■■■「エレベーター・ゲーム」■■■
(50点/オカルト)
大学生のライアンは、都市伝説を検証し論破する動画を投稿しているグループに参加する事となる。
実はライアンには妹が居たが、妹は数か月前に『異世界に行く方法』として知られる都市伝説で、エレベーターの階数を特定の順番で押すと異世界に繋がると言われる『エレベーターゲーム』をライブ配信で行ったところ、配信の途中うにそのまま行方不明となってしまっていたのだった。
ライアンは妹を捜索するために、このグループへと『エレベータゲーム』の検証を提案
彼の提案は受け入れられ、彼らは妹が行方不明となったその現場でゲームを実行する事となるが…
『異世界に行く方法』として有名な都市伝説である『エレベーターゲーム』を行った若者たちが、想像を超える恐怖へと巻き込まれる…という、オカルトホラー映画。
日本でも割と有名な都市伝説である、いわゆる『異世界エレベーター』を題材としたオカルトホラーですね。
『異世界エレベーター』というと、『特定の順番でエレベーターのボタンを押して階を移動すると、最終的に異世界へと繋がる』というものですが、途中の階で女の幽霊(作中では『赤い女』)がエレベーターに乗り込んで来ようとするという辺りも同じなので、基本的には日本のものとも同じルーツを持つ都市伝説のようです。(というか、こちらが元祖なのかな?)
お話としては『過去の異世界エレベーターの都市伝説を検証して行方不明になった妹の消息を追うために、その兄が「都市伝説調査グループ」の協力を得て、その謎に挑む』といった感じの展開なのですが、主人公に協力するのが『都市伝説の嘘を暴く暴露目的の動画配信チーム』という辺りは、いかにも現代的な設定という印象。(昔なら心霊調査チームとかTVのバラエティ番組とかだったんだしょうが…)
作中では、当然のごとく『都市伝説は本当にヤバい内容で、暴露チームの面々が酷い目にあう』というのはお約束の展開。(失礼な動画配信者は洋の東西を問わず嫌われてるっぽいので内容に適した配役とも言える?)
本編で主人公たちにも指摘されていますが、『異世界に繋がるまでのプロセス』が割と長めで、異世界に繋がってからもすぐに異変が起こる訳ではないため、前半部分がやや冗長でちょっとテンポの悪さを感じます。
ただ、妹の失踪に実は『動画配信チーム』のとある人物が関わっていたりと、キャラの掘り下げで間を持たせようとしているのは悪くない印象ですね。
中盤以降のお話が動き出してからの展開は、割とテンポも良くサクサクと進む感じで、作中のメイン要素となるのは『異世界エレベーター』よりも『赤い女』の方なのですが、この『赤い女』のビジュアルがなかなかに強烈で、スパイダーウォークのように身体を捻じ曲げながら物凄いポーズで主人公たちに襲い掛かってくる姿は、インパクトもあって悪くない印象。
終盤で『赤い女』の秘密が判明するという構成も、謎解きとしてはなかなか良く出来ています。
ただ、せっかく『異世界エレベーター』を題材としている割には、『異世界』要素はあんまり無くて、殆どが『赤い女』に絡んだ話となってしまっており、途中からは単なる心霊ホラーっぽいノリになってしまっているのは残念なところ…
もうちょっと『異世界』の『異世界らしさ』をシッカリと描いて欲しかったです。
あとラストのオチに関しても、投げっぱなしで面白味が薄く『結局どないやねん』みたいな終わり方だったので、その辺も不満なところかなぁ?
総評としましては、『可も不可も無い感じの都市伝説ものオカルトホラー映画』って感じですね。
有名な題材をモチーフにしている割に、ちょっとネタとして消化しきれていない雰囲気があり、いまひとつ物足りなさを感じる印象。
『赤い女』のビジュアルとか悪く無い部分もあるので、気になるようであれば観るのは止めませんが、急いで観る事をオススメするほどの作品かと言われると悩ましいところなので、安くなったりサブスク入りしたりするのを待つ感じでも良い作品ではないかと思いますよ。