネタが中心の割には、モンスターの出自とかが意外とシッカリとしてて逆の意味でちょっと驚かされてしまったのはまあまあ評価できるポイントかも?(普通のモンスター映画でも出自とかは投げっぱなしにされる事が多いのに…)
総評としましては、一言で言ってしまうと『あまり出来のよろしくない超低予算コメディホラー映画』って感じの作品ですね。
最初からコメディ映画な割にはあまり笑えないシーンが多いので、馬鹿ネタのB級ホラー映画として観るのもちょっと微妙な印象で、正直言ってあまりオススメできる要素が無いのは困りもの。
しょうもない下ネタ系コメディ映画とかが好きならば、まあまあ楽しめなくはない感じなので、その手のネタが好きならば観てみるのも良いかもしれません…