■■■「ダイナソーホテル」■■■
(25点/モンスター)
若くして夫を亡くしシングルマザーとなったシエナは、子供たちの養育費を稼ぐために、怪しげなネットの募集に応募して、優勝すれば賞金10万ポンドを貰えるという『ダイナソーホテル』というゲーム番組に応募する
シエナは参加者である5人のメンバーの一人として、ゲームの内容は一切が秘密のままにゲームに参加することとなるが、実はそのゲームは『恐竜の徘徊するホテルで恐竜の襲撃から24時間生き残り、ホテルを生きて出られるのは勝者の1人のみ』という恐ろしいものだった。
当日のベビーシッターが見つからなかった事からゲームの会場へ子供たちを連れて参加していた彼女は、恐竜たちからなんとかして子供たちを守ろうと行動を開始するが、恐竜たちを見かけた子供たちはホテルの自室から外へと探検に出てしまっており…
恐竜の徘徊するホテルでサバイバルゲームに参加する事となった女性が、子供たちを守るために命がけで恐竜と対峙する…という、サバイバル系のモンスターホラー映画。
恐竜を題材とした、いわゆる『デスゲーム系のサバイバルホラー映画』なのですが、超低予算で非常に残念な出来の映画としか言いようがないような作品です。
お話としては『ネットで謎の視聴者参加ゲームに参加する事になった女性5人がホテルに集められるんだけど、実はそのゲームは「恐竜の徘徊するホテルで24時間生き残り、ホテルから生きて出られるのは一人のみ」という恐ろしいものでした』という感じの、割とありふれた設定のストーリー。
主人公が『ベビーシッターに預け損ねた子供たちを連れてきていました』というところが、ちょっとだけ変化球という感じですが、登場する男の子と女の子の雰囲気とかから『「ジュラシックパーク」をリスペクトした設定なのかな?』という印象です。(他にも「ジュラシックパーク」を意識したっぽいシーンがところどころに見られるので…)
ただ個性であるはずのその設定が、上手く機能しているとは言えないような状況なのが困りもの。
子供たちは勝手にホテルの部屋から外に出て迷子になって、主人公たちを無駄にピンチに晒すだけというような立ち位置で、全く同情の余地が無いうえに特に可愛げも無いので、観ていてハラハラという以上にイライラさせられてしまいます。
ただツッコミどころ満載のストーリーではあるのですが、実際にはストーリー以上に『もっと残念な部分』が非常に多くて、ストーリーは逆にあまり気にならないレベルなんですよね。(笑)
まず、CGからして20年前ぐらいに作られた超低予算映画のような品質で画面から浮きまくりで合成感がまる出しですし、予算が足りないのか恐竜の登場するシーン自体も少な目で、半分ぐらいは『鳴き声を聞いて逃げ回るシーン』でごまかしているような印象。
そもそも、メインの登場人物が5人(+2人)しか居ないので襲撃シーンの頻度も高くなくて、観ていてとにかく退屈です。
登場する恐竜も、ラプトルとティラノサウルスっぽい肉食恐竜とプテラノドンっぽい翼竜の3種類だけで定番すぎる感じですし、予算の都合からか登場するのも1匹づつでとにかく地味。
ちなみに、作中では『サバイバルゲームをネットで配信して、多くの金持ちたちが賭博をしながら配信を観ている』みたいな設定なのですが、競技時間の大半は部屋で引きこもってるだけなので、『こんなダラダラした配信を24時間も観せられても金持ちたちも困るだろ』とツッコミを入れたくなったのは自分だけ?(あとでダイジェスト映像だけ5分ぐらいに編集してくれればいいよ…)
全体を通して特に見せ場や山場となるような部分も殆ど無く、終盤でちょっとだけドンデン返し的な展開があるものの、『だから何だよ』みたいなレベルで特に驚きも無し…
ラストも『なぜか会場までのこのこと顔を出して恐竜に食われる主催者』というB級映画のお決まりすぎるの展開で、正直なところ『もうちょっとどうにかならんかったんか?』と言いたくなるような作品でしたよ。
総評としましては、『微妙としか言いようがないレベルの超低予算B級(というよりD級ぐらいの)モンスターパニック映画』って感じですね。
いろいろとツッコミどころが多い内容ですので、ネタ映画としてなら『まあアリかな?』という部分もありますが、オーソドックスな展開が多すぎてネタとしてもパンチが弱いのが厳しいところ。
よほど『恐竜映画は全部チェックするんだ!!』みたいな使命感でも持っている人でなければ、普通にスルーしてしまっても問題のない一本だと思いますよ。